第6回
忠臣蔵(中)
2017.11.07更新
歌舞伎を見る前に知っておきたい基礎知識として演目の種類や独特な演出の仕方から、上演頻度の高い人気演目のあらすじと鑑賞ポイントを、マンガでじっくりと解説します。
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※3回に分けて連載します
- 作者
- 竹田出雲(たけだいずも)、三好松洛(みよししょうらく)、並木千柳(なみきせんりゅう)による合作
- 初演
- 人形浄瑠璃で一七四八(寛延元年)八月、大坂・竹本座。歌舞伎では同年十二月、大坂・嵐座。翌年に江戸三座でも上演される。
- 概要
- 義太夫狂言三大名作の一つ。
南北朝時代が舞台の時代物。全十一段だが、二段目・十段目は通し上演でもほとんど上演されない。
悪の色男・斧定九郎(おのさだくろう)
五段目にのみ登場する斧定九郎は、脇役ながらゾッとする悪の色気で強烈なインパクト。黒紋付に顔と手は白塗り、口から太ももにかかる鮮血の赤という色彩美も印象的だ。
全段の中で最も人気。独立上演も多い五・六段目
六段目の勘平腹切りでは「色にふけったばっかりに…」と言いながらほほを自らたたき、べったりと血の手形がついてしまう演出が見どころ。尾上菊五郎家には、三代目が創り五代目が洗練させた勘平の菊五郎型が伝承されている。尾上菊五郎家の屋号にちなんで「音羽屋型」と呼ばれている。現在上演される五段目・六段目のほとんどは、この音羽屋型の演出だ。
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