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よみものどっとこむ

第13回

ダイニングの家具の選び方

2017.02.10更新

読了時間

【 この連載は… 】 住まいを工夫すると、ライフスタイルが変わる。小さくてもゆとりある暮らしのキーワードは「ミニマムライフ」そして「自由」。時間と共に変化していく空間やモノと長く付き合う、心地よい住まいづくりの方法を紹介します。


■家族に寄り添うダイニングテーブル


 我が家には少し大きめのダイニングテーブルがあります。5人家族なので、通常、ダイニングチェアも5脚。 


 ダイニングテーブルでは、当然、家族で食事をします。我が家では、成長期の子どもたちがいるので、「食事をすること」は家ですることの重要な要素の一つとなっています。最悪、家が整理できていなくても、掃除ができていなくても、死ぬことはありません。でも、食べ物を口にしなければ、生きていくことはできません。


 乳児が母乳だけですくすくと育つ姿を見ると、実に身体は食べたもので作られていると感じます。ものが溢れ、何が大切なのかわかりにくいいまの時代でも、手作りの美味しい料理を食卓に並べれば、きっと大切な何かが伝わると信じています。我が家は3人とも男の子です。「胃袋を捕まえておけば……」という言葉がありますが、その言葉通り、長男が中学生になり、反抗期が来て、口をあまりきかなくなったり、部活や塾、友達との付き合いなどで家をあけることが多くなっても、「やっぱり家のご飯がおいしい」と、ご飯を食べに戻ってきていました。


■理想的なダイニングテーブルの形は?


 とはいえ、「家族揃って食卓を囲む」という理想を叶えられたのは、子どもが幼かった頃の週末だけ。子どもがある程度成長すると、親の仕事の都合や、子どもの習い事、遊びの用事などで、なかなか皆が揃わないことが多くなります。そのうち、大学生にもなれば、外食が多くなったり、もしかしたら下宿をして家にはいなくなるかもしれません。でも、たまにでも家族が揃うときには、皆の顔を見ながら食事をしたいもの。そこで我が家がダイニングテーブルの形として選んだのが、四角でも円形でもない「楕円形」でした。


 テーブルの形は大きく分けて、2種類。長方形と円形です。それぞれの形の特色をあげてみます。

○長方形のテーブル

・壁やカウンターにくっつけて使えるので、置くスペースが節約できる

・横の人の顔が見えにくい

・フォーマルな印象になる

・角があるため、座れる人数が制限される

○円形のテーブル

・壁に沿わせると、無駄な空間ができるので、設置に広いスペースが必要

・座っている全員の顔が見えやすい

・カジュアルな雰囲気になる

・詰めれば、座る人数を長方形より増やすことができる


 円形テーブルのデメリットは、置くのに広い空間が必要なこと。つまり、そのデメリットを克服できれば、家族団らんには、カジュアルで、皆の顔が見えやすい円形の方が、ダイニングテーブルには向いているともいえます。来客にも柔軟に対応できるメリットもあります。


 我が家が初めに買ったテーブルは、円形を半分に切ったところに長方形の入る、伸長式のテーブルでした。夫婦2人だけ、そして長男が生まれてしばらくは3人家族でしたので、真ん中の延長部分は外して小さな円形のまま数年間使用していました。真ん中の長方形部分は、時折ある来客時にだけ出してきて使うぐらいでした。そして、次男、三男が生まれて家族が5人になった頃から、ようやく伸長部分も常時出しておくスタイルで、今は落ち着いています。我が家は常にカジュアルな食卓。来客時にはおかずは大皿盛りにして取り分ける、中華飯店方式でもてなします。角が無いので、普段は5人で使っているダイニングテーブルも詰めれば8人ほど座ることができます。


 また、ダイニングテーブルは、食事をするためだけに限定した使い方はされません。我が家では、子どもたちが宿題をしたり、お絵描きをしたり、夫が書斎にしたり、ノートパソコンを広げたり。食事をするとき以外にも様々な使い方をします。テレビを見てくつろぐためにリビングも使いますが、どちらかというとダイニングの方が使う時間が長いかもしれません。ダイニングは、狭い我が家でも、多少スペースをとることを許される、家の中心的存在なのです。


 週1回、家で子どもたちに英語を教えています。生徒は最大7名。家じゅうの椅子をかき集めて、私も入れて8名で一緒に英語の勉強をします。融通の利く、楕円形のダイニングテーブルは、非常に使い勝手が良いのです。


 今は5人家族ですが、子どもたちが成長して出て行き、いずれは夫婦2人だけ、そして1人になることもあるでしょう。また、ダイニングとして使わなくなったとしても、木製の脚を切断して、座卓にしたり、コーヒーテーブルの高さにしてソファの前で使ったりすることもできます。我が家のテーブルの脚は固定されていますが、脚を組み替え高さを変化させて、ダイニングとしても座卓しても使えるテーブルもあります。

大きくも小さくも使える、そして高くも低くもなる、家族に合わせて変化できるダイニングテーブルは、我が家の中心にいつでも鎮座して、これからも家族に寄り添うことでしょう。


■そもそもダイニングテーブルは必要?


 椅子を移動させながら毎日掃除をするのは、かなり面倒なので、引越しの時、ダイニングテーブルをやめて、大きい座卓にする案もありました。でも、家族で話し合い、やはりダイニングテーブルと椅子は、残しておくことにしました。

我が家は、前述のとおり、ダイニングテーブルを食卓と限定せず、いろいろな用途で使っています。とくに、子どもが勉強することもあり、落ち着いてデスクワークをするには、座卓やソファの高さより、高さ70cmほどのテーブル高がより適しています。子どもが幼い頃、座卓で絵を描いたり、工作をすると、すぐに立つことができるからか、長い間座っていることができずに、すぐに立ち歩いたりしてしまったもの。我が家には70cmの高さのテーブルが欠かせません。


 でも、全ての家庭にダイニングテーブルが必要かといえば、もちろんそんなことはありません。例えば、夫婦2人だけなら、ダイニングテーブルを持たず、ソファとコーヒーテーブルだけにして、ソファの上でゆったり座りながらお酒とともにディナーをつまむ、というスタイルもありでしょう。また、一人暮らしであまりデスクワークをしない人なら、座卓だけでも十分事足ります。そもそも、座卓だけで済むなら、掃除も格段に楽に済みます。脚や腰が悪い場合は、床に座るより椅子やソファの方が身体に負担が少なく済みますが、掘りごたつにしたり、床の段差をベンチのように利用するなど、必ずしも家具に頼らなくても、さまざまなスタイルがあります。


■大きな食器棚はいらない


 時折、食器棚がダイニングのそばにある家庭を見かけますが、家事の流れを考えると、あまり効率的とはいえません。


 食器は、たいてい、


1 食器を取り出す

2 盛り付ける

3 ダイニングで食べる

4 キッチンにさげる

5 キッチンで洗う、拭く

6 食器を収納する


のような流れで使うことが多いです。


 盛り付けをキッチンで行うなら、食器はキッチンに収納する方が手早く食卓が整います。そして、洗いあがった食器を収納するときも、ダイニングまで取りにいかなくて済みます。

そんなこと言っても、キッチンに食器棚を置くスペースがない! そんなときは、食器を、よく使うもの、あまり使わないものにわけ、よく使う食器だけでもキッチンの取り出しやすい位置に置くようにしてみます。ふだんの食事であれば、「1 食器を取り出す」→「6 食器を収納する」まで、よりスムーズに台所作業が進みます。

しばらくして、「よく使わない食器」を点検してみます。何ヶ月使わずに済んだでしょうか。本当にそれは必要な食器なのでしょうか。点検するまで、その存在を忘れてはいなかったでしょうか。「よく使う食器」だけで、本当は間に合っていませんか?


 必要なものは意外に少ない。このように、「よく使う食器」と「ほとんど使わない食器」を分けるだけで、そもそも大きな食器棚は不要なのかもしれません。キッチンやダイニングが狭くて使いにくい。そんなときは、「よく使う食器」「よく使う道具」だけ、取り出しやすい場所にまとめて置く。「ほとんど使わない食器」「ほとんど使わない道具」は、キッチンから遠くに収納しても、差し支えありません。そもそも、家に収納場所を確保すること自体、もったいないことかもしれません。


 もし、ダイニングテーブルで「食べる」以外の行為をよくするなら、その動作に必要な道具を、ほとんど使わない食器の代わりにダイニングテーブルの近くに収納してみます。子どものドリル、文房具、ファイル類、テーブルで遊ぶ画用紙や色えんぴつなどの子どものおもちゃ、ノートパソコン。使うときにさっと出せて、さっと片付けられるから、準備や片付けがスムーズになります。


 道具を正しく配置するだけで、格段に毎日の台所仕事がはかどるようになります。使われていないものの多くは、快適さや作業効率を低下させ、私たちの貴重な時間を削っているのです。

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著者

尾崎 友吏子

ブログ「cozy‐nest小さく整う暮らし」主宰。にほんブログ村「シンプルライフ」「ミニマリスト」「ワーキングマザー育児」カテゴリーで上位人気を誇る。1970年生まれ。ニューヨーク州立大卒。不動産業などを経て、現在は建設業に従事。二級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー1級。著書に『3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)がある。

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