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論語 全文完全対照版 野中根太郎

第79回

221話~223話

2016.11.15更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

221 過去を悔むな。時は流れ、未来に続く


【現代語訳】

孔子先生が川のほとりに立ち、水の流れを見ながら言われた。「時が流れ続け、すべてのものが去ってゆくのは、この川の流れのようだ。昼も夜も休むことがない」。


【読み下し文】

子(し)、川(かわ)の上(ほとり)にありて曰(いわ)く、逝(ゆ)くものは斯(かく)の如(ごと)きかな、晝(ちゅう)夜(や)を舎(お)かず。


【原文】

子在川上曰、逝者如斯夫、不舍晝夜、


222 徳は色と同じように人にとって重要である


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「私はまだ色を好むことと同じくらいに、徳の修養が好きな人を見たことがないよ」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、吾(われ)は未(いま)だ徳(とく)を好(この)むこと、色(いろ)(※)を好(この)むが如(ごと)き者(もの)を見(み)ざるなり。


(※)色……美人。見ばえがいい。異性への強い関心。異性への興味。


【原文】

子曰、吾未見好徳如好色者也、


223 進むも、停滞するもすべて自分次第


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「人生におけるすべての物事は、たとえば山をつくるようなものだ。あと一杯の土でできあがるのに完成しないのは、すべて自分で止めているからだ。また、これは地ならしにもたとえられる。穴を埋めたのが一杯の土だけであっても、地ならしを進めることができたのは、自分でやったからに他ならない」。


【読み下し文】

子(し)曰(いわ)く、譬(たと)えば山(やま)を為(つく)るが如(ごと)し。未(いま)だ成(な)らざること一(いっ)簣(き)なるも、止(や)むは吾(わ)れ止(や)むなり。譬(たと)えば地(ち)を平(たい)らにするが如(ごと)し。一簣(いっき)を覆(かえ)すと雖(いえど)も、進(すす)むは吾(わ)れ往くなり。


【原文】

子曰、譬如爲山、未成一簣、止吾止也、譬如平地、雖覆一簣、進吾往也、

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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国人から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100-変わる力 変える力のつくり方』(共にアイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術─相手の心を動かす「義」の思考方法』『全文完全対照版 論語コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 孫子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 老子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 菜根譚コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』(以上、誠文堂新光社)などがある。

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