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第28回

扁平足と外反母趾を治そう

2019.09.03更新

読了時間

【 この連載は… 】 テレビ、雑誌などでお馴染みの「姿勢」の第一人者が、疲れない体をつくる知識とメソッドを徹底紹介。医学的理論に基づいた「全身のつながり」を意識した姿勢改善エクササイズで、腰痛や肩こり、慢性疲労などの不調を劇的に改善します。
「目次」はこちら


 扁平足は、外反膝(X脚)の方によく見られます。

右足後ろの図                左足後ろの図


 この場合は、左の骨盤が高く、股関節の横の筋(中殿筋)が伸びて弱くなり、腰の横の筋(腰方形筋)は短くなっています。高くなった骨盤で足を付こうとするので、膝は外側に広がり、いわゆる内反膝(O脚)になります、足の内側の筋が短くなり、働きやすくなります。足は甲高になり、足の外側で体重を支えます。
 一方、右の骨盤は低く、股関節の横の筋(中殿筋)が短くなり、腰の横の筋(腰方形筋)は長く弱くなっています。低くなった骨盤で足を付こうとするので、膝は内側に閉じ、いわゆる外反膝(X脚)になります。足の外側の筋が短くなり、働きやすくなります。足はアーチが低くなり、いわゆる扁平足になり、外反母趾も併発します。
 これを解消するために、前回説明した体操は有効です。

 骨盤が高い側の腰⽅形筋を、座位でリリース。(→第27回参照)

 


 横向きで寝て、弱くなった中殿筋を鍛える。(→第27回参照)

 


 さらに、立位での運動連鎖エクササイズを二つ実施する。
 運動連鎖エクササイズ1では、まずは⽴位にて、左⽚⾜⽴ちをとります。そこから、左⾜部を回内するのに連鎖して左膝を内側に移動させ、さらに左股関節を外転させながら右⾻盤を挙上させます。この肢位で最低5秒間は⽌めてください。10回から開始し、徐々に回数を増やしてください。5秒間保持の間に、息は⽌めないようにしてください。

 

 


 運動連鎖エクササイズ2では、まずは⽴位にて、左⽚⾜⽴ちをとります。そこから、左⾜部を回内するのに連鎖して左膝を内側に移動させ、さらに左股関節を外転させながら右⾻盤を挙上させます。この肢位で最低5秒間は⽌めてください。10回から開始し、徐々に回数を増やしてください。5秒間保持の間に、息は⽌めないようにしてください。

 


 その上で、扁平足と外反母趾を治していきます。

■外反母趾

 


 外反母趾では、母趾内転筋が硬くなり、母趾を外側(小趾側)に引っ張ります。内側種子骨と外側種子骨は母趾の内側と外側にあるのが普通なのですが、母趾外転筋が内側種子骨とともに外側に移動するため、位置が変わってしまいます。そして、母趾外転筋が内転作用をもつようになります。また、長母趾屈筋と長母趾伸筋腱は外側に移動し、外反母趾を助長することになります。自分で足を開こうとしても、足が閉じる方向に動いてしまい、上手く開けなくなります。
 つまり、扁平足と外反母趾は併発しやすく、問題が大きくなるのです。
 この問題を解決するためには、骨盤周囲の運動に加えて、外反膝を治す方法、さらに母趾内転筋をほぐしてストレッチを行った上で、正しい位置での母趾外転筋再教育が必要になります。そのために、タオルギャザーが大切になります。

 

・自己矯正モビライゼーション

 座位で両足底をくっつけます。手を膝下の下腿近位内側に置きます。両手で下腿を外側方向に押して、外反膝を矯正していきます。10回を1セットとして3セット行います。

 

 

・母趾内転筋の自己マッサージとストレッチング

 


 母趾内転筋は横頭と斜頭があります。このどちらもが硬くなり、母趾を外反方向に動かします。斜頭は、立方骨、外側楔状骨、外側第24中足骨底、長腓骨筋の腱鞘から生じ、横頭は第35中足趾節関節の関節包、底側中足靱帯、中足骨横靱帯から生じ、それぞれが、外側種子骨と母趾基節骨底外側に付着します。
 ですので、この筋を自分でマッサージしてほぐし、そして外反母趾と反対方向、すなわち指を開く方向にストレッチするのが、効果的です。

 その上で、タオルギャザーが大切になります。

・タオルギャザー


 後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、前脛骨筋を強化して骨のアライメントを修正し、扁平足と外反母趾を治していきます。
 エクササイズとしては、タオルギャザーを実施します。まず長趾屈筋、長母趾屈筋を収縮させて、全足趾を屈曲させることでタオルを掴みます(図1
これによって、内側アーチが縮まる方向に力が入ります。次にタオルを掴んだままで、踵はつけたまま足関節を背屈(つま先を床から持ち上げる)します。これによって後脛骨筋と前脛骨筋が収縮して、内側縦アーチをさらに高くすることになります(図2
 さらに指を伸展・外転させることでタオルを離します(図3
 これによって母趾外転筋も鍛えることにつながります。手前に引き寄せられたタオルは、反対の足で元の位置に戻してください。
 この一連の動作を20回以上繰り返してください.できるようになれば20回を3セット行うようにしてください。
 このように一連の流れでエクササイズを実施することで、扁平足と外反母趾を治していきます。しかし、骨盤周囲のエクササイズから実施することが大切で、足部だけでは効果が上がりません。そこを忘れないようにお願いします。
 次回は、冷え症とむくみの改善について解説します。

「目次」はこちら

 

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著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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