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よみものどっとこむ

第16回

手の指の器用さを獲得しよう

2017.10.15更新

読了時間

【 この連載は… 】 テレビ、雑誌などでお馴染みの「姿勢」の第一人者が、疲れない体をつくる知識とメソッドを徹底紹介。医学的理論に基づいた「全身のつながり」を意識した姿勢改善エクササイズで、腰痛や肩こり、慢性疲労などの不調を劇的に改善します。


 これまで、特に上半身と顔の話をしてきました。このシリーズの最後に、手の指の話をしたいと思います。次回からは下半身の話へと移っていきます。

 なぜ、手の指の話をするかというと、これまでも自分の腕や指を使った体操を紹介してきましたが、顔の体操では、特に手の指の器用さが大切にもなるからです。

 年を重ねるごとに、瓶のふたが開けられなくなったり、針と糸を上手く使えなくなったり、雑巾絞りが大変になったり、髪を束ねたり下着をつけるのが大変になるなど、握力の低下とともにいろいろな問題が出てきます。

 また、手の特定の運動をしすぎることで、例えばピアノやギター演奏、パソコン操作や料理などを過度に行うことで、腱鞘炎を起こしてしまうこともあります。

 手の指が器用に使えることは、いくつになっても大切ですし、腱鞘炎の予防も大切になります。

 そのためには、前腕から手の指にまで伸びる多くの筋肉の腱を上手く使えることが大切になります。そのことで、手の指の器用さを獲得し、さらには腱鞘炎の予防にもつながりますし、いくつになっても器用な指使いを続けられることになります。

 さて、実際の体操を紹介していきましょう。腕の筋肉は、手首から指に行くに従い、「腱」に変わります。筋肉は、その筋肉の終わりに近づくにつれ、筋肉よりも硬くて細い、腱へと変化します。この腱を、何歳になっても上手に使えることが、手の指の器用さにつながるのです。腱が指の動きに合わせて上手く動かなくなる、つまり上手く滑れなくなることが器用さを悪くしていきます。なので、腱を上手く滑らせる体操が大切になるのです。この体操を「腱-滑走運動」と名付けます。この体操を紹介していきましょう。

 この体操の目的は、(1)指の屈筋腱の滑り(腱鞘内および腱と骨の間の浅指屈筋および深指屈筋の動き)を改善する、(2)指の運動の器用さを発展させる、ことにあります。

 体操では、指をいくつかの方法で伸ばしたり曲げたりしていきます。

  1. (1)まずは、指全体をしっかり伸ばします。

  2. (2)第1関節と第2関節を曲げます。「引っかけ握り」ともいいます。

     深指屈筋の腱と浅指屈筋の腱の間、または腱と骨の間に最大限の腱の滑走が生じます。

  3. (3)第3関節まで曲げます。「完全握り」ともいいます。

     腱鞘内および浅指屈筋の腱上で、深指屈筋の腱を最大限に移動させます。

  4. (4)第3関節は曲げたままで、第1関節と第2関節だけを伸ばします。「テーブルトップ」ともいいます。虫様筋という指の筋肉をしっかり使う動きです。

  5. (5)第2関節と第3関節は曲げて、第1関節だけは伸ばしておきます。「伸展握り」ともいいます。腱鞘内および骨との関係において、浅指屈筋の腱を最大限に移動させます。

     
  6. (6)1の指に戻ります。

 この運動を最初はゆっくりと確実に行えるようにします。慣れるに従って、正しい指の曲げ伸ばしを速いスピードでできるようになります。

 1日の中で、暇を見つけては頻回に行うと、指の器用さが身についてきます。

 是非、チャレンジしてみてください。

 次回は骨盤の不良姿勢についてお話しいたします。

 そして、下半身を「疲れない体」にするための姿勢の整え方へと進んでいきましょう。

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著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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