第53回
148話~150話
2016.10.06更新
述而(じゅつじ)第七
148 古典、歴史に学ぶことで今に役立つものが出てくる
【現代語訳】
孔子先生は言われた。「私は昔から伝わる古典や歴史に学び、それを基本として述べているのであって、何もすべて自分で創作しているのではない。殷(いん)の時代に古典、歴史好きの老彭(ろうほう)(※)という賢人がいたというが、私もそのような人になりたいとひそかに願っているのだ」。
(※)老彭……いろいろな説があるが、殷王朝の賢大夫とするのが有力。
【読み下し文】
子(し)曰(いわ)く、述(の)べて作(つく)らず、信(しん)じて古(いにしえ)を好(この)む。ひそかに我(わ)が老彭(ろうほう)に比(ひ)す。
【原文】
子曰、述而不作、信而好古、竊比於我老彭、
149 学ぶことと教えることはあきない
【現代語訳】
孔子先生は言われた。「わかったことを口に出して人に言いふらすこともなく、学ぶことをいやに思うこともない。そして、人に合った教えをあきずに与え続けることができる。これくらいが私のとりえである」。
【読み下し文】
子(し)曰(いわ)く、黙(もく)してこれを識(しる)し、学(まな)びて厭(いと)わず、人を誨(おし)えて倦(う)まず。我(われ)に於(お)いて何(なに)かあらんや。
【原文】
子曰、默而識之、學而不厭、誨人不倦、何有於我哉、
150 いつも自分を省みる基準を持ちたい
【現代語訳】
孔子先生は言われた。「道徳が身につかなくなっていないか、勉強と学問がとどこおっているのではないか、正しいことを聞いても実践できないのではないか、よくないことと気づいているのに改められないのではないか、この四つのことをいつも自戒している」。
【読み下し文】
子(し)曰(いわ)く、徳(とく)の修(おさ)めざる、学(がく)の講(こう)ぜざる、義(ぎ)を聞(き)きて徙(うつ)る能(あた)わざる、不善(ふぜん)の改(あらた)むる能(あた)わざる、是(こ)れ吾(わ)が憂(うれ)えなり。
【原文】
子曰、徳之不脩也、學之不講也、聞義不能徙也、不善不能改也、是吾憂也、
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