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第22回

尿もれ解消

2019.01.25更新

読了時間

【 この連載は… 】 テレビ、雑誌などでお馴染みの「姿勢」の第一人者が、疲れない体をつくる知識とメソッドを徹底紹介。医学的理論に基づいた「全身のつながり」を意識した姿勢改善エクササイズで、腰痛や肩こり、慢性疲労などの不調を劇的に改善します。
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 骨盤底筋群(図1)は、骨盤の底に広がる薄い筋肉の集まりで、膀胱や子宮、直腸などを支えます。出産・肥満・便秘・加齢・更年期のホルモンバランスの乱れにより、女性の骨盤底筋は弱ります。骨盤底筋群が緩むと膀胱や子宮が下がり、尿道を締めにくくなるため尿もれも生じてきます。
 男性と違い、女性の尿道が直線的なことも尿もれの原因になります。若い女性でも、大笑いしたときや、くしゃみをしたときに尿もれが起きたりもします。高年齢になるほど尿もれも増えますが、若いときからエクササイズの方法を身につけておくことも大切です。

図1.骨盤底筋群(括約筋と尿生殖隔膜を取り除いている)

 骨盤底筋群エクササイズは、腹部よりも肛門・膣・尿道をキュッとしめて、骨盤底筋を強くする体操です。肛門の括約筋と尿道の括約筋は連動しているので、体操を続けることで括約筋機能を高めることになり、尿もれ防止にも役立ちます。
 性別に関係なく尿もれ防止が期待できるので、ストレスや出産による女性の尿もれや前立腺癌手術後の男性の尿もれ、加齢による中高年世代の尿もれ予防などに効果的です。
 骨盤底筋群の引き上げと引き下げが自在にできるようになることが大切です。力を抜いて、肛門・膣・尿道をしめて(尿を途中で止めるようなイメージ)から、息を吸いながら骨盤底を胃の方に吸い上げるように持ち上げます。持ち上げたままで10秒くらい止めたら、次に肛門・膣・尿道を20秒ほどゆるめます。ゆるめるときは、トイレで排尿するときを想像してもらうと、とてもうまくいきます。うまくいきすぎて、漏れてしまう場合もあるので、気をつけてください。
 まずは、背臥位の立て膝で手を膣または肛門に当て、内臓方向に引き込むようにします(図2)。次に骨盤も持ち上げることで、お尻の大殿筋にも力を入れます(図3)。さらに、肘をついた四つ這いでも内臓方向に引き込みます(図4)。そして、椅子坐位(図5)、立位(図6)へと進めていきます。

図2.背臥位で両立て膝

図3.

図4.

図5.

図6.

 この「しめる→ゆるめる」を、朝・夕の10~15分間に、20~60回ずつ繰り返してください。さらに、テンポを変えて、肛門や膣を素早く締めたりゆるめたりするのも効果的です。
 さらに、立位にてタオルをつぶすエクササイズも加えます。
 まず軽く膝を曲げて立ち、丸めたバスタオルを膝上で挟みます(図7)。そこから、膝を伸ばしながらタオルの後ろ側をつぶして5秒止めます(図8)。
 このとき骨盤底筋群と大殿筋、さらにはお腹の筋肉も協調して働きます。タオルをつぶすときは、肛門・膣を内臓方向に引き込むように意識します。これを10回×3セット行いましょう。

図7.

図8.

 日常生活場面でも、これらの体操を積極的に行うことが大切です。
 たとえば、職場や電車の椅子に座っているときにも、「椅子に座っての体操」を行いましょう。
 電車を待っているときや料理をしているときにも、しめる動きに合わせてつま先立ちすると、しめやすくなります。
 湯船につかっているときには、会陰腱中心を触りながら、キュッと持ち上げる体操を行います。
 咳やくしゃみが出そうなときや、重い物を持ち上げるときなど、意識して骨盤底筋群をしめるようにするのも大切です。

 他にもエクササイズの方法はいくつかありますが、とりあえず、これらを続けてください。続けることで、尿もれは改善していきます。
 次回は、エクササイズによって下半身を柔らかくする方法を紹介しましょう。

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著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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