第5回
「生きる力」が大事と言われるようになったワケ
2019.06.27更新
齋藤孝先生の最新刊は「頭のよさ」の本! 6月5日発売!「頭がいい」とは脳の「状態」なのです。頭のはたらきがいいときは、目の前の問題が簡単に解決できるし、未来を楽しく創り出していくことができる。すっきりと気分もいい。そんな状態のときをどんどん増やしていくにはどうしたらいいか?本書で詳しく解説します。
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学校教育においても、学力指導のポイントが変わってきています。
これまでの学力は、「知識をつけ、それを覚え、その知識に基づいた問題に答えられる」力を重視したものでした。
しかし、「思考力・判断力・表現力」や個々の「学習意欲」を伸ばしていくことを重視する方向へと、シフトしてきたんです。
自分で考えて、自分の意見をちゃんともって人と対話できること。
問題を発見して、自分で探究して、自分で研究してみる姿勢をもつこと。
主体的・対話的で深い学び。これがキャッチフレーズです。
それに伴い、学力を測る基準も、変わってきています。
知識が身についているかというのは、ペーパーテストでわかりやすいものです。
しかし、「自分で考える」ことが軸になっている「新しい学力」は、従来のようなペーパーテストで測るのはむずかしいんですね。
それで、小論文を書くとか、自己PR文を書くとか、面接試験をするとか、そういうところで見る試験がどんどん増えているのです。
自分で考える、自分なりの表現をするというのは、社会に出たときに活かしていける頭のよさ、「生きる力」につながるものです。
きみたちに身につけてほしいのは、そういう学力であり、頭のよさです。
「頭をよくする」というのは、生きるために必要な力をつけることなんです。
そのために勉強をするんです。
頭のよくならない人間はいません。だれにも努力できる力は備わっています。
どういうやり方をすれば、自分の力を伸ばしやすいか。そのことにどこで気づけるか、がポイントです。
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