Facebook
Twitter
RSS

よみものどっとこむ

第1回

『プロ野球語辞典』12球団ファンクラブ会員 特別対談

延長戦!<オモテ>

2017.03.14更新

読了時間

誠文堂新光社『プロ野球語辞典』番外編! 12球団ファンクラブ評論家®でもある長谷川晶一氏(ヤクルトファン)が、同じく12球団のファンクラブに入会している、ベースボール居酒屋・リリーズ神田スタジアムの高橋店長(楽天ファン)と各球団のファンクラブの最新の動向について熱く談義。「オモテ」と「ウラ」の2回にわたってお送りします。


 誠文堂新光社から、初心者にもやさしく、コアなファンも楽しめる新しいスタイルの野球用語辞典『プロ野球語辞典』が発売中です。


 本書は、ルールや球団、選手や球場、往年の名選手や歴史的事件、ファン心理に至るまで、プロ野球にまつわるあらゆる用語を網羅。野球の基礎の基礎から、マニアックなネタまで丁寧に解説します。また『野球太郎』の表紙などでもおなじみの佐野文二郎氏による、クスっと笑えるイラストも満載です。


 本サイトでは、書籍に収録されている「12球団ファンクラブ会員特別対談」の未収録パートを掲載!

 著者であり、12球団ファンクラブ評論家®でもある長谷川晶一氏(ヤクルトファン)が、同じく12球団のファンクラブに入会している、ベースボール居酒屋・リリーズ神田スタジアムの高橋店長(楽天ファン)と各球団のファンクラブの最新の動向について熱く談義。「オモテ」と「ウラ」の2回にわたってお送りします。


 さあ、延長戦のスタートです!


proyakyu_01左:12球団ファンクラブ評論家®の長谷川晶一氏、右:ベースボール居酒屋・リリーズ神田スタジアムの高橋店長

ほとんど後援会?

ルーキー個人のファンクラブ ほか変わり種ファンクラブ


高橋(以下 高) 2016年は、楽天にルーキーのファンクラブ(※1)ができましたよね?

長谷川(以下 長) びっくりしました。斬新な発想ですよね。

 ルーキー個々人に対してのファンクラブって、言っちゃえば後援会ですよね? 一選手につき、人数限定(※2)で募集して、その選手が一軍で活躍したり、目標を達成したら、達成記念グッズがもらえたり、選手とファンの交流パーティーをやるんでしたよね。

 自分の選んだ選手が、まず1軍に上がるか上がらないかっていう壁があって、次に、ヒットを打つか打たないか、ヒーローインタビューを受けるか受けないか、とかの目標設定がいくつかあって、どこまで達成したかで、もらえる特典が変わるものでしたね。オコエはすぐ、定員に達してましたよね。

 あっというまでした。

 ただ、申し込むだけ申し込んでお金を払わない人がいたんで、追加募集があったんですけど、それもすぐ、あっというまで。だから、茂木とかはきっともっと倍率が低かったでしょうね。

 ねらい目でしたね~~~。結果論で言えば。

 自分だったら誰に賭けるか……っていう楽しみがありますよね。

 2017年だったら、藤平をはずして、あえて池田、田中か……とかね(笑)。でも、野手よりもピッチャーかな? っていうね(笑)、せめぎ合いが楽しいですよね。珍しいファンクラブ。ファンクラブって言っていいのかわかんないですけど……新機軸でしたよね。ほんとに、後援会。他人から成る後援会ですよね。後援会って、ふつう地元の人とかが始めるのに。

 母校とかね。

 完全に知らない人が集まる後援会って……ほんとに新しい(笑)。今は「俺らが育てたアイドル」的な手法ってあるじゃないですか。たとえばオコエが将来クリーンナップを打つような選手になったときに、このファンクラブに入ってた人の「1年目にオレが応援したおかげだ」っていう古参心をくすぐるようなしくみでもあるかなーと思うんですよね。

 野球雑誌の編集者から聞いたんですけど、高校野球ファンとプロ野球ファンが、実はあんまりかぶってないっていうんですよね。

 そうなんですよね、かぶってないんですよね。

 その高校野球ファン、たとえばオコエのファンが、「オコエ君、高校3年生までは応援したけど、プロでは知らない」っていう状況を、なんとかつなげよう、橋渡しをしよう、っていう意味では、楽天の試みは有益だと思いますね。

 なるほど。これが珍しかったですよね、最近だと。

 ソフトバンクにはファームのファンクラブ(※3)がありますよね。入会特典で新入団選手が缶バッジになるじゃないですか。ソフトバンクでは、一生グッズがない選手がこれでいなくなるっていう、いい試みだと思いますね。(※4)


proyakyu_02_1

 でも僕、2016年は、タマスタ筑後の開場初年度でしたし、「これは行かなきゃ!」と思って、ファームのファンクラブに入って、わざわざ筑後に行ったんですけど、がっかりしたのは、球場での会員特典はソフトバンクの1軍のファンクラブの会員証でも受けられるんですよ。ファーム会員証か1軍会員証を持っていると、グッズ割引、飲食物割引とかがあるんですけど。だとしたら、ファーム会員の割引率を1軍の方より上げるなりして、ファームの方に入ってよかったな、って思わせらんないと、あまり意味ないんじゃないかと思うんですよね。

 入会記念品やファンクラブ限定イベントで、差を出そうとしてるんだろうけどね。ほかに変わったファンクラブってありましたっけ?

 DeNAですかね。カードの色が違うだけの、ビジターファン専用のファンクラブっていうのをつくってますね。

 12球団、唯一ね。

 DeNAのオープン戦は、ファンクラブ会員はタダで観戦できるんですよね。だから、敵としてハマスタに来てるビジターファンに向けて、「DeNAのビジターファンクラブに入会してオープン戦を2試合観たら、もうモトとれますよ」っていうのを、とんでもない数のスタッフで勧誘してますよね。オープン戦は確か、1試合2,000円とかですけど、たとえばビジターファンが2日間観るつもりで4,000円払う気で来たところに、「ビジターファンクラブに3,000円で入ればオープン戦見放題です。公式戦の特典チケットも2枚つきます」って話をされたら、「それって、いいな」にはなりますよね。


(※1)楽天ファンクラブ会員特別企画「目指せ!一軍ヒーロー!」のこと
(※2)2017年度の定員は各200名
(※3)「ホークス筑後ファンクラブ」のこと
(※4)育成選手は除く


ポイント制度について思うこと

「インフレさせちゃえばいいのに」


 2016年から中日が、ファンクラブでポイント制度を始めたじゃないですか。ただ、やっぱり貯まりづらいよね、この中日のポイントは。

 そうですねーーーーーーーー。全試合行っても、球団が言うほど貯まんないじゃないか、って。何をどうしたら、どこでボーナスがつくのか謎……。

 その点、楽天は「楽天ポイント」をやってる会社のノウハウが生かされてますよね。

 連携し始めたのは2016年からなんですけどね。それまで連携してなかったのが不思議ですよね(笑)。

 そうそうそう。例えば楽天の10万円の「ブースタークラブ」だと、1日で9,000ポイント貯まったりしますよね。ポイントが3倍になる日があって、「ブースタークラブ」はそもそも来場ポイントが3,000ポイントだから。2連戦とか3連戦行くと、もう3日間でガバっとポイントが貯まるんですよね。

 楽天は、一番スタンダードな「レギュラークラブ」でも、1試合行くと1,000ポイントもらえるんですけど、これが、たとえ10点でも何の弊害もないんですよね。それを千とか万とかって単位を見せられて、何度も行って10万ポイントとか貯まると、超、持ってる感じあるじゃないですか。それが例えば1回行って1ポイントで、がんばって150ポイント貯まったとして、15万ポイントと150ポイントで、交換できるグッズとか受けられるサービスが同じだとしても、万単位で貯まったり、1,000ポイントあげます! って言われた方がうれしいじゃないですか。そこを楽天は、意図的にだと思うんですけど、付与するポイント、使うポイントの桁を上げてるのが、「うまいなー」と思うんですよ。

 そうそう。だって昔、日ハムとか、来場ポイント3ポイントとかだったんですよ。なんか、すごくしょぼく感じるじゃないですか。単位とか、基準なんてどうにでもなるんだから、300とか3,000とかにすりゃいいのに、3ポイントっていう……。

 駄菓子屋方式でね、「はい、おつり20万円~~~」って言っとけばいい話なのに(笑)。西武はグッズとか飲食物とか買って、レシートに○ポイントってついてるんですけど、15ポイントとか言われると、端数かよ、って思いますけど、そこに1,500ポイントって書いてあったら、「お。ついたな~~」ってなりますもんね。結果は一緒でも。

 西武は、飲食購入全部にポイントがつくんで、かなり貯まりますよね?

 貯まりますね。なんなら、特急レッドアロー号に乗ると貯まりますから。

 何度も利用して、ポイントを貯めています。

 池袋から西武球場前駅までの臨時列車に乗ると、降りるときに、「ポイント登録こちらです」ピッ!って。あれは親会社とのうまいシンクロですよ。

 だからシーズン中いつも西武ではポイントが貯まるんで、なんだかんだで、何度かグッズと引き換えしてますね。2016年の、カード。あれは、すごくよかった!! ちゃんとファイルがあって、1ページに、例えば岸なら岸のカードが9枚入るんですよ。9種類の岸のカードがあって、裏返すと、1枚の投げてる写真になる。それ、もらったんだけど、豪華でしたよ。それもたぶん、ビール10杯分くらいでもらえるから。やっぱり西武はすぐ貯まりますね。あと、オリックス、日ハムはポイントで選べるグッズっていうのが、かなり充実してて。

 多いっすよね!

 だから札幌ドームとか京セラドームとか行くと、すごい楽しいんですよ。すごい広いスペースにいろんなグッズがあって、ちょっと買い物する感覚で、例えば今3,000ポイント持ってるから、この800ポイントのボブルヘッドを組み合わせて……あと300ポイントだな、じゃあ何にしようかな? みたいな、そういう楽しさが日ハムとオリックスにはありますね。

 限られたポイントの中で選ぶのって、ほんと、子どものころの遠足のおやつの買い物みたいな楽しさがありますよね。これとこれじゃちょっと足出ちゃうな~~! じゃあこれあきらめてどっちにしよっか、みたいな。あれ、楽しいですよね(笑)。

 そうそうそうそう! ほんと500円以内とか300円以内のおやつを買う、みたいな。

 普段の買い物だったら、1,000円予算オーバーしちゃうなー。じゃあ、1,000円余計に出そ、で済んじゃうじゃないですか。でも、人から与えられた予算内で、自分の好きなもの買い物するっていう感覚、ほんとにあれもう遠足のお菓子(笑)。300ポイントって決まってて、自分の意志で310ポイントにできない以上、じゃあこの300ポイントで可能な限り、自分の満足度を高めよう、みたいな。

 やりくり感がね(笑)。だから100ポイントとか200ポイント余ると、選べるのがピンバッジとか、シールとかになるんだけど、やっぱりピンバッジよりはシールがいいな……とか。

 残り10円でラムネにするかガムにするかみたいな(笑)。あれ、楽しいですよね。しばりが与えられてるからこそ、楽しいですね。

 確かにそう。そういえば、そのシステム、楽天も充実してましたね。

 楽天は球場外にテント作って、「この中から選んでー」って、やってますよ(笑)。

 ましてや僕はこの10万円の「ブースタークラブに」入ってたから、1日で9,000ポイントとか貯まると、ちょっと楽しいよねー! ぜんぜん欲しくない、偽の革の財布とか、やっぱり交換しちゃったもん(笑)。

 ポイント失効しちゃうくらいだったら、欲しくないものでも換えとこ、ってなりますよね。「ぜんぜんいらねーなー」っていうのもあるんですけどね(笑)。

 楽天の、アロハのあったじゃないですか。あの、髪結ぶシュシュを3つくらい持ってる(笑)。飲み屋で女の子とかにあげたりしたな(笑)。

 楽天はファンクラブ入会のときに、紹介した人が5,000ポイントもらえて、紹介された人に球場で使える500円金券がもらえるっていうのもありますね。

 やっぱその「5,000」て数字で「おーー!」ってなりますもんね。5ポイントだったらあんまり思わないけど。

 でも、結局、楽天のファンクラブのポイントって、金額換算すると、やっぱり、100ポイント1円ぐらいなんで、だから、ただのインフレなんですよ。ほんとにジンバブエドルみたいな話で(笑)。

 コーラ1杯15億……みたいな感じなんですよね。

 特典が手厚いから、ぜんぜんモトとれますけどね。だから、交流戦でしか行かないセ・リーグファンにも勧められるファンクラブですよね。



『プロ野球語辞典』12球団ファンクラブ会員 特別対談 延長戦!<ウラ>に続く!


この本を購入する
シェア

Share

感想を書く感想を書く

※コメントは承認制となっておりますので、反映されるまでに時間がかかります。

著者

【著者】長谷川晶一 【絵】佐野文二郎

【著者:長谷川 晶一】1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒業。 出版社勤務を経て、2003年にノンフィクションライターに。 2005年よりプロ野球12球団のファンクラブすべてに入会する試みを始め、2017年まで13年連続で継続中。 現在、「12球団ファンクラブ評論家」の肩書きを商標登録済み。野球関連の著書多数。【絵:佐野文二郎】1965年11月3日生まれ。イラストレーター。『野球太郎』(廣文堂出版)の表紙において発泡スチロールを削りだした立体イラストを制作。近著に『高田文夫の大衆芸能図鑑』(小学館)がある。

矢印