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第2回

頭がよくなりたいきみに

2019.06.06更新

読了時間

齋藤孝先生の最新刊は「頭のよさ」の本! 6月5日発売!「頭がいい」とは脳の「状態」なのです。頭のはたらきがいいときは、目の前の問題が簡単に解決できるし、未来を楽しく創り出していくことができる。すっきりと気分もいい。そんな状態のときをどんどん増やしていくにはどうしたらいいか?本書で詳しく解説します。
「目次」はこちら

 ぼくはふだん、先生になりたいという大学生を教えています。中学校や高校に行って、全校生徒を相手に講演することもあります。
「頭がよくなりたい」と言う中学生、高校生に、具体的にどうなりたいのかと聞くと、「成績をよくしたい」とか、「偏差値を上げたい」とか、とにかく「勉強ができるようになる」ことを挙げます。
 学生にとって、「勉強ができる、できない」は目の前の大問題ですからね、まあ気持ちはわかります。
 この本を手に取ったきみもそう思っているかもしれない。
 でも、本当にそうかな?

「勉強ができる」ことについて、ちょっと考えてみましょう。
 勉強ができる人、すなわち学力の高い人のなかには、脳みその髄から頭のよい人もいます。「勉強なんかとくにしなくても、授業を聴いていればわかる。教科書も、一回読めば頭に入っちゃう」みたいな人。
 そういう人がいるのは事実だけど、ものすごく少数です。そして、そういう人のようには、なろうとしてもなれるものではありません。

「勉強ができる」部類の大多数の人は、やらなくてもできるのではなくて、ちゃんと勉強しているんです。コツコツと努力を積み重ねられる人なんですね。
 テストでいい点が取れるということは、授業で習ったことを理解し、記憶して、それを再生できるということです。
 そのために、ふだんからまじめに予習・復習をするとか、テストが近くなったら集中して勉強するとか、「やる気を起こして、努力できるかどうか」という要素が大きいんです。
 みんな、自分の好きなことに対しては努力できるんです。がんばれちゃう。
 だけど、勉強に対してはなかなかその気になれないことが多いわけです。

 ぼく自身、そうでした。自分の好きなことは夢中になってできるけれど、勉強はきらい。
 ところがぼくは、中学受験を皮切りに、高校受験、大学受験、大学院受験と、人一倍たくさん「受験という修羅場」をくぐる人生を選んできてしまいました。人間ってわからないものだよね。
 どうしてそんなイバラの道を歩んだのか。
「目の前の壁を乗り越えなければ、その先の楽しいこと、やりたいことができない」
 と気づいたからです。
 その先の楽しみ、その先の自由を獲得したかったから、
「だったら、やるしかないか」と、肚をくくれたんです。
 いま、はっきり言えるのは、そうやって目の前の目標をクリアしてきたことで、もともとは備わっていなかった「努力する力」を磨くことができた、ということです。

 大事なのは、「なんのために?」という角度をもつこと。
「なんのために、勉強ができるようになりたいのか」
「なんのために、頭がよくなりたいのか」
 自分で考えるのです。
「モテたいから」でも、「お金持ちになりたいから」でもいいんです。
 その「なんのためにやるか?」という問いが、自分を突き動かす原動力になることが大切なんですよ。
 
「目次」はこちら

 

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著者

齋藤 孝

1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)などベストセラーも多数。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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