第14回
「ハロートレーニング」でプチ経験者を採用して早期離職を減らす方法
2018.07.09更新
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「ハロートレーニング」でプチ経験者を採用して早期離職を減らす方法
ここでは平成28年に公的職業訓練の愛称として「ハロートレーニング」(図3-8)と名称が決まった職業訓練についてのご紹介です。
企業の方とお話をしていますと、「まったくの未経験者の方を採るのは不安がある」と躊躇されることがあります。そんな場合にはハロートレーニングを受講された方を採用されてみてはいかがでしょうか。
国(ポリテクセンター)や都道府県(職業能力開発校)、民間教育機関等(都道府県からの委託)では、離職者などが再就職に必要な知識や技能を習得するための職業訓練、愛称「ハロートレーニング」を行っています。
図3-8 ハロートレーニング経験者の採用
出典:厚生労働省「人材育成支援策」のご案内
平成27年度の受講者数はおよそ13万人で、受講者の7割以上が女性です。事務系をはじめとして、情報、建設、製造、サービス、介護、デザイン、理美容に至るまで多種多様な訓練分野を網羅しています。離職者向けの訓練は、基本的には2~6か月となり、中には1年間や2年間といったものもあります。
企業としては、2~6か月の訓練経験だけでは、「即戦力」とはいえないかもしれません。ただ、まったくの未経験者ではなく、「業界のことやその職種の基礎知識や心構えができている方が採用できて、あとは自社で育てていければいいかな」というぐらいの期待感でいると、良い方が採用できたりします。
ただ、こちらの制度についてもあらかじめ理解しておいていただきたいことがあります。それは、失業保険の受給資格者は、職業訓練期間中はずっと失業手当を受け続けることが可能となります(訓練延長給付)。また、前職を自己都合で退職された方には失業手当の受給までに3か月間の待機期間が設けられます。本来は離職票をハローワークに提出してから3か月後からしか失業保険の給付が始まりませんが、職業訓練を受講することですぐに受給できるようになるのです。つまり、失業保険の受給を目的に職業訓練を受けている方が一部にはいるということです。
これらのこともご理解いただいた上で、「経験者や即戦力が採用できる」といった幻想を持つことなく「プチ経験者」が採用できる手段としてハロートレーニング経験者の採用をご検討ください。
もの作り分野の訓練コースに特化した職業訓練所としては、従来「ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)」というものが各地に設置されています。
これらの職業訓練所で訓練を終えられた求職者の情報もハローワークにて公開されています。公開されている情報を見ていきますと、訓練を受けられた方の主な仕事、免許、資格、そしてワンポイントアピールなど、さまざまな情報を見ることができます。
それでは、これらの方に対して、どのようにアプローチをかけたらいいのでしょうか。
まずは、それぞれのポリテクセンターのホームページをご覧ください。受講生全員に公開する方法として「一般求人」、採用を検討したい受講者を指名していただく方法としては「リクエスト求人」があり、それぞれの方法が案内されています。
ホームページを確認の上、積極的にご活用いただければと思います。
ハローワークで仲良くなるなら正職員ではなく非常勤職員
ハローワークの職員のうち、全体の約6割は非常勤職員(非正規職員)ですので、実際のハローワークの窓口では6~7割程度が非常勤職員なのではないかと思います。
私自身も「学卒ジョブサポーター」という大学や高校などの新卒者や既卒者に対して就職支援を行う専門家として勤務していましたが、1年ごとに契約を更新する非常勤職員という立場でした。当時の同僚の前職はといえば、大学等での就職支援担当や一般企業での人事労務担当、キャリアカウンセラー、中には元経営者の方もいらっしゃるなど、多士済々の人材が集まっていました。
正職員は、これら大勢の非常勤職員のマネジメントが主な仕事ともいえます。正職員は3年程度での異動が多いものの、非常勤職員は1年ごととはいえ、更新されれば同じハローワークで勤務し続けます。その多くは地元の方で、最前線である窓口で地域の企業や求職者と向き合い続けて、さまざまな情報を持っていることが多いものです。ハローワークもご多分に漏れず「お役所仕事」と揶揄されることがありますが、ひとりひとりの情報量やスキルは高い場合があります。
また「非常勤」という理由だけで軽視せず、良好な関係を構築していけば、求職者を積極的に紹介してもらえたり、地域の生きた情報を入手できたりするかもしれません。
この本の構成
はじめに
第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
第2章 初めてハローワークで求人を出す人のための基礎知識
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
第4章 欲しい人材を引き寄せるハローワーク求人票の書き方
第5章 ハローワーク採用の絶対法則
第6章 他社と圧倒的微差を作る13のポイント
おわりに
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