第176回
453話
2017.04.07更新
【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。
453 会うべきでない時もある
【現代語訳】
孺悲(じゅひ)(※)が孔子先生に面会を求めてきた。先生は病気であることを理由にそれを断った。取り次ぎの者が孺悲を送って戸外に出た。すると先生は、瑟しつを取り出して演奏しながら歌って、本当は仮病で会わないことをわからせた(なぜ会わないのかを反省することを促した)。
(※)孺悲……魯の人。かつて哀公(あいこう)の命を受けて士の喪礼を孔子に学んだことがあるという。なぜ孔子が会わなかったのかについては、罪を孔子に得たためだろうという説、紹介によらずに(正式なアポイントもとらずに)訪ねてきたからだ、など諸説あるが、よくわかっていない。ただ、会わないことをわからせて、そのわけを反省させようという孔子の意思があったことでは皆一致している。
【読み下し文】
孺悲(じゅひ)、孔子(こうし)に見(まみ)えんと欲(ほっ)す。孔子(こうし)、辞(じ)するに疾(やまい)を以(もっ)てす。命(めい)を将(おこな)う者(もの)、戸(と)を出いづ。瑟(しつ)を取(と)りて歌(うた)い、之(これ)をして之(これ)を聞(き)かしむ。
【原文】
孺悲欲見孔子、孔子辭以疾、將命者出戶、取瑟而歌、使之聞之、
*453話が長文のため、今回は1話のみの掲載となります。
【単行本好評発売中!】この連載が本になりました。全国書店もしくはネット書店にてご購入ください。
この本を購入する
感想を書く