第2回
一流のビジネスパーソンも必ずハローワークに登録する
2018.05.28更新
【この連載は…】未曽有の「売り手市場」時代に、お金をかけずに“欲しい人材”の獲得に成功している中小企業がある。誰もが見落としていた「新しい採用戦略」とは何か? 日本唯一の「ハローワーク求人専門社労士」が教える、0円で優秀な人材を採用するハローワーク徹底活用術!
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第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
一流のビジネスパーソンも必ずハローワークに登録する
「昔、会社を辞めた後、ハローワークで仕事探しをするつもりはさらさらなかったけど、私もハローワークに行って失業保険をもらったことがある」
ある著名なコンサルタントと本書のテーマについて話をしていた際に、彼はこう言いました。実はこのような方は意外と多いのですが、これには2つの意味が含まれています。
1つ目は、ハローワーク(公共職業安定所)で仕事探しをするつもりはまったくない、ハローワークに出ている求人には期待していない、と考えるビジネスパーソンが多いという現実。
2つ目は、そんな中でも、失業保険(正確には雇用保険の失業等給付の「基本手当」)を受給するためには、退職後にハローワークで申請手続きを行った上で、一定の求職実績(求人への応募、職業相談、セミナー受講等)が必要ということです。
つまり、失業保険を受給するためには、ハローワークで仕事探しをするつもりのないビジネスパーソンも、ハローワークに登録するという現実があるのです。ただし、それらの方々を満足させるだけの求人がハローワークにはない(と思われている)のが課題です。私が本書でハローワーク採用の有用性について皆さんにお伝えすることにしたのは、ハローワークを、「ハローワークに出ている求人には期待していない」という求職者を振り返らせる求人票であふれる場にしたいと思っているからです。
どんなに急いで求人を出したくても、ハローワークで求人申込書を書いてはいけない
私は、社会保険労務士として独立開業する前の3年間ほど、地元のハローワークで非常勤職員として勤務していました。「学卒ジョブサポーター」という大学や高校などの新卒者や既卒者に対して就職支援を行う仕事です。
担当者制による就職支援業務が主となっていましたので、担当している求職者にとっての「いい求人票」がないかを、毎日探していました。
ハローワークに出ている求人票を毎日何百枚も目にしてきて、紹介しているうちに、自分なりに、人が集まる求人票とそうでない求人票を見分けることができるようになってきました。
また私が勤務していたハローワークがそれほど規模が大きくなかったこともあり、学卒ジョブサポーターとしての仕事以外にも、求人窓口で、企業の方から求人を受理する仕事もさせていただきました。ここで、経営者や採用担当者の声を直接伺うこともできました。ハローワークの仕事は業務が細分化されており、職業を紹介する人と、求人を受理する人は別であることが多いのですが、その両方を経験することができたのはラッキーでした。
企業からの求人を受理する窓口でよく見かけた光景としては、「求人申込書」をハローワークの記載台で書き始める方が多いということ。これの何が問題かということを説明する前に、初めてハローワークで求人を出すまでの流れについて簡単に紹介します。
1.事業所の所在地を管轄するハローワークに足を運ぶ。
2.求人申込に必要な「事業所登録シート」、「事業所地図登録シート」、「求人申込書」を受け取り、求人申込についての説明を窓口で受ける。
3.「求人申込書の書き方」にある記入例などを見ながら記入する。
4.「求人申込書」等をハローワークに持参し、求人窓口で相談、求人申込をする。
皆さんは、「3分間で自己PRをしてください!」と突然振られたら対応できるでしょうか。本書の読者の中には就職活動の面接官としての経験がある方も多いかと思います。採用面接で「自己紹介を3分でお願いします」と伝えたにもかかわらず、自己分析など事前準備もしないままに面接に臨んだ上に、30秒や1分で終わらせる応募者がいたら、「この人は、その程度の意欲しかない」と判断するのではないでしょうか。ハローワーク求人の世界では、立場が逆のことが起きているのです。面接官として皆さんが求職者を見定めているのと同じように、求職者から「その程度の意欲しかない会社」と判断されかねません。ハローワークの窓口でいきなり求人票を書き始めるというのは、このような危険をはらんでいます。
この本の構成
はじめに
第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
第2章 初めてハローワークで求人を出す人のための基礎知識
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
第4章 欲しい人材を引き寄せるハローワーク求人票の書き方
第5章 ハローワーク採用の絶対法則
第6章 他社と圧倒的微差を作る13のポイント
おわりに
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