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「売り手市場」時代の 新しい採用戦略 ハローワーク採用の絶対法則

第10回

求職者視点で考える「採用結果通知」の書き方

2018.06.25更新

読了時間

【この連載は…】未曽有の「売り手市場」時代に、お金をかけずに“欲しい人材”の獲得に成功している中小企業がある。誰もが見落としていた「新しい採用戦略」とは何か? 日本唯一の「ハローワーク求人専門社労士」が教える、0円で優秀な人材を採用するハローワーク徹底活用術!
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求職者視点で考える「採用結果通知」の書き方

 ハローワークを通じて応募される求職者には、ハローワークから「紹介状」(図2-11)が発行されます。これには求職者の名前や受ける企業名や応募職種が載っています。

図2-11 紹介状の見本

出典:ハローワーク

 この紹介状は、ハローワーク側がどの求職者にどの企業を紹介したのかを把握できるようにするためのもので、ハローワークが自信を持って求職者を証明するというものではありません。また逆に、ハローワークから紹介されているのだから優先的に採用しなければならない、ということもありません。ただ、企業側としては、本人から直接申し込みされるよりも、ハローワークから紹介されるほうが、素性が知れている分、安心感が得られるのがメリットと言われています。また、ハローワークを通して人材を採用した企業は助成金をもらえる可能性がありますが、この紹介状が、ハローワーク経由で人材採用したという証明になります。
さて、この紹介状の裏面は、「選考結果通知」(図2-12)となっており、求人企業がハローワークに選考結果を通知するための書面となっています。

図2-12 選考結果通知の見本

出典:ハローワーク

 私がハローワークで求職者の就労支援もしていた経験から申し上げると、できましたら企業の方には採用しなかった理由を記載していただけるとありがたいです。私が窓口で求職者とお話をしていますと、採用されなかった理由、なぜ不採用となってしまったのかを尋ねられることがあります。
その際には、この「選考結果通知」をもとにハローワークシステムに入力されたデータを見てお話をすることになりますが、具体的なことが書いていない場合、なかなか求職者に適切なアドバイスをすることができません(ハローワークの職員が記載された内容をそのまま求職者にお伝えすることはないと思いますが)。採用に至らなかった要因や応募者へのアドバイスと共に、良かった点なども記入していただければ、それがきっかけで、その求職者の人生が変わるかもしれません。

 一方、採用した場合にもその理由を記載することをおすすめします。ハローワークの窓口で就労支援の仕事をしていると、採用が決まったということでわざわざお手紙やお電話をいただいたり、来所されてお礼の言葉を述べられたりする場合があります。
その際にも、私は「選考結果通知」をもとにハローワークシステムに入力されたデータを見てお話しすることがありました。「先方からはこんなところが評価されていたみたいですよ。就職しても頑張ってくださいね」などとお伝えすると、とても自信に満ちた様子で帰られます。そんな光景が記憶にいくつも残っています。
心理学的に、人は誰かから直接褒められるより第三者を介して間接的に褒められたほうが喜ぶと言われています。「選考結果通知」に記載された採用理由などが、求職者本人に伝わることはそれほどないかもしれませんが、もし先に紹介したようなシチュエーションなどで本人に伝わることがあれば、よりモチベーションを高めて入社されることでしょう。
少なくとも、ひとりひとりの求職者に誠実に接しておられる企業としての姿勢は、ハローワーク職員にも伝わり、「良い企業」と認識されることでしょう。

「目次」はこちら

この本の構成

はじめに
第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
第2章 初めてハローワークで求人を出す人のための基礎知識
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
第4章 欲しい人材を引き寄せるハローワーク求人票の書き方
第5章 ハローワーク採用の絶対法則
第6章 他社と圧倒的微差を作る13のポイント
おわりに

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著者

五十川将史

日本唯一のハローワーク求人専門社会保険労務士。ウエルズ社会保険労務士事務所代表。1977年、岐阜県生まれ。明治大学卒。大手食品スーパー店長、民間企業の人事担当者、ハローワーク勤務を経て、社労士の資格を取得し、独立。税理士会、金融機関、商工会議所、地域産業支援機関、日本FP協会等に向けた講演・セミナー・研修を年間60回超、受講者は3000名を超える。

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