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胎内記憶でわかった こどももママも幸せになる子育て 産婦人科医 池川明

第17回

神さまからのメッセージが、生活の指針になっている

2017.11.16更新

読了時間

人間の神秘「胎内記憶」から子育てを考える。胎内記憶研究の第一人者の医師がたどり着いた境地とは? 親の論理ではなく「子どもの本音」に耳を傾けた、子どもの「才能=生きる力」を強くする胎教法と育児法を紹介。
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「"神さまはどう言って?"困ったときは思い出してみる」

 大仏さまみたい、という子どももいますが、いずれにしても、子どもたちにとって雲の上で彼らの面倒を見てくれていた神さまの存在は大きいようです。ほかにも、おじいさんだったり大きな人だったり、それぞれ子どもによって表現方法は違います。

 保育園へ通っている男の子ですが、お父さんとお風呂へ入っているときに、突然、「お父さんの神さまはどう言っているの?」と質問してきたそうです。

 お父さんには意味がわかりません。

 じつは昼間、こんなことがありました。

 その子は保育園で、友だちを叩いて泣かせてしまいました。それまでにも何度もあったのです。お母さんは妊娠中で、体もつらい。「なんでそんなことをするの!」と怒鳴りつけたいのだけれども、胎内記憶のことを知っていたので、そこはぐっと我慢して、どうやってアプローチすればいいか、私に相談しました。

 私はお母さんに、「なぜ、そんなことをしたの?」と聞いてくださいとお願いしました。そして話を聞いたあとで、「あなたの神さまは何て言っているの?」と、質問してくださいとお願いしました。

 お母さんが何があったのか尋ねたところ、男の子は少ししてから話を始めました。相手の子が、自分に対して嫌なことを言ってきたので、言い返した。そうしたら、また嫌なことを言ってきた。だから叩いたんだ。そうしたら先生も相手のお母さんも同じように嫌なことを言うから僕は叩いてもいいんだ、と言いました。その後で、

「あなたの神さまは何て言っているの?」

 と聞いたところ、男の子ははっとした顔をしました。その瞬間、彼はとても素直になったのです。

 これ以上、お母さんは言う必要はありません。この子は、どうすればいいのか、神さまからのメッセージをきちんと受け取っています。していいこと、してはいけないこと、失敗したらどうすればいいか、すべて、神さまから聞いてきています。この世での生活の中で、忘れてしまったことがあっても、3歳4歳だと、すぐに思い出すことができます。神さまというのは、それだけ身近な存在なのです。だから、お風呂に入ったときに、お父さんにも聞いてみたのだろうと思います。

 この子が翌日どうしたかは聞いていませんが、きっと、神さまから言われたようにして、すべてはうまくいったことと思います。そして、それが彼の体験となって、また何かあったときにきちんと対処できる知恵となるのです。

 親がいくら怖い顔をして叱っても、その子の中には恐怖しか残りません。しばらくは大人しくしているかもしれませんが、また同じことが起こってくる可能性はとても高いと思います。

 お母さんが理解できないことを子どもがしたときには、神さまのことを思い出してください。私の知る限り、「神さま」という名前で通じるみたいです。特定の神さまではなく、宗教も関係なく、漠然とした神さまでいいのです。いつも心の中の神さまと会話するとよいでしょう。

 ただし、お母さんも、口先だけで神さまと言うのではなく、この子を自分のもとに授けてくださった神さまを心から尊重し、感謝の気持ちをもっていないと、それは神さまにも子どもにも失礼なことです。

 神さまに対して感謝の気持ちをもてるようになると、お母さんも神さまを感じられるようになって、いろいろなありがたいメッセージをいただくこともあるかと思います。

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著者

池川 明

1954年東京生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年に池川クリニックを開設。胎内記憶・誕生記憶について研究を進める産婦人科医としてマスコミ等に取り上げられることが多く、講演などでも活躍中。母と子の立場に立った医療を目指している。著書に『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』『ママのおなかをえらんできたよ。』(以上、二見書房)『笑うお産』(KADOKAWA)など多数。

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