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「売り手市場」時代の 新しい採用戦略 ハローワーク採用の絶対法則

第9回

採用してすぐに「騙された」と言われないための給料の表示方法

2018.06.22更新

読了時間

【この連載は…】未曽有の「売り手市場」時代に、お金をかけずに“欲しい人材”の獲得に成功している中小企業がある。誰もが見落としていた「新しい採用戦略」とは何か? 日本唯一の「ハローワーク求人専門社労士」が教える、0円で優秀な人材を採用するハローワーク徹底活用術!
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採用してすぐに「騙された」と言われないための給料の表示方法

 本書では、ほとんど労働基準法や職業安定法、男女雇用機会均等法など求人募集や採用に関わる法令については説明していません。もちろん法令を無視しているわけでも軽視しているわけでもありません。法令を無視したり軽視した求人票では、法令違反ということ以前に、世間から「ブラック企業」の烙印まで押されかねず、求人募集の本来の目的である優秀な人材の採用やその後の定着はおぼつきません。
 ここでは、求人申込書で注意していただきたい固定残業代(みなし残業)についてご紹介します。
 固定残業代は、その運用方法について大きな社会問題になっています。平成30年1月1日施行の職業安定法改正では、固定残業制は労働時間数と金額の計算方法、固定残業代を除外した固定給の額、固定残業時間を超えた労働時間、休日労働、および深夜労働についての割増賃金を追加で支払うことを明示することが必要となりました。
 (図2-9)に実際の記載例をご紹介します。

図2-9 求人票への固定残業代の記載例

出典:顧問先の求人票

 記載例(図2-9)の企業では固定残業代を「過勤手当」と言っています。「過勤手当は時間外労働の有無にかかわらず、固定残業代として支給、32時間を超える時間外労働分は法定どおり追加で支給」、と記載することによって求人を出すことができます。ハローワークの窓口でも確認されているのですが、「過勤手当」や「業務手当」、「営業手当」といった名称の場合や、そもそも基本給に組み込まれている場合には、見逃されているケースも散見されます。
 
 ハローワークの窓口で見落とされたのか、求人事業所が窓口で虚偽の申し出をしたのか定かではありませんが、採用してすぐに「騙された」と言われないためには、隠さずに記載すべきです(図2-10)。隠すということは公開したくない後ろめたい気持ちがあるからだと思いますが、求職者に公開できないような制度や実態であれば早晩変えていかなければならないでしょう。とはいえ、実務的にすぐに制度や実態を変えることは難しいでしょうから、まずは率直に伝えた上で、他の魅力や目指す未来を語って補っていく姿勢が重要かと思います。

図2-10 固定残業代を賃金に含める場合の適切な表示について

出典:厚生労働省

ハローワークの仕組みを悪用する会社は求職者からもハローワーク職員からも嫌われる

 本書でもハローワークの仕組みや制度をご紹介していますが、これらを悪用または濫用することによって、制度が不正に利用されてしまう場合があります。例えば、ハローワークの求人情報端末やハローワークインターネットサービスで求人検索をした際に表示される求人情報一覧は、求人受理日の新しい順に上位に表示されます。つまり求人を出してから日が経つにつれて一覧表の後ろになっていきます。常に上位に掲載されることを目的に、意図的に求人を取り下げた上で、再度求人が出される場合があります(ハローワークによっては、一度取り下げた求人の場合は先の求人の有効期限(求人受理日の翌々月末日)まで新規扱いとならない場合もあるようです)。
 求人を取り下げる場合には、採用が決まったなど正当な理由が必要となり、説明を求められることもあります。ただハローワークで求人を見ていると、不思議といつも上位に掲載される企業があります。
 求人企業としては目立つ場所に掲載されることから採用に有利なのではないかと考えられますが、目立つということはメリットばかりではありません。というのも、私も窓口にいたときに紹介した求人に対して、「ここの会社、いつも求人出してますよね?何か問題のある会社なんですか?」と言われることが度々ありました。
 また、ハローワークの職員としてはどうでしょうか。職員が利用するハローワークシステムの端末では、事業所ごとに求人別の応募者数や採用数などの状況を確認することができます。つまり、意図的に求人の取り下げと再掲載を繰り返している事業所は一目瞭然なのです。ハローワークシステムについてもっと言えば、ハローワークに寄せられたその事業所に対する求職者からのクレームや注意事項などがあれば見ることもできます。「求人受理日の新しい順に表示される」という仕組み1つとっても、悪用する会社は求職者からもハローワーク職員からも嫌われることをご理解いただけるのではないかと思います。

「目次」はこちら

この本の構成

はじめに
第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
第2章 初めてハローワークで求人を出す人のための基礎知識
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
第4章 欲しい人材を引き寄せるハローワーク求人票の書き方
第5章 ハローワーク採用の絶対法則
第6章 他社と圧倒的微差を作る13のポイント
おわりに

【単行本好評発売中!】

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著者

五十川将史

日本唯一のハローワーク求人専門社会保険労務士。ウエルズ社会保険労務士事務所代表。1977年、岐阜県生まれ。明治大学卒。大手食品スーパー店長、民間企業の人事担当者、ハローワーク勤務を経て、社労士の資格を取得し、独立。税理士会、金融機関、商工会議所、地域産業支援機関、日本FP協会等に向けた講演・セミナー・研修を年間60回超、受講者は3000名を超える。

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