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第6回

身体能力も「頭のよさ」のひとつだ

2019.07.04更新

読了時間

齋藤孝先生の最新刊は「頭のよさ」の本! 6月5日発売!「頭がいい」とは脳の「状態」なのです。頭のはたらきがいいときは、目の前の問題が簡単に解決できるし、未来を楽しく創り出していくことができる。すっきりと気分もいい。そんな状態のときをどんどん増やしていくにはどうしたらいいか?本書で詳しく解説します。
「目次」はこちら

 一流のスポーツ選手の活躍している姿を見ていると、ぼくは「頭いいなあ」と感じます。
 なぜ、あんなすごいプレーや演技ができるのか。
 どうして身体を上手に動かせるかといえば、脳からの指令があるからです。
 言葉ではとても説明しきれないくらい複雑な動き、身体の使い方をマスターしていて、敏速に動かせている。その場その場で瞬時にやってのけている。
「身体の使い方がうまい人は、頭がいい」、これはぼくの持論です。
 スポーツだけではありません。ダンスがものすごくうまい人とか、超絶テクニックをもつミュージシャンの演奏などもそう。
 歌舞伎や狂言など、伝統芸能の世界で活躍している方たちも、とても頭がいい。
 身体を巧みに動かせるということは、頭と身体を迅速に連動させることができるということです。神経回路がものすごく磨かれている、そういう頭のはたらかせ方がうまい、ということなのです。

 最近は脳科学の研究が進み、「サッカー脳」とか「野球脳」とか、スポーツ選手のパフォーマンス能力と脳のはたらきが、科学的にとらえられるようになってきました。
 それとともに、一流選手になれる人は、頭のはたらかせ方がうまいという認識が広まってきています。
 勉強と部活をどちらもきちんとやるのは、もちろんいい。
 でも、部活に集中することも、頭のよさを磨くことになるんです。
 どうやったらもっと速く走れるか。いいパスをまわせるか。チャンスボールをものにできるか。身体を高速回転させられるか……。
 うまくなっていく人は、「自分はいま、何をすればいいか」を考えてやっています。
 筋トレも、何も考えずにボーッと身体を動かし、汗を流していたのではダメで、「いま、なんのために、どこの筋肉をきたえている」という意識をもつことが大事だといわれています。

 ぼくはスポーツや芸能などの各界で活躍している人にインタビューをしたり、対談をしたりする機会があります。オリンピックで金メダルをとった、ハンマー投げの室伏広治さんや柔道の野村忠広さんともお話しさせてもらいました。トップレベルの方たちと話していると、頭が整理されて澄んでいる感じが伝わってきます。
 つねに「なんのために何が必要なのか」を考えていて、自分がいまなすべきこともしっかりわかっている。いまの自分にとって最善のことを見つけ、課題にどう立ち向かっていったらいいかをわかっているなあ、と感じます。
 物事が上達していくには「センス」と「習熟」が必要です。
 一流選手はセンスもあったでしょうが、習熟の力もハンパなくすごいのです。
 頭のよさは磨かれていくものだということを示してくれるお手本です。
 
「目次」はこちら

 

【単行本好評発売中!】

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著者

齋藤 孝

1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)などベストセラーも多数。著書発行部数は1000万部を超える。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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