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よみものどっとこむ

第12回

家具を選ぶ基準

2017.01.25更新

読了時間

【 この連載は… 】 住まいを工夫すると、ライフスタイルが変わる。小さくてもゆとりある暮らしのキーワードは「ミニマムライフ」そして「自由」。時間と共に変化していく空間やモノと長く付き合う、心地よい住まいづくりの方法を紹介します。


 家族構成や年齢が変わるにつれて、必要なものの量や種類は変化します。状況が変われば、以前持っていたものを、その先もずっと持ち続けられるとは限りません。私がものを選ぶ時に気をつけていることは、「いつか手放す」ことを考える、ということ。家具もその例外ではありません。

私が家具を選ぶ時の基準を、ご紹介します。


■すきなもの


 インテリアの印象の大部分を決める家具。その選び方、持ち方によって、住み心地も変わってきます。だから、購入時に妥協せず、「できるだけ長く愛用できそうなもの」という基準を大切にしています。価格では、可能な限り妥協しないようにします。「安かったから」選んだ品は、「ずっと安いものを使い続けている」意識が最後まで働きます。分不相応な高級品はもちろん選びませんが、「安いから」ではなく、「すきだから」を大切にしたいと思います。


■譲りやすい


 ブランド名は、その商品がどの品質かわかる指標になります。大きい家具は送料もかかり、オークションなどでは売買しにくいもの。でもブランド品なら、買い手が商品の品質や状態を把握しやすく、売りやすいのです。

ブランド品とは、いわゆる「高級品」ではありません。例えば、「無印良品の○○」といえば、買い手がその品質を想像できます。現行品なら、実店舗で実物を確認することも可能です。無名のメーカーの、より高級なものより、どういうものかわかりやすいので、譲りやすいのです。

引越しの際、子どもが使っていた無印良品のベッドをオークションサイトで売却しました。「何年製の無印良品のベッド」と出品すると、あっという間に買い手がつきました。高値を期待せずとも、譲る先があり、少なくとも「粗大ゴミにならない」という安心感があります。


■小さいもの


 家具は、一点一点が大きく、そして、不要になった時には、粗大ゴミとなります。自治体によっては捨てるときにお金がかかることも。そして、大型家具の場合は、ゴミ捨て場に運ぶことすら困難です。大型家具は、一人で運ぶのも難しく、自由なタイミングで捨てることが難しい場合もあります。


 大きい家具は、置く場所を選びます。いまの家には置くことができても、家が変わったり、住まい方が変わったとき、ほかに置く場所がなく、結局捨てることになってしまいます。小型なら、別の場所や用途で使うこともできます。

パーツを組み立てるタイプの家具は、大きくも小さくもなり、多用途です。パーツを拡張して、大型に使うこともできれば、その使い道がなくなっても、ノックダウンして(分解、再度組み立てて)別の場所で小さく使うことができます。

また、エクステンションテーブルなどは、用途によって大きさを変化させることができ、普段は小さく、来客時には大きく使うことができます。


■天然素材


 使い込むほど、その古さが醸し出す美しさを得る素材は、経年変化や手入れする楽しみがあり、すぐに飽きることがなく、愛着がわきます。古いものでもアンティークやビンテージとして需要があります。

無垢材の木製品なら、そのまま使用したり、ペイントしたり、ヤスリで塗料を落としてまた木肌を出すなど、表面仕上げを変化させることができます。

一方、複合的に作られた工業製品は、自然に分解されなかったり、分解するときに環境に負荷がかかるもの、分解するのに手間がかかるものが多くあります。流通している多くの建材や家具は、ほとんどがそうした製品。不要になったときに、最終的にどこに行くか、考えてみます。未来の地球をゴミだらけにしたくないですね。


■その収納家具は必要か


 不要なものを持たないようにすれば、それらを収納する家具はそもそも不要です。収納するものが、今の暮らしに必要かどうか、考えてみます。シンプルな暮らしを心がけるにつれ、部屋を占拠する大きな家具をたくさん持つのは煩わしいと思うようになってきました。持ち物が少なければ、それを収納するいわゆる「箱物」家具(タンスやチェスト、ローボードなど)も必要なくなります。


 少し話は飛躍しますが、ライフステージの最終段階で、誰にでも最後に訪れるのは死です。そのとき、あの世になにも持っていくことはできません。「もしかして子どもが貰ってくれるかも」と考えるのは、子どもにそのものの処分という難しい仕事を任せてしまうことになりかねません。「実家の整理」や「遺品整理」などを負の財産として子孫に残すのではなく、「生前整理」を日頃から心がけることは、縁起の悪いことではなく、心地よく住まうためになくてはならないことなのです。


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著者

尾崎 友吏子

ブログ「cozy‐nest小さく整う暮らし」主宰。にほんブログ村「シンプルライフ」「ミニマリスト」「ワーキングマザー育児」カテゴリーで上位人気を誇る。1970年生まれ。ニューヨーク州立大卒。不動産業などを経て、現在は建設業に従事。二級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー1級。著書に『3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)がある。

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