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第3回

あなたの会社に、同じ給料で貯まっている人がいる

2019.12.04更新

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「お金が貯まらない原因を『給料が安いから』と考えている人は、その多くが、年齢が上がり、給与が上がれば、自然と貯蓄ができるようになると考えているものなんだ」


「今よりも給料がアップすれば、お金に余裕が生まれるので、その分、貯蓄にまわせそうな気がします」


「うん。僕もそう思います」


「そうだね。実際、年齢とともに、給料が上がっている人は多い」

「同じ会社の5年先輩の人と話していたら、給料が5万円近く違っていて、驚いたことがあります」

「実際、国税庁の『民間給与実態統計調査』(2018年)によると、20代の平均年収は約312万円。これが30代になると約425万円と、100万円以上も上がっている」

「40代で約482万円!」

「50代になると500万円を超えている」


「へー。20代と比べて、200万円近く上がっていることになりますね」

「こうした数字を実際に目にすると、確かに、収入が増えたら、貯蓄ができるように思える。でも『何かのせい』にしている以上、お金が貯まることは、まずないといえるんだ」

「それはなぜなんですか?」

「食べれば太るのと同じように、収入が増えれば、それに比例して支出も同じように増えていくものだからなんだ。月収20万円の人にとっては、月収30万円の人がお金の貯まらないのは不思議に思うものだよね」


「はい、10万円もアップしたのですから……」

20代の平均年収は約312万円。一方、50代になると500万円を超える。一見すると、年齢が上がれば、貯蓄できそうだが……。

年収が増えたら、その分、支出も増加

「ところが実際に月収30万円になってみると、その分、支出が増えていき、全然貯まっていかないものなんだ。そして『月収80万円だったら貯まるのに』と思う。月収100万円になっても、次は『月収120万円だったら……』となりがちなんだ」

「ほんとに貯められないんですか?」


「金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査』(2018年)では、20代貯蓄なしの割合は『年収300万円未満』で約49%だけど、『年収300〜500万円未満』でも約30%もいる」

「え!? そうなんですか! 年収が上がっても貯蓄できていない人が多いんですね……」

「さらにいうと、30代貯蓄なしの割合は『年収300〜500万円未満』で約25%もいる」

「50代で『年収500〜750万円未満』でも、約15%が貯蓄なしかぁ……」

「50代といえば、ある程度稼いでいれば、相当の貯蓄をしていると思い込んでいたんじゃないかな」

「軽く1000万円くらいは貯めていると思っていました」

「『給料が高い=貯蓄できる』という図式は、成り立たないということなんだ」

「まずは、その事実を理解することが大事そうですね」

「そうなんだ。『給料のせい』にして日々を過ごしていると、いざ給料が上がったとしても、いつまでたってもお金が貯まらないってことを、まずは肝に銘じよう」

 

日本には、貯蓄ゼロの世帯が多い。彼らの多くは、年収が上がっても貯蓄できていない。50代で「年収500~700万円未満」でも、約15%が貯蓄ゼロだ。

 


「職場の同僚と話していても『お金を貯めてる』という人に出会ったことがないんだよなあ。だからこそ『会社のせい』って思っちゃうんですよね」

「それはある意味当然のことなんだ。日本人の多くは『お金を貯める人=なんか悪いイメージ』と思っているからね。僕自身、20代前半で月収50万円を稼いでいた頃、まわりからは『まともな仕事してないんじゃないの?』って、よくされていたからね」

「だから、お金の話題を避けるワケか……。ということは、じつは貯蓄をしている同僚はいるってこと?」

「調査によると、20代の『年収300万円未満』のうち、100〜200万円未満の金融資産を所有している割合は、8・7%いるんだ。さらに『年収300〜500万円未満』となると、200〜1000万円未満の金融資産を所有している割合は25・3%となっている」

「けっこういるものなんですね! 会社の同僚のなかで、マンションの頭金などをせっせと貯めている人は、確実にいるということですか……」

「『給料が安い』とグチを言っている同僚の一人や二人は、ちゃんと貯蓄していると思うよ」

「自分が情けなくなります」

「僕がいつも感じるのは、月収20万円で少ないながらも貯蓄をしている人と、月収100万円で貯蓄ゼロの人とでは、前者の人のほうが、幸せそうに暮らしているということ。後者の人は『100万円の収入がなくなったらどうしよう』という不安でいっぱいなんだよ」




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著者

田口 智隆

株式会社ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役。28歳のときに自己破産寸前まで膨らんだ借金を徹底した節約と資産運用によりわずか2年で完済。その後は「収入の複線化」「コア・サテライト投資」で資産を拡大。34歳のときにお金に不自由しない状態「お金のストレスフリー」を実現し、2007年に株式会社ファイナンシャルインディペンデンスを設立する。「金融機関の代理人ではなく、お客様の代理人」を基本理念に特定の金融機関に属さないからこそできる、公正で中立な「お金」の「セカンドオピニオンサービス」を行う。保険料の削減、積立投資による資産運用、収入の複線化など「お金」にまつわるお悩み相談・マネーカウンセリング受診者は現在までに1000人を超える。2009年には、実体験に基づくノウハウをまとめた処女作『28歳貯金ゼロから考えるお金のこと』を出版、5万部を超えるベストセラーとなり一躍注目を集め、その年から日本各地でスタートした「学校では教えてくれないお金の授業」の講演回数はこれまでに1000回以上となり、受講者は述べ50000人を超える。

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