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論語 全文完全対照版 野中根太郎

第118回

317話

2017.01.16更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

317 一言でも意味の深い言葉がある


【現代語訳】

魯の定公がたずねた。「ただ一言(ひとこと)で国を盛んにし、勢いを増させる言葉はあるだろうか」。

孔子先生は答えられた。「言葉とはそうしたものではないのですが、それに近いものはあります。世間で言われている言葉の中に、『君主であることは難しく、臣下であることも容易ではない』とあります。もし、君主がよき君主であることの難しさを本当にわかるというのであれば、この言葉は一言にして国を盛んにし、勢いを増させる言葉に近いのではないでしょうか」。

定公はまたたずねた。「一言で国を滅ぼしてしまうような言葉はあるだろうか」。

先生は答えられた。「言葉とはそうしたものではないのですが、それに近いものはあります。世間で言われている言葉の中に、『君主であることは楽しいことではない。ただ何を言っても誰も逆らわないのはいい』というのがあります。もし、善いことを言ってそれに逆らわないというのであれば結構なことですが、善くないことを言っても逆らわないというのであれば、この言葉は一言で国を滅ぼしてしまうのに近い言葉ではないでしょうか」。


【読み下し文】

定公(ていこう)問(と)う。一言(いちげん)にして以(もっ)て邦(くに)を興(おこ)すべきは諸(こ)れ有(あ)るか。孔子(こうし)対(こた)えて曰(いわ)く、言(げん)は以(もっ)て是(かく)の若(ごと)くなるべからざるも、其(そ)れ幾(ちか)きなり。人(ひと)の言(げん)に曰(いわ)く、君(きみ)たるは難(かた)く、臣(しん)たるは易(やす)からず、と。如(も)し君(きみ)たるの難(かた)きを知(し)らば、一言(いちげん)にして邦(くに)を興(おこ)すに幾(ちか)からずや。曰(いわ)く、一言(いちげん)にして邦(くに)を喪(ほろ)ぼすべきもの、諸(こ)れ有(あ)りや。孔子(こうし)対(こた)えて曰(いわ)く、言(げん)は以(もっ)て是(かく)の若(ごと)くなるべからざるも、其(そ)れ幾(ちか)きなり。人(ひと)の言(げん)に曰(いわ)く、予(われ)君(きみ)たるを楽(たの)しむこと無(な)し。唯(た)だ其(そ)れ言(い)いて、予(われ)に違(たが)う莫(な)きなり。如(も)し其(そ)れ善(よ)くして之(これ)に違(たが)う莫(な)くんば、亦(ま)た善(よ)からずや。如(も)し善(よ)からずして、之(これ)に違(たが)う莫(な)くんば、一言(いちげん)にして邦(くに)を喪(ほろ)ぼすに幾(ちか)からずや。


【原文】

定公問、一言而可以興邦有諸、孔子對曰、言不可以若是、其幾也、人之言曰、爲君難、爲臣不易、如知爲君之難也、不幾乎一言而興邦乎、曰、一言而可以喪邦有諸、孔子對曰、言不可以若是、其幾也、人之言曰、予無樂乎爲君、唯其言而莫予違也、如其善而莫之違也、不亦善乎、如不善而莫之違也、不幾乎一言而喪邦乎、


*317話は長文のため、今回は1話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国人から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100-変わる力 変える力のつくり方』(共にアイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術-相手の心を動かす「義」の思考方法』『全文完全対照版 論語コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 孫子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』(共に誠文堂新光社)などがある。

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