第4回
このままではあなたの老後、破綻するかも!
2019.12.11更新
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「『今が楽しければ、それでいい』と、浪費をしまくる人は、裏を返せば、それだけ自由に使えるお金を持っているということ。ただそれは『今だけのこと』なんだ」
「20〜30代だからできるということですか?」
「そのとおり。例えば、結婚して子供ができたら、その教育費用はいくらかかると思う? 文部科学省の『子供の学習費調査』(2016年)によると、幼稚園から高校まで、すべて公立の場合で、約525万円かかるんだ。高校のみ私立で、約702万円だ」
「そんなにかかるんですか! 大学に行ったら、もっとかかるってことか。うわ! 国立大学で約242万円、私立大学で371万円もかかるんですね」
「教育費は、デフレの日本の中にあって、珍しく逆行して、値上がりをしているものの一つなんだ。さらに家を買えば、住宅ローンも発生する。つまり結婚すると、自由に使えるお金なんて、なくなるんだよ。例えば、40代になれば、お金は出ていくだけで、貯めることはほぼできない」
「ということは、貯め始めるのは、今がまさにチャンスということなんですね」
「そうなんだ。『今が楽しければ、それでいい』というのも理解はできる。でも、今からお金を貯め始めれば、ゆとりのある生活を送ることができるんだ」
「老後、どのくらいのお金を使うのか、想像できるかな?」
「若い頃よりは、使わないのではないでしょうか?」
「それは幻想なんだ。総務省の『家計調査』(2015年)によると、世帯主が70歳以上(2人以上の世帯)の家計の支出は、約24万円となっている。ただし、この調査では、持ち家率が93%のため、住宅費は相当低くなっていて、これに住宅費が加われば、家賃6万円で、30万円だ」
「ほんとだ! 年をとっても、食べる量が極端に落ちるわけでもないだろうしなぁ」
「実際、自分の祖父母に聞いてみるといい。毎月、それなりの出費があることがわかると思うよ」
「でも、退職金や年金があるじゃないですか」
「ここ10年で、退職金は500万円も減っていることをご存じかな」
「『就労条件総合調査』(厚生労働省)によると、大卒の管理・事務・技術職で、2003年で2499万円だったのが、18年は1983万円ですか! 『退職金ゼロ』の企業も、03年が13・3%だったのが、18年は19・5%に増えています!」
「年金だって、今の親世代よりも下がることは間違いない。そう考えると、老後に向けて、一切貯蓄がないとどうなるだろう? 老後貧乏になって、日々の食事も満足に食べられない可能性も否定できないんだ。そうなることを想像してみて、それでも『今がよければいい』ならば、それは自分で選んだ生き方だから、そのとおり生きればよいと、僕は思う」
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