第20回
親と子、どちらかの一方的な願いで子どもが生まれるわけではない
2017.11.27更新
人間の神秘「胎内記憶」から子育てを考える。胎内記憶研究の第一人者の医師がたどり着いた境地とは? 親の論理ではなく「子どもの本音」に耳を傾けた、子どもの「才能=生きる力」を強くする胎教法と育児法を紹介。
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赤ちゃんは、生まれるずっと前から、この世に生まれたら何をするか、しっかりとしたプログラムを組んできています。そのプログラムを実現させるためには、どんな親がいいかも考えて、お母さん選びをします。
これまでの著書や講演会でよく例に出してお話ししているのが、
「女優さんになりたかったからママを選んだの。お空からたくさんの階段がいろいろなお母さんにつながっていたけど、ママが一番きれいだったから、ママなら女優さんにしてくれると思ったの」
というお腹に入る前の記憶です。お母さんを選んだという話で私が最初に聞いたエピソードです。これも、お母さんへのプレゼントのひとつではないでしょうか。彼女が女優になるためにサポートすることが、お母さんの大きな喜びになることでしょう。彼女は、自分のプログラムに従って、オーディションに合格し、女優への第一歩を踏み出し、実際に自分の希望したテレビに出ていました。
お腹に宿る前のたましいといわれる存在の子どもたちは、自分のやりたいことを成し遂げられるようなお母さんを選びます。神奈川県藤沢市で幼児教室を経営している土橋(つちはし)優子さんは、彼女自身、胎内記憶をもっていることもあって、そのことをよくわかっています。彼女の体験はとてもおもしろいので、簡単に紹介しておきます。
彼女は、自分が母親となってどんな経験をしたいかを自分に問いかけました。そして、3人の子どもが欲しくて、3人からそれぞれ違う体験をさせてもらいたいという答えを得ました。長女が生まれるずっと前のことです。
土橋さんは、夜空に向かって、こんな体験をさせてくれる赤ちゃんがいたら来てくださいと願いました。赤ちゃんたちは空の上でそれを聞くわけです。1人の赤ちゃんが、私が行くと名乗りを上げました。このお母さんのしたい体験をさせてあげられると思ったからです。もちろん、赤ちゃんとしても、自分がやりたい体験が、そのお母さんを通してできると感じるから手を挙げたのです。一方的に赤ちゃんがお母さんを助けるということではありません。
これまでお話ししてきたように、決して一方通行の話ではなくて、お母さんを喜ばせることが自分の喜びでもあり成長につながるからこそ、赤ちゃんは、そのお母さんを選んできているのです。
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