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胎内記憶でわかった こどももママも幸せになる子育て 産婦人科医 池川明

第18回

自分の人生プログラムをまっとうする幸せ

2017.11.20更新

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人間の神秘「胎内記憶」から子育てを考える。胎内記憶研究の第一人者の医師がたどり着いた境地とは? 親の論理ではなく「子どもの本音」に耳を傾けた、子どもの「才能=生きる力」を強くする胎教法と育児法を紹介。
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 雲の上にいるたましいたちは、さまざまな形で地上の情報を得て、そこから、だれをお母さんにするかを決めています。中には、どうすればいいか、決められないたましいもあるようです。そんなときには、神さまがアドバイスをしてくれます。神さまは、どういう基準でお母さんを決めるのでしょうか。

 よく「願いはかなう」と言いますが、何かを願うというのはエネルギーですから、そのエネルギーが願ったものを引きつけてくるということはあります。科学的にも、願ったり祈ったりすることが、現実に影響を与えることを確認している人もいます。単なる迷信ではないということです。ただし、あまり自分勝手なこととか人を傷つけるような願い事だと、願いがかなわなかったり、自分が思ってなかったような形で願いが現実化したりします。

 赤ちゃんが死産だったので嘆き悲しんでいるお母さんがいました。それを見ていたおばあちゃんは、何とか元気になってほしいと、「娘に元気な赤ちゃんを授けてください」と、いつも祈っていました。そうしたら、元気な女の子が生まれました。その女の子が4歳になったときに言ったことです。

「天国で見ていたよ。おばあちゃんが毎日『子どもを授けてください』って拝んでいたの。そうしたら、大きな神さまが『おまえ、行ってこい』って言ったの。だから、お母さんのお腹に入ったよ」

 おばあちゃんの祈りが、神さまに届いたのです。そして、神さまは、このお母さんにはこの子がふさわしいだろうということで、「あそこに赤ちゃんをほしがっている人がいるけど、どう?」とあっせんしてくれたのでしょう。

 でも、だれでも祈れば赤ちゃんが授かるということではありません。

 赤ちゃんは、自分自身の人生プログラムを組んで生まれてきます。お母さんもそれは同じです。生まれたときには、きちんとプログラムをもってきました。子どもをもたずに生きるというプログラムをもってきた女性もたくさんいます。

 子どもを産んで育てるというのは、莫大なエネルギーが必要です。そちらにエネルギーを使わず、自分は仕事に生きるんだと決めてきていたりします。そういうプログラムをもって生きている人が、いくら「赤ちゃんがほしい」と願っても、神さまとしては、余程のことがない限り、その願いをかなえることはできません。

 子どもは、お母さんを幸せにしたいと思って生まれてきます。しかし、彼らの思っている幸せはとても奥深いもので、テレビドラマに出てくるような絵に描いたような幸せばかりではないのです。ときには厳しい幸せのかたちもあります。お母さんのたましいが成長することを、彼らは望んでいます。同時に、自分のたましいも成長しないといけません。彼らはそんな関係を作りたくて、お母さんを選ぶのです。

 子どもがなくても成長できるという人もたくさんいて、そういう人は、子育てではないことにがんばればいいのです。そのほうが、その人自身がより輝く道でもあります。

 でも、願うことはいいことだと思います。自分は赤ちゃんが欲しいんだという気持ちを、神さまに伝えてください。その上で、願いがかなわなければ、自分には違う道があると頭を切り替えて、プログラムに沿った道を歩けるように動けばいいのではないでしょうか。

「赤ちゃんさえ生まれれば幸せになれる」というのは幻想です。お母さんも赤ちゃんも、両方が必要とするからこそ、そのお母さんのところに赤ちゃんはやってくるのです。

 もし、「赤ちゃんを授けてください」と祈って、その願いがかなったお母さんなら、それはたまたまではないということを知ってもらいたいと思います。お母さんに必要だから、そして心から願ったから、その思いが神さまに通じて、その子はやってきたのでしょう。どうぞ、神さまに対する感謝を忘れないでください。子どもに対しても、「願いをかなえてくれてありがとう」という気持ちを伝えてあげてください。そして何より、子どもに来てもいいよと許可した自分に誇りをもってください。

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著者

池川 明

1954年東京生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年に池川クリニックを開設。胎内記憶・誕生記憶について研究を進める産婦人科医としてマスコミ等に取り上げられることが多く、講演などでも活躍中。母と子の立場に立った医療を目指している。著書に『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』『ママのおなかをえらんできたよ。』(以上、二見書房)『笑うお産』(KADOKAWA)など多数。

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