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よみものどっとこむ

第10回

子どもと心地よく過ごすおもちゃの持ち方、選び方

2016.12.28更新

読了時間

【 この連載は… 】 住まいを工夫すると、ライフスタイルが変わる。小さくてもゆとりある暮らしのキーワードは「ミニマムライフ」そして「自由」。時間と共に変化していく空間やモノと長く付き合う、心地よい住まいづくりの方法を紹介します。


 今年はどんなクリスマスをお過ごしでしたか? あなたのお家にもサンタクロースはやってきましたか?


 子どもたちは、毎年サンタクロースがプレゼントを持ってくるのを楽しみにしています。毎年、どんなプレゼントをもらえるか考えるのは、子どもにとっては大きな楽しみでもあり、親にとってはちょっとストレスでもあります。我が家の子どもたちにもサンタクロースからのプレゼントがありました。


 おもちゃが際限なく増えて、収納に困る! 子どもが整理できなくて困る! というお声をよく耳にします。


 今回は、子どもの持ち物(おもちゃや本など)についてのお話です。おもちゃの限りない増殖に歯止めをかけて、片付けをカンタンにするにはどうしたらいいのでしょうか。



■1 おもちゃや文具を買う機会を限定する


 クリスマス以外にも、お誕生日や進級祝い、なんでもない日の贈り物……、子どものものが増える機会は年に何回もあります。


 我が家では、基本的には、おもちゃが増える機会は、クリスマスと誕生日に限定しています。


 欲しいものがなんでもすぐに手に入る暮らしが、教育上あまり良くないと考える親は多いでしょう。なんでも買えばいい、お金を出したらなんでも手に入る。欲しいものをすぐに買うことが習慣になれば、工夫や我慢の余地がなくなってしまいます。不足感も立派な生活勉強の一つだと捉えます。


 おもちゃが増える機会が限定されると、子どもは、その機会にどんなものが欲しいか、本気で考えます。「ちょっと欲しいと思ったもの」「友達が持っていたから」そんな理由で増えるものが少なくなります。持っているおもちゃは、「自分で一生懸命選んだ」大切なおもちゃばかり。こどもがおもちゃを大切にする気持ちも芽生えます。


 そして、おもちゃが増えるお誕生日などの機会には、子どもと相談して、なるべく子どもの意向に沿ったものを買うようにします。


 「これで遊んで欲しい」と思ってせっかく親が選び、買い与えても、子どもが好きではなかったり、使いこなせなかったりすることがあります。そうした「親のエゴ」的なおもちゃは、場所を塞ぐので、子どもが遊ばないものは手放す決断も大切です。ただし、子どもの年齢に合わないから遊べない、という場合もあります。もう少し大きくなったら使えることもあるので、そういう場合は、もう少し様子を見てもいいかもしれません。


 「あと何日でプレゼントをもらえる日」。イベントを、そうして心待ちにする日々も、楽しむこともできるというおまけ付きです。


 おじいちゃんおばあちゃんが孫のために買ってきてしまい、困っているという話もよく聞きます。孫の喜ぶ顔が見たい、という気持ちは大切にしたいものです。家の教育方針を伝えたうえで、プレゼントをむやみに贈らなくていい、贈るなら必要なもの、と伝えてみます。我が家では、祖父母が遠方に住んでいるので、幼いときは図書カード、ある程度の年齢になったら現金を贈ってもらい、子どもたちのためにとても有効に使わせてもらっています。親としては、現金や図書カードなどでなく、手書きのメッセージカードなどでも、おじいちゃんおばあちゃんの気持ちが伝わるから十分なのですが、我が家の場合、それで満足するように育てることができなかったのが残念です。



■2 おもちゃを収納するスペースを限定する


 子どもがおもちゃを選んだり、そのおもちゃで楽しく遊ぶ姿を見るのは嬉しく、子どもと一緒になってそのおもちゃで遊ぶのは親にとっても楽しいもの。

おもちゃを選ぶときも、たくさんあって迷ってしまい、ついあれこれ、親の私が欲しくなってしまいます。


 買い与える機会を限定すると同時に、収納場所もある程度限定すると、おもちゃが際限なく増えることを防ぐことができます。


 「Aちゃんのおもちゃはここに入るだけ」と、棚や引き出しの大きさを決めます。よっぽど必要でなければ、そこに入るものだけを選びます。


 同じようなおもちゃでも、コンパクトに収納できるもの、場所をとるもの、いろいろあります。似たような機能のおもちゃでも、小さいほうがたくさん持てるし、コンパクトに収納できれば部屋のスペースもとりません。


 おすすめなのは、自分で大きさを展開したり、変化させたりできるおもちゃ。例えば、基盤がすでにできているおもちゃ(例えば、「~のおうち」など)は、コンパクトに収納できませんが、それをブロックや積み木で作れば、大きくも小さくもなります。床に大きく広げて遊んで、収納するときは、バラしてコンパクトに収納。そのようなおもちゃは、収納場所をとらないばかりでなく、違う遊び方を発見したり、別のレイアウトで組み立てたりして、遊びの幅も広がります。


 また、収納場所を限定することで、子どもがおもちゃのありかを把握しやすくなります。「あのおもちゃどこに行ったっけ?」「なにか今遊べるものはないかな?」子どもは、おもちゃ箱をひっくり返します。でも、収納スペースがまとまっていて、かつコンパクトだと、子どもが遊びたいおもちゃが探しやすく、数が少なければ、出してしまっても後で片付ける量は知れています。


 「数が多くて困る」のは、実は、部屋をきれいにしたい親にとってだけでなく、子どもにとっても困ることがあるのです。子どものキャパシティーを考慮して、それを超えすぎない範囲で買うようにします。「片付かず困っている」と嘆く、親自身が買い与えていることを忘れずに。



■3 定期的におもちゃを整理=「卒業」しよう


 子どもはみるみる成長するので、使うおもちゃもどんどん変わります。以前は大のお気に入りだったものも、半年も経たないうちに遊ばなくなったりするものです。年齢が低ければ低いほど、そうした傾向が顕著です。もちろんそれは子どもが飽きっぽいのではなく、成長の証。昔はよく遊んだけれど、もう遊ばない「卒業」したおもちゃは、思いきって整理し、手放しましょう。


 とはいえ、大人と同じように、子どももものへの愛着心があります。大人が抱くような、捨てたらもったいないという打算的なものではなく、そのものへの純粋な「情」です。幼稚園や学校に通っている年齢の子どもなら、進級・進入学などがおもちゃの「卒業」をうながすチャンスです。子どもが自らの成長を自覚できるよい機会だからです。

たとえば、「この赤ちゃんのときのおもちゃは小さいお友達が喜ぶからあげようか」など、子どもの成長を自覚する言葉を添えて、声をかけてみます。クリスマスの前には、「サンタさんからもらったおもちゃをしまうために、使わなくなったおもちゃを選ぼう」などと、声をかけてみてはいかがでしょうか。


 子どものおもちゃを一緒に整理する手順は、次のような感じです。


【1 全部出す】


 おもちゃ箱、おもちゃの収納している引き出しからおもちゃをすべて出します。この時点で、たくさん持ちすぎていると、大変な作業だということがおわかりだと思います。もし、気の遠くなるような量なら、収納しきれていない「すでに出ている」床に置いてあるものから始め、「今日はこの引き出し1段だけ」など、分割してやるほうが気軽にできます。量が多ければ多いほど、一気にやるのに向いていません。


【2 分ける】


 子どもには、「まだ遊ぶ」「もう遊ばない」と分けてもらいます。


【3 減らす】


 「もう遊ばない」おもちゃは、捨てる、差し上げる、売るなどの方法で手放しますが、ここはお母さんがしてもよいでしょう。兄弟がいてお下がりで取っておきたいけど、まだ使わない場合は、出しっぱなしではなく、子どもの手の届きにくい別の場所に収納します。


【4 しまう】


 「まだ遊ぶ」おもちゃは、元の収納に戻します。よく使うおもちゃはもっとも取り出しやすいところに移動すると、出し入れが簡単になります。この作業も、必ず子どもと一緒にします。そうすると、子どもが収納場所を覚えてくれるからです。



■4 ロングセラーのおもちゃを選ぶ


 ロングセラーのおもちゃは、パーツを入手しやすいです。長い間子どもたちに愛されているおもちゃは、パーツ類も豊富。子どもの遊びのバリエーションも広がります。ロングセラーだけに、すぐ壊れたりする作りなどではありません。また、万が一壊れても、パーツだけ買い直したり、買い足したりすることが容易です。


 よく売れている商品なら、年齢が大きくなって、「卒業」しても、人に譲りやすいのもいいところ。中古でも、欲しい人を身近に探せたり、オークションやフリーマーケットで売ることもできます。古いものなら、子どもが何気なく遊んでいたおもちゃの1つが、すでに販売中止で、コレクター垂涎の「お宝」に化けることもあります。


 ロングセラーのおもちゃは、裏を返せば、中古で入手しやすいということ。おもちゃを「卒業」する前提で持つならば、良いものを安く入手できるのは嬉しいですね。


 我が家では、プラレール、レゴなどを多数揃えていました。現在は、プラレールや、小さい子の使うレゴデュプロはすべて譲りました。

逆に、プラレールの車両やレゴのパーツも、フリーマーケットなどで安く入手したものや、中古品で頂いたものもありました。


 1年ほどで姿を消してしまうテレビキャラクターや、トレンド性の強いおもちゃは、持たないか、持っても数を絞ったほうが、おもちゃの入れ替えも少なく、整理がラクになります。とはいえ、どうしても子どもが大好きで、「◯◯ライダーのベルト!」とこだわりが強い場合がありますよね。そういうときは、数を減らして、こだわりのおもちゃばかりで思いっきり遊ばせるのも、それはそれで子どもにとっては楽しいのかもしれません。その場合も、遊んでいないほかのおもちゃは手放します。



■年齢別子どものおもちゃのもち方


 子どもの成長に合わせて、必要なおもちゃも変わります。「おもちゃの整理」という観点で、管理をラクにするおもちゃの持ち方を、年齢別の5段階(0−2歳、3−5歳、6−9歳、10−12歳、13歳−)でご紹介します。


【0−2歳】


 生後数ヶ月ほどは、あまり多くのおもちゃは必要としません。生後6ヶ月もすると、おもちゃで楽しくあそべるようになります。とはいえ、日用品すべてが赤ちゃんにとってはおもちゃになりうるので、危険がない範囲で、日用品をおもちゃに見立てたり、流用したりできます。


 成長するにつれて、いろいろなおもちゃも必要になってきますが、誤飲などの事故防止と、不器用な赤ちゃんの指先を考えて、どうしてもおもちゃ1点1点が大型なのが特徴。そして、子どもが幼ければ幼いほど、成長も目覚しいので、あまり長い間使えるものが少ないというのも特徴です。

ですから、数をあまり多く持たず、「大人びた」細かいパーツのものを避けるようにします。中古品を利用したり、きれいなうちにほかの方に譲りやすいから、新しいおもちゃが来たら変わりに古いおもちゃと入れ替えて、古いものは手放します。


 とはいえ、小さい子にも愛着心があります。特に、2歳ぐらいまでの子どもは、自分の使ったおもちゃを捨てたりするのを嫌うこと が多いです。ただ、「自分のもの」という自覚も強くないので、ほんとうに「お気に入り」以外は、手放すためにしばらく見えないところに隠しておくのもいいかもしれません。


 一日中同じおもちゃを出しておくと、子どもは全部引っ張り出して、ちょっと遊び、すぐに全部に飽きてしまったりします。そこで、おもちゃを「午前のおもちゃ」「午後のおもちゃ」と分けます。午前中には「午前のおもちゃ」だけで遊び、午後には「午後のおもちゃ」だけで遊ぶようにすると、午後も飽きることなく遊ぶことができます。


 また、我が家では、特別に「雨の日のおもちゃ」というのも作っていました。大型のテント型のバスや、すこし出し入れが面倒なパーツがあるおもちゃ、普段は片付けがちょっと面倒な絵の具や粘土などです。雨の日は、家で過ごす時間が長いので、じっくり子どもの遊びに付き合うよい機会です。普段のおもちゃと分けたら、特別感がでて、外に遊びに行けない雨の日も、楽しく過ごすことができます。


【3−5歳】


 子どもの自我が芽生えて、欲しいもの、好きなものがだんだんとはっきりしてくる年齢。また、お友達との交流の中で、「友達が持っているから」という理由で欲しいものが増えることもあるでしょう。


 この年齢でも、まだまだ長い時間遊べるおもちゃというのは少ないもの。とはいえ、この年齢を対象とするおもちゃが一番多く、そして楽しげなのも否めません。「少なく持って、たくさん遊ぶ」「遊び尽くしたら次に回す」などの心がけが必要です。


 買わなくても、家のもので代用したり、一緒に手作りをしたりできるおもちゃはありませんか? 道具をつかうおもちゃでなくても、工夫ができるようになるのもこの年齢です。ネット上や、図書館などで検索すると、いろいろなヒントが山のように出てきます。少ないものでも、子どもとの時間を楽しむことはできます。


 また、家で過ごす時間が短い保育園児は、それほど家にたくさんのおもちゃはいりません。我が家は、2人が保育園、1人が幼稚園に通いましたが、子どもの在宅時間の長さによって、必要なおもちゃの量が違うのがよくわかりました。一緒にいる時間が短いことの代償を、たくさんのおもちゃを買い与えることでは払えません。そもそも、大切なのは、長い時間子どもと一緒にいることではなく、いかに子どもと向き合えるかの方が大切なのですから。おもちゃの量が少なければ、片付けや管理もラクになるので、仕事を持っていて時間がないママにとっては嬉しいことです。


 この年齢から、一緒におもちゃを整理する機会を少しずつ作ってあげるといいですね。3歳から、「まだ遊ぶ」「もう遊ばない」の区別はできるようになります。


【6−9歳】


 小学校に入学後、 低~中学年までは、安全な場所では1人で外に遊びに行けるようになります(日本の治安の良さに感謝!)。「おもちゃにお守り」をしてもらわなくてもよくなります。そして、子どもの個性に合わせて、ほんとうに楽しめるおもちゃを選べるようになってきます。

友達がいれば、それだけでも子どもはなにかしら遊びを見つけ、楽しめます。


 学期の終わりごとに、学校で使ったプリントの整理や学用品の過不足を見直します。習慣になると、「長いお休みは持ち物を整理する」のが子どもにも自然に定着するように。6歳からは、おもちゃの要不要は、ほとんど自分で判断できるようになります。


 個室や勉強机は、絶対必要ではありません。低学年の間は、リビングやダイニングで勉強をすることも多いもの。とはいえ、おもちゃや子どもの荷物を置くスペースは専用に必要です。「自分専用」の収納スペースを作り、責任を持ってそこを片付けたりする習慣を徐々につけるようにします。


【10−12歳】


 4年生ぐらいになると、「小4の壁」「10歳の壁」というものが立ちはだかります。自分を取り巻く環境の中で、子どもが自分の立ち位置がわかってくる年齢です。ほとんどのことは自分でできるようになりますが、「口を出しても、手は出さない」スタンスで、まだまだ親のサポートが必要な時。


 ゲームやスマホなど、おもちゃが少量化、小型化するので、管理は楽になりますが、一方、カードなどを集め始めると、その管理が大変になることも。定期的に、一緒に整理するように声をかけてあげます。「たくさん持つと管理する必要がある」ということを子どもは学びます。ただし、管理が得意な子どもはこの限りではありません。


 電子化されたおもちゃへの興味は、その流れをそらそうと思ってもなかなか難しいもの。とはいえ、iPhoneの産みの親であるスティーブ・ジョブズ氏も、自身が開発したiPhoneやiPadを小学生に使わせることのデメリットを認知し、彼の子どもには使用を制限していたそうです。制限をしつつも、上手な付き合い方を学ぶ方法はまだまだ発展途上で、子どもにとっての電子機器への悪影響は、現在のところはまだまだわかっていないことも多いのです。難しいことだけど、「わからないものは使わない」というのも、一つの選択肢かもしれません。少なくとも、悪質なメディアから子どもを守るのは、親の務めです。


【13歳−】

 思春期に入ると、もう親の言うことなんか聞きません。ここからは、口も出せなくなります。親にできるのは、見守ることだけ。なにもできず、見守ることが、なんと歯がゆいことでしょう。


 おもちゃも興味も持ち物も、ほとんど親の介入は不要になってきます。プライバシーのため、個室が必要になってきますが、それほど広い空間を必要とはしません。同性の兄弟なら、同室でも大丈夫です。個室や持ち物の管理は(→を)、本人にできるだけ任せることは、自立への手助けとなります。放っておくと、不衛生になる場合は、声をかけて掃除や整理を促すことぐらいはできます。我が家の高校生の長男には、「あまり(部屋の状態が)ひどいと、勝手に掃除しちゃうよ」と冗談半分で脅すと、いそいそと自分で掃除を始めます。



■大掃除をする効果


 年末ももうすぐ。大掃除はもうすみましたか?

主婦が普段から完璧に掃除や片付けを率先してやるご家庭もたくさんあるでしょう。普段から大掃除なんて不要、という素晴らしい主婦もいます。でも、大掃除をするのも意味があります。一つは、文化として、新年に神様を清浄な家に迎えるために、すす払いや大掃除があることを、子どもに伝えることができること、そして家族皆が掃除に参加することで、掃除を主婦だけの仕事とせず 、その方法を家族に伝えることができること。


 我が家も半日ぐらいで終わる分量ではありますが、子どもたちのために大掃除をする場所を残しています。子どもや家族が、掃除をする意義や、大変さ、終わったときの心地よさを身を持って理解し、生活力をあげてくれたらと思います。


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著者

尾崎 友吏子

ブログ「cozy‐nest小さく整う暮らし」主宰。にほんブログ村「シンプルライフ」「ミニマリスト」「ワーキングマザー育児」カテゴリーで上位人気を誇る。1970年生まれ。ニューヨーク州立大卒。不動産業などを経て、現在は建設業に従事。二級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー1級。著書に『3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)がある。

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