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第1回

はじめに

2020.07.29更新

読了時間

  不安になったら、落ち込んだら、「ひとりになる勇気」をもってみよう。友だち関係で悩む中高生に絶対読んでほしい本が誕生!齋藤孝先生が伝授する、一生使える無敵の人間関係術!
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 この本は、友だちに関する不安や悩みを減らし、ストレスのない友だち関係を築けるようになるための本です。
 大人の方が読んでくださってもいいですが、とくに友だちの悩みが多くなる中学生・高校生世代に読んでほしいと考え、10代を強く意識した内容になっています。

 ぼくがこの本で強く伝えたいのは、
「複雑に思える『友だち問題』も、一歩離れて見るとじつはシンプルだ」
 ということです。
 何か悩みをかかえていると、いま起きていることが「人生のすべてを左右する大問題」のように思えてしまうものです。
 友だちとの関係でうまくいかないことがあると、自分が世の中から否定されてしまったような気持ちになったり、だれからも好かれない人間だというような気がしたりしてしまう。
 しかし、実際にはそんなことはありません。
 友だちも自分を取りまく種々の人間関係の一部であり、そのつながりにちょっと変動があっても、人生を脅かすような問題にはなりません。
 目先の問題にとらわれ、近視眼的になってしまう状況から抜け出すには、不安のないおだやかな心が必要です。
 おだやかな心というのは、じつは「頭の整理力」と深く関係しています。
 複雑に思える事柄を整理し、冷静にものごとをとらえられるようになると、むやみに不安に襲われないようになるからです。
 頭をクリアに保つ、そのひとつが言葉の意味をしっかりつかむことです。
 ものごとは、言葉の定義がはっきりすると、頭が整理されてことの本質が見えやすくなります。

「友だちとはなんだろう?」という命題に対して、ぼくはこんな定義づけをすることを提案したいと思います。
「友だちとは、一緒にいて楽しくて、笑顔になれる、元気になれる存在である」
 楽しくつきあえて、明るい気持ちや希望を与えてくれる。
 友だちというのは、これだけで十分なんじゃないでしょうか。
 そんなに仲がいいわけでもない、実際あまり楽しくないし、笑顔にもなれない相手と、無理してつながりつづけようとするから、悩んだり、苦しんだりするのです。
 それはつながりではなく、「しがらみ」です。心にまとわりついて、きみの自由な行動を邪魔するもの。
 笑顔になれないような関係の友だちがたくさんいても、それは幸せな友だち関係ではありません。
 つながっていても不安、つながっていてもさびしいのは、かたちばかりのつながりをもとうとしているから。自分自身、本当はそのことに気づいているのです。
 頭を整理して、友だち関係の本質を見つめなおしてみると、「友だち」という名の呪縛から解き放たれることができるようになります。

 この本では、「友だちとは何か?」「どうすればよい友だち関係を築けるか?」「友だち関係の本質とは?」という視点から、友だちについて考えなおすためのヒントをいろいろ話していきます。
 新型コロナウイルス問題で、人との接し方にも新たな工夫が必要になりました。それを踏まえ、巻末にはこのソーシャル・ディスタンスな時代を乗りきる「心の距離の縮め方」も紹介することにしました。
 だれとでも友だちであろうとしなくていいのです。
 楽しくて、笑顔になれる関係の人とだけ、友だちになればいい。
 ただし、それ以外の人とも、いがみ合わず、傷つけ合わずに共存していけるよう、人づきあいのスキルをみがくのです。
 これは、友だちに対する意識改革のすすめです。
 さあ、頭もすっきり、心もすっきりと大人の人間関係力を身につけて、人生の幸福度を上げていきましょう。

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著者

齋藤 孝

1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)などベストセラーも多数。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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