Facebook
Twitter
RSS

第8回

自分に自信をつけたかったら「好き」を深めよう

2020.09.16更新

読了時間

  不安になったら、落ち込んだら、「ひとりになる勇気」をもってみよう。友だち関係で悩む中高生に絶対読んでほしい本が誕生!齋藤孝先生が伝授する、一生使える無敵の人間関係術!
「目次」はこちら

自分に自信をつけたかったら「好き」を深めよう

 

「好きなものにハマる」ことが、どうして自信になり、人づきあいの役に立つのか。
 好きなことに熱中しているときは、ひとりでいてもさびしいと感じないものです。
 友だちづきあいがうまくいかないことに悩んでいる人でも、夢中になって打ち込めるものがあると、その時間は充実していて楽しいから、不安やさびしさをあまり感じずにいられます。
「友だちいないと不安だ症候群」になりやすいのは、夢中になれることをもっていない人、まだ見つけられずにいる人が多いのです。
 いまの自分自身の課題は、不安にならない方法を探すことだと考えて、何かハマれるものを見つけてみる。
 たとえば、いいなと思うマンガ。
「この作品、好きかも」と思ったら、その作者の描いたほかのマンガを片っ端から読んでみるといいですよ。
 ある曲を好きになったら、そのミュージシャンの曲をいろいろ聴くようになるでしょう。
 それと同じように、自分の「いいな」「好きかも」という感性にひっかかってきたものを深掘りしていくんです。
 すると、
「このミュージシャンがコラボしている人の曲も聴いて、好きになった」
「別の作家のだけど、こういうのも読んでみたくなった」
 などと、どんどん世界が広がっていきます。

 何かにハマると、それについてもっと見たい、聴きたい、知りたい……と興味がわいてきて、時間が足りないくらいになります。
 ひとりでいてもさびしくないな、全然平気だな、と思えるようになる。
 これ、自分というものを確立していくための大事な一歩なんです。

・ひとりの時間を楽しむ力、ひとりでいても平気な力がつく
    ↓
・自己肯定感がわいてくる
    ↓
・自分に自信ができる


 最初から「好き」というものでなくてもいいんですよ。
 前からやってみたいと思っていたことに挑戦してみる。
 いっそ勉強に集中してみるのもいいかもしれません。勉強することで成績が上がり、自分を肯定することにつながったという人も、けっこういます。
 自分のエネルギーと時間を、友だち以外の何かに投入する。
 エネルギーを、自分を深める方向に向ける。
 そういう時間をもつことで、自分のなかに自立心や自信の芽ができてきます。
 好きなものを通じて、自分のなかに何かしら「核」のようなものができると、友だち関係に頼りきってしまうことがなくなります。
 これが、友だちづきあい、人づきあいといった他者との関係において、バランスを保つ働きになるんです。

「目次」はこちら

【単行本好評発売中!】 
この本を購入する

シェア

Share

感想を書く感想を書く

※コメントは承認制となっておりますので、反映されるまでに時間がかかります。

著者

齋藤 孝

1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)などベストセラーも多数。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

矢印