第11回
無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
2018.06.29更新
【この連載は…】未曽有の「売り手市場」時代に、お金をかけずに“欲しい人材”の獲得に成功している中小企業がある。誰もが見落としていた「新しい採用戦略」とは何か? 日本唯一の「ハローワーク求人専門社労士」が教える、0円で優秀な人材を採用するハローワーク徹底活用術!
「目次」はこちら
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
意外と役立つ無料で配布される「バランスシート」
「ハローワークにはいつ求人を出すのが効果的ですか?」というご質問をよくいただきます。
この質問の答えはいくつかあると思いますが、求職者がどれだけ登録しているかという月別の人数がわかるデータがあれば、1つの答えになるかと思います。実はそのような情報は各労働局やハローワークのホームページや窓口で、誰でも手に入れることができます。
(図3-1)は東京労働局のホームページになります。最近の雇用失業情勢や産業別新規求人数の推移、新規学卒者の初任給調査結果などが公開されています。この統計調査では、発表まで1~2か月のタイムラグはあるものの、1年前のデータや日本全体のデータではなく、その地域のほぼリアルタイムの求人・求職に関する情報が提供されています。「数年前は、求人募集をかければ何十人も応募があった」という経営者の話もよく伺いますが、ここで公表されている統計調査結果を見ていただければ、現在との状況の違いをよく理解していただけることでしょう。
図3-1 労働局のホームページは採用に役立つ地域の求人情報が満載
出典:東京労働局ホームページ
また、(図3-2)の「最近の雇用失業情勢」を見るとおわかりになると思いますが、毎月の新規の求職者数や実際に求職活動している人の数を表す「月間有効求職者数(前月から繰越された有効求職者数と当月の新規求職申込者の合計数)」、いわゆる「求人倍率」などがわかります。
図3-2 労働局のホームページで最近の雇用失業情勢を把握
出典:東京労働局ホームページ 最近の雇用失業情勢(平成29年度)
これが、「ハローワークにはいつ求人を出すのが効果的ですか?」というご質問の1つの答えにもなります。
つまり、東京都においては上半期である1月から6月の新規求職者が多く、逆に12月の求職者が極端に減っているということも、この「最近の雇用失業情勢」から読み取ることができます。
(図3-3)は愛知労働局のホームページで公表されている「求人・求職バランスシート」ですが、先ほど薬剤師の例で挙げさせていただきました職種別の求職者数、求人者数、求人倍率なども把握することができます。これらの情報は、労働局やハローワークによってホームページで公開されていることもあれば、各ハローワークにて紙で配布されていたりします。
図3-3 「バランスシート」で職種別の求職者数、求人者数、求人倍率なども把握
出典: 愛知労働局ホームページ
もしかしたら、皆さんのお近くの労働局やハローワークでは、ホームページでの公開も、紙での配布もないかもしれません。そのような場合は、ぜひ最寄りの労働局やハローワークの窓口にお問い合わせください。
私も、「『配管工』の求人を出そうと検討しているのですが、この地域でその仕事を希望されている求職者は今現在、何人いらっしゃいますか?」というような質問をハローワークの窓口ですることがあります。正式な統計調査としては持ち合わせていなくても、ハローワークシステムに登録されている求職者の情報を活用して、そのような質問にも答えてもらえることがあります。ただの興味本位ではなく、「『配管工』の求人を出そうと検討しているのですが」というような具体的な目的を示せば、何らかの情報を示してくれるものです。
この本の構成
はじめに
第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
第2章 初めてハローワークで求人を出す人のための基礎知識
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
第4章 欲しい人材を引き寄せるハローワーク求人票の書き方
第5章 ハローワーク採用の絶対法則
第6章 他社と圧倒的微差を作る13のポイント
おわりに
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