第7回
16話~18話
2016.07.27更新
16 人の評価を気にせず励め
【現代語訳】
孔子先生は言われた。「人が自分のことを評価してくれないことを嘆いてもしかたない。いつかは必ずわかってくれる(評価してくれる)と信じて励むべきだ。それよりも、自分は正しく人を評価できるのかということをいつも心配し、人の長所を見い出すようにしていかなくてはいけない」。
【読み下し文】
子(し)曰(いわ)く、人(ひと)の己(おのれ)を知(し)らずを患(うれ)えず、人(ひと)を知(し)らるを患(うれ)うるなり。
【原文】
子曰、不患人之不己知、患巳不知人也、
為政(いせい)第二
17 組織のトップは徳がなければうまくいかない
【現代語訳】
孔子先生は言われた。「政治を行う者には徳がなければならない(上に立つ者は徳がないといけない)。それはたとえると北極星が動くことなく、その他の星がこれを中心に回っているようなものだ(トップに徳のある人がいるとうまく回る)」。
【読み下し文】
子(し)曰(いわ)く、政(せい)を為(な)すに徳(とく)を以(もっ)てすれば、譬(たと)えば北辰(ほくしん)の其(そ)の所(ところ)に居(お)りて、衆生(しゅうせい)の之(これ)に共(むか)うが如(ごと)し。
【原文】
子曰、爲政以徳、譬如北辰居其所、而衆星共之、
18 邪念がないのがよい(思(し)無邪(むじゃ)(※)であれ)
【現代語訳】
孔子先生は言われた。「詩経(しきょう)という古典詩は三百篇ほどあるが、それをひと言で表現すると、『思いに邪念がない』ということである」。
(※)思無邪……「思(おも)い邪(よこしま)無(な)し」。まっすぐにやるべきことをやり、余計なことを考えないこと。幕末の名君・島津斉彬もその信条の一つにしていた。
【読み下し文】
子(し)曰(いわ)く、詩(し)は三百(さんびゃく)、一言(いちげん)にして以(もっ)てこれを蔽(おお)えば、曰(いわ)く、思(おも)い邪(よこしま)無(な)し。
【原文】
子曰、詩三百、一言以蔽之、曰思無邪、
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