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よみものどっとこむ

第15回

豊かな表情筋を獲得するエクササイズ

2017.09.15更新

読了時間

【 この連載は… 】 テレビ、雑誌などでお馴染みの「姿勢」の第一人者が、疲れない体をつくる知識とメソッドを徹底紹介。医学的理論に基づいた「全身のつながり」を意識した姿勢改善エクササイズで、腰痛や肩こり、慢性疲労などの不調を劇的に改善します。


 顔にみずみずしい張りがありますか? 明るい表情で会話していますか? なんだか疲れた表情をしていませんか? 眉間にシワが寄っていませんか? 実年齢よりも上に見られませんか? 姿勢が悪くなっていませんか? 

 シワはその人の人生を表しますので、笑顔のシワなど豊かな表情でできるシワは、それほど気にすることはありません。

 しかし、疲れた表情でできるシワや、いつも苦虫をかみつぶしているようなシワは防がないと駄目です。シワにも、けっこう個人差かあるものです。

 たるみは皮膚だけの問題ではなく、筋膜の使い方も大きく影響しています。筋膜がボディスーツのようにひと続きにつながっているからこそ、悪い姿勢やバランスの悪い動きなどのからだのクセによって、筋膜がよじれた状態になりやすいのです。悪い姿勢を続けると、一部の筋肉にばかり負担がかかり、使われない筋肉は衰えて力を失います。筋肉のインバランス(不均衡)が筋膜や皮膚にも伝わり、筋膜の上にぴったりくっついている皮膚も同時によじれ、たるんだり、シワができたり、むくんだりと、いろいろな問題が起きてきます。

 では、豊かな表情筋を獲得するための「筋膜リリース」を紹介しましょう。顔の筋膜リリースを行うことで、顔のすみずみの血行が良くなり、顔色が明るくなり、化粧のりも良くなります。そして、何よりも豊かな表情がよみがえってきます。

 顔の筋肉は「表情筋」といわれるように、心の状態をありありと映し出します。前頭筋に強い力が入っている人は、目をかっと見開いた表情になりがちなので、緊張感や〝上から目線〟の印象を人に与えがち。また、顔全体の筋力が落ちると、口角とまぶたが下がって内向的な印象になります。眼輪筋や口輪筋ばかりを使って口を閉じていると、無口で気むずかしい印象になります。いっぽう、楽しそうで開放的な印象を与えるのは、大頬骨筋や笑筋がよく働き、自然な笑顔がこぼれ出るような人です。

 心と体は密接につながっています。特に顔の筋肉は感情をよくあらわす筋肉なので、いつも「つまらないな~」と思って無表情でいると、顔まで老けこんでしまうことになります。反対に、顔の筋肉を表情豊かにバランス良く動かせるようになると、気分も生き生きして、元気がわき出してきます。

 

(1)口角・ほっぺ・目尻の筋膜リリース

 口角が下がっていると不幸そうに見えてしまいます。まず口角を引き上げて若々しさをアップしましょう。引き続き、口角の横でほうれい線の延長線上にあるモダイオラス(車軸点)を持ち上げましょう。多くの人が気になる口元のほうれい線を薄くしていきます。最後に、目年齢を若く見せるために、目尻のシワ、たるみに働きかけて若々しくしていきます。

 まず、姿勢を正し、あごを軽く引きます。あごの真ん中に、両手の人差し指、中指、薬指の3本を当てます。下唇の下側に沿って、口角の横側の「モダイオラス(車軸点)」まで指をすべらせるように動かし、モダイオラスを持ち上げてやさしく伸ばして20秒以上リリースします。

 

 次に、口角の下に手のひらを当てます。目と耳の間に向かって、左右同時に斜め上にゆっくりやさしく伸ばして20秒以上リリースしましょう。

 

 最後に、中指を目頭の横に当て、人差し指は中指に沿わせます。中指は止めたままで、人差し指を目の下に沿ってゆっくりすべらせていき、目尻を上に持ち上げて20秒以上リリースしましょう。

 これらを3回繰り返してください。慣れてきたら時間も長くしてください。

 モダイオラスが硬くてなかなか持ち上げにくいときは、口の内側から舌先でモダイオラスを押し出すようにします。このとき、外側からは指を当て、その指の間にモダイオラスが突き出るように舌先でこねるようにマッサージしてください。

(2)側頭部とあごの筋膜リリース

 しかめっ面で硬くなる、こめかみと耳の上のこりをとって若々しくします。さらに、いつも歯を食いしばっていたり、歯ぎしりやほおづえをつく人などの表情を柔らかくしていきます。

 まず、姿勢を正し、あごを軽く引きます。左耳の前(顎関節)を境に、右の手のひらを顔の横にぴたっと当てます。左の手のひらは耳の前から上にかけて当てます。手のひら全体をぴたっと頭の側面にくっつけた状態で、左耳の前を境に左手をゆっくりと上方へすべらせていきます。このとき口もとはリラックスして軽く開けておきます。左の手のひら全体が耳の上まできたところで20秒以上リリース。次に、反対側を20秒以上リリース。左右で伸びにくい方向を、時間をかけてほぐすようにしましょう。

 次に、両方の手で、あごの横のえらの部分を包み込みます。口の力を抜き、両方の手でゆっくりとあごを下に引き下げ、ゆっくりやさしく伸ばして20秒以上リリースしましょう。

 

 これらを3回繰り返してください。慣れてきたら時間も長くしてください。

 口を閉じたまま行ったり、あごの横のえらではなく目尻を下げてしまうというのはNGです。

(3)頭部の筋膜リリース

 顔を引き下げようとする前頭部から後頭部のこりをとって、たるみを防ぎます。目を大きく見開けない人にも効果的です。

 まず、姿勢を正し、あごを軽く引きます。一方の手のひらを額にぴたっと当てます。もう一方の手のひらは、後頭部に当てます。額に当てた手で額の筋肉「前頭筋」を上に引き上げると同時に目も大きく開かせ、同時に後頭部に当てた手で「後頭筋」を引き下げます。カツラを動かすようなイメージでゆっくりやさしく伸ばして30秒以上リリースしましょう。

 これらを3回繰り返してください。慣れてきたら時間も長くしてください。

 前頭部の手だけを動かす、逆に後頭部の手だけを動かすというのはNGです。

(4)表情筋リリース

 正しい姿勢で顔のたるみをなくしましょう。(1)~(3)と合わせて総仕上げの筋膜リリースです。デコルテをすっきりさせ、口元を引き上げ、目をぱっちりと開かせ、豊かな表情を取り戻します。年齢も若返り、明るい表情に生まれ変われます。

 まず、姿勢を正し、あごを軽く引きます。膝は股関節よりも高くなるように座ります。腕を肩の高さに上げ、左右の人差し指の先がくっつくようにひし形を作ります。そこから、あごをのど元に引きつけたまま、肘を支点にして、手の平が前を向くように肩甲骨を起き上がらせて10秒以上リリース。

 

 次に、あごは引いたままで、舌を斜め上方に突き出して10秒以上リリース。

 次に、左右の口角を耳の方向に引き上げて最大限の笑顔を作って10秒以上リリース。

 さらに、その笑顔から、目を大きく見開いて10秒以上リリース。

 最後に顔全体が左右上下に大きく開くように広げて10秒以上リリースします。

 これらを3回繰り返してください。慣れてきたら時間も長くしてください。

 腰が反ってしまう、あごが上がってしまうというのはNGです。

 いかがですか? 最初は難しいかと思いますが、少しずつ、正しくできるようにしてください。

 次回は、「手の指の器用さ」の獲得のための方法をお教えしましょう。

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    s

    こんにちは。いつも楽しみに読ませていただいております。
    目尻の筋膜リリースの挿絵ですが、違うものではありませんか?
    目頭に中指を置いて人さし指を目尻まで滑らせるとあるので
    ピースサインみたいになるのではないかと。
    どちらへ送ればよいかわからないのでこちらで送らせていただきます。
    コメントで掲載しなくても結構です。
    これからも楽しみにしております。

    返信
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      アカウントテスト

      よみもの.com編集部です。
      ご指摘ありがとうございました。
      ご指摘のとおり、誤った図解を掲載しておりました。
      急いで修正を進めまして、正しい図解を近日中にアップいたします。
      今後とも宜しくお願いいたします。

      返信
著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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