第8回
ハローワーク職員によるアナログな求人情報提供も侮れない(下)
2018.06.18更新
【この連載は…】未曽有の「売り手市場」時代に、お金をかけずに“欲しい人材”の獲得に成功している中小企業がある。誰もが見落としていた「新しい採用戦略」とは何か? 日本唯一の「ハローワーク求人専門社労士」が教える、0円で優秀な人材を採用するハローワーク徹底活用術!
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3.求人情報端末による情報提供
ハローワークから応募してきた求職者に、求人票を見つけた最初のきっかけを聞いてみると、「ハローワークの職員さんに紹介された」という事業所の話をいくつも聞いたことがあります。
「何かいい求人はありませんか?」
私がハローワークの窓口にいるときに求職者からよく聞かれた質問です。以前は自分でまったく何も求人検索をせずに、いきなり窓口で質問される方もいらっしゃいましたが、最近はスマートフォンやパソコンでお目当ての求人を検索し、求人番号を控えた上でハローワークに来所される方が多くなっています。そのような方でも、自分が見落としている優良な求人はないか? ハローワークの職員としておすすめの求人票はないか?といった視点で尋ねられるのです。
私は、ハローワークに勤務していたとき、そのようなご質問をいただいた場合に応えられるように、おすすめできそうな求人票を日々探していました。20代の若年者や学生の就労支援も行っていましたので、個別支援している方を思い浮かべながら、次回来所された際にご紹介できるような求人票も探していたものです。つまり、求人票というのは、求職者が見るだけではなく、その就職を支援しているハローワークの職員も見ている、という視点が必要になってくるのです。ハローワークの職員が見て理解できない、魅力を感じない求人票では積極的な紹介には結びつかないのです。
4.求人情報誌の作成・配布による情報提供
ハローワークの入口に目をやると、フルタイム/パート別、職種別、業種別など求職者向けに作成した求人情報誌(図2-8)が配布されています。リーマン・ショックのころには配布するとすぐになくなっていたものですが、最近はそんなこともありません。スマホ時代に紙の情報誌なんて時代遅れ、などと思われるかもしれません。確かにそれも一理ありますが、一定の需要はまだあります。
図2-8 ハローワーク品川の求人情報
出典:出典:ハローワーク品川にて配布されていた求人情報誌
例えば、
・求人情報誌の締日や発行日のサイクル、求人情報誌の上位に掲載されるのは新着順かどうかなどの仕組みがわかれば、いつ求人を出すのが効果的なのかわかります。
・求人情報誌に掲載される求人情報の項目がわかれば、どの項目の記載、表現方法に注力すれば効果的かがわかります。職種別の求人情報誌が作成されているのであれば、その求人情報誌では同じ職種の求人一覧となりますので、同じ職種の中で、他社との違い、魅力をどのように伝えることが良いかが見えてきます。
余談になりますが、先日、あるガン患者さんの就労支援をさせていただいた際に、スマートフォンやパソコンを使いこなせず、またハローワークの雰囲気にも馴染めないため、就職活動がままならないというご相談を受けました。そこで、この求人情報誌を紹介したところ、「ハローワークにはそんなサービスもあるんですね。助かります」と大変喜んでいらっしゃいました。意外なところで、求人情報誌の価値を教えていただきました。
この本の構成
はじめに
第1章 ハローワークだからこそ、欲しい人材は採用できる
第2章 初めてハローワークで求人を出す人のための基礎知識
第3章 無料でここまでできる!ハローワーク求人の仕組み
第4章 欲しい人材を引き寄せるハローワーク求人票の書き方
第5章 ハローワーク採用の絶対法則
第6章 他社と圧倒的微差を作る13のポイント
おわりに
【単行本好評発売中!】
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