第40回
去用第四十
2019.01.31更新
日本人の精神世界に多大な影響を与えた東洋哲学の古典『老子』。万物の根源「道」を知れば「幸せ」が見えてくる。現代の感覚で読める超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。
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去用第四十
40 根源に反(かえ)ろうとするのが「道」のはたらき方
【現代語訳】
「道」の根源に反ろうとするのが、「道」の動き方である。また、弱々しい(そして柔らかい)のが「道」のはたらき方である。
天下の万物は有から生じるが、有は、無(「道」)から生じるのである。
【読み下し文】
反(かえ)る者(もの)は道(みち)の動(どう)なり(※)。弱(よわ)き者(もの)は道(みち)の用(よう)なり。
天下(てんか)の万物(ばんぶつ)は有(ゆう)より生(しょう)じ、有(ゆう)は無(む)(※)より生(しょう)ず。
- (※)反る者は道の動なり……歸根第十六参照。「弱き者は道の用なり」は微明第三十六参照。なお、本章は、同異第四十一の次にあるのがよいとする説もあり、『帛書』はその形になっている。
- (※)無……「道」を意味する。「道」はいいようがないものであることから無としたもので、ここでの無は何もない意味ではない。
【原文】
去用第四十
反者道之動、弱者道之用。
天下萬物生於有、有生於無。
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