第4回
【歌舞伎を見る前に】4.歌舞伎の音
2017.10.17更新
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歌舞伎を見る前に知っておきたい基礎知識として演目の種類や独特な演出の仕方から、上演頻度の高い人気演目のあらすじと鑑賞ポイントを、マンガでじっくりと解説します。
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歌舞伎音楽の歴史
江戸時代前期、歌舞伎舞踊の音楽として長唄が登場。歌舞伎舞踊は女方が中心だったが、江戸中期になると立役も演じるようになり、常磐津の舞踊劇が流行する。江戸後期には清元が誕生し人気を得た。 竹本は「義太夫節(ぎだゆうぶし)」と言われ、人形浄瑠璃の音楽として江戸時代初期に誕生。歌舞伎では竹本とも呼ばれ、義太夫狂言以外にも舞踊の音楽として演奏される場合もある。
![歌舞伎の音楽もいろいろありそうだにゃぁ でも、主な
歌舞伎音楽は四つだにゃん えっ、そうなの? 長唄(ながうた)、竹本(たけもと)、常磐津(ときわず)、清元(きよもと)。これらは、歌い物(三味線を伴奏に歌う)の長唄と、語り物(三味線を伴奏に語る)の竹本・常磐津・清元に、大きく分けられるにゃんよ](http://43mono.com/wp/wp-content/uploads/2017/09/kabuki4_il01.png)
![まずは長唄 赤い布をかけた雛壇(ひなだん)に、唄、三味線、太鼓、笛…の担当がずらりと並ぶ大編成だにゃん](http://43mono.com/wp/wp-content/uploads/2017/09/kabuki4_il02.png)
![三味線には細棹(ほそざお)、中棹(ちゅうざお)、太棹(ふとざお)の三種類があって、長唄で使うのは細棹他の竹本、清元、常磐津はみんな浄瑠璃の一派浄瑠璃は、三味線の伴奏に合わせて太夫(たゆう)と呼ばれる語り手が、登場人物の心情や情景を語る劇場音楽だにゃん 明るいリズミカルな曲調で、風景描写が得意にゃんよ](http://43mono.com/wp/wp-content/uploads/2017/09/kabuki4_il03.png)
![竹本はもともと人形浄瑠璃の音楽。人形浄瑠璃の作品を歌舞伎化するようになって音楽も歌舞伎化されたにゃん 太夫と三味線という編成は、竹本も常磐津も清元も同じだけど使う三味線は違うにゃん。竹本は太棹で重厚感のある音色登場人物のセリフや心情を熱く語るのが特徴だにゃん すごい…気持ちのこもった熱い語り…](http://43mono.com/wp/wp-content/uploads/2017/09/kabuki4_il04.png)
![常磐津の三味線は中棹で、ゆったりした曲調。竹本ほど熱っぽくはない、スマートな語りは都会的な感じがするにゃん 清元の三味線は常磐津と同じ中棹だけど、太夫の高い声が特徴的。色気があって、恋の思いも哀切たっぷりに伝えるにゃん 音楽で舞台が盛り上がるんだにゃ~](http://43mono.com/wp/wp-content/uploads/2017/09/kabuki4_il05.png)
演奏する場所が決まっている
長唄連中(連中は演奏者のこと)は正面の雛壇か、下手(舞台向かって左)の「黒御簾(くろみす)」と呼ばれるスペースに隠れて演奏する。太夫と三味線による二人編成の竹本は、上手(舞台に向かって右)の「ぶん回し(回転扉)」か、その上の「床」と呼ばれるスペースに隠れて演奏する。常磐津と清元は舞台下手に位置することが多い。観客に見えるところで演奏するのを、長唄連中では「出囃子(でばやし) 」、語り物の場合は「出語(でがたり)」と言う。
複数の音楽を一緒に演奏する演目もある
それぞれの音楽が単独で演奏されることが多いが、二、三種類の音楽をともに演奏する「掛合(かけあい)」という形式もある。例えば『身みがわりざぜん替座禅』は長唄と常磐津、『紅葉狩(もみじがり)』は長唄、竹本、清元の三方掛合。
その他の音楽
勇壮な旋律の「大薩摩節(おおだつまぶし)」は『矢の根』『山門』などで演奏される。唄方と三味線方が立ったまま演奏する様子が、迫力があって印象的。浄瑠璃の一派だったが長唄に吸収された。浄瑠璃の一派「河東節(かとうぶし)」は、市川團十郎家が『助六』を演じる時だけ、演奏される。