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論語 全文完全対照版 野中根太郎

第54回

151話~153話

2016.10.07更新

読了時間

151 私生活は穏やかでありたい


【現代語訳】

孔子先生が家でくつろいでいる時は、誠(まこと)にのびのびとし、にこやかで、いかにも楽しそうであった。


【読み下し文】

子(し)の燕(えん)居(きょ)(※)するや、申申(しんしん)如(じょ)(※)たり、夭夭(ようよう)如(じょ)(※)たり。


(※)燕居……仕事場から家に帰った後の私生活。

(※)申申如……のびやかな様子。

(※)夭夭如……にこやかで楽しい様子。


【原文】

子之燕居、申申如也、夭夭如也、


152 夢の中で現れるほどの熱心さも時にいい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私もずいぶん衰えてきたものだ。尊敬する偉人である周(しゅう)公(こう)旦(たん)の夢をしばらく見ないのだから」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、甚(はなはだ)しいかな。吾(わ)が衰(おとろ)うや。久(ひさ)しいかな、吾(わ)れ復(ま)た夢(ゆめ)に周(しゅう)公(こう)(※)を見(み)ず。


(※)周公……周公担。周の文王の子。魯の始祖。孔子が理想とし、目標とした人でもある。


【原文】

子曰、甚矣、吾衰也、久矣、吾不復夢見周公也、


153 よく学びよく遊ぶ心がけを目標にしたい


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「正しい道を学ぶことを志し、その身につけた徳をかたく守り、他人を思いやれる仁の生き方をしながら、そのうえで他人を適切に思いやれる仁の生き方に寄り添いながら、さらに自分の趣味、教養を磨きたいものだ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、道(みち)に志(こころざ)し、徳(とく)に據(よ)り、仁(じん)に依(よ)り、藝(げい)に游(あそ)ぶ(※)。


(※)藝に游ぶ……「藝」とは教養のこと。広くは趣味を含むと解してよい。


【原文】

子曰、志於道、據於徳、依於仁、遊於藝、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国人から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100-変わる力 変える力のつくり方』(共にアイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術─相手の心を動かす「義」の思考方法』『全文完全対照版 論語コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 孫子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 老子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 菜根譚コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』(以上、誠文堂新光社)などがある。

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