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第2回

給料が安いから、お金が貯まらない!

2019.11.27更新

読了時間

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「『お金が貯まらない』と、ぼやく人には、ある一定の共通点があるんだ。その原因を『何かのせい』にしている点だ」

 


「確かに『自分が悪い』とは思わないかもしれません」


「そうなんだ。そうすると、気が楽になるんじゃないかな」


「はい。『だったら仕方がない』という気持ちになります」


「その結果、どうなるのかといえば、事態が解決するまで『お金を貯めること』を先送りして生きるようになる。では、お金が貯まらないことを、彼らは何が原因だと考えていると思う?」


「『給料が安いから』でしょうか?」


「そう。『会社のせい』というわけだね」


「でも、実際に日本の平均年収は下がっていますよね。国の調査では、1996年は461万円だったのが、2016年は422万円と、この20年で40万円近くダウンしています。貯蓄がしにくい環境であることは間違いないと、僕は思います」


「それこそが『何かのせい』なんだ。そういう人は、『日本の景気がよくなれば』『給料が上がれば』といった具合に、『何か』が好転すれば、『いつかはお金が貯まる』と思っているんだけど、それは大きな間違い。『何かのせい』にしている以上、その『いつか』は永遠に訪れないんだ」

 
 
 

「貯蓄がない人の中には『今さえ楽しければ、それでいい』と考えているケースもあるんだ」

「貯蓄がない人の中には『今さえ楽しければ、それでいい』と考えているケースもあるんだ」

「『給料が安いから!』という人は、貯めたい気持ちはあるので、まだ救いはある。でも『今さえ楽しければ』という人は、貯める意思がないわけだから、お金を貯めなさいと言われても、聞く耳を持たず『そんなこと言われる筋合いはない』と逆ギレする人もいるんだ」

「マジですか」

「なぜ、彼らの気持ちがわかるのかといえば、僕の若いときがまさにこの状況―いや、もっとひどい状況だったからなんだ。20歳の頃、僕は憧れていた塾講師になり、月給は50万円。好きな仕事に就けて、さらに給料がよかったからすっかり有頂天で、仕事が終わると、同僚や後輩を引き連れて、飲み屋を数軒ハシゴし、休日はギャンブル三昧の日々を送っていたんだ。これだけ湯水のように浪費すれば、50万円なんて、あっという間になくなるよね」

「将来に対する不安はなかったのですか?」

「ない! 今が楽しいし、毎月お金は入ってくるからね」

「不安の要素なんてないわけか……」

「そうなんだよ。しかし、ここで覚悟してほしいのは、『今さえ楽しければ』の思考パターンで生活していると、必ずしっぺ返しがくるということ。僕の場合は、借金500万円という現実が待ち受けていたんだけど、それは決して珍しいことではなく、誰にでも起こり得ることなんだよ」

 

 
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著者

田口 智隆

株式会社ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役。28歳のときに自己破産寸前まで膨らんだ借金を徹底した節約と資産運用によりわずか2年で完済。その後は「収入の複線化」「コア・サテライト投資」で資産を拡大。34歳のときにお金に不自由しない状態「お金のストレスフリー」を実現し、2007年に株式会社ファイナンシャルインディペンデンスを設立する。「金融機関の代理人ではなく、お客様の代理人」を基本理念に特定の金融機関に属さないからこそできる、公正で中立な「お金」の「セカンドオピニオンサービス」を行う。保険料の削減、積立投資による資産運用、収入の複線化など「お金」にまつわるお悩み相談・マネーカウンセリング受診者は現在までに1000人を超える。2009年には、実体験に基づくノウハウをまとめた処女作『28歳貯金ゼロから考えるお金のこと』を出版、5万部を超えるベストセラーとなり一躍注目を集め、その年から日本各地でスタートした「学校では教えてくれないお金の授業」の講演回数はこれまでに1000回以上となり、受講者は述べ50000人を超える。

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