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胎内記憶でわかった こどももママも幸せになる子育て 産婦人科医 池川明

第7回

つわりも、お母さんが元気に出産できるための赤ちゃんからのメッセージ

2017.10.12更新

読了時間

人間の神秘「胎内記憶」から子育てを考える。胎内記憶研究の第一人者の医師がたどり着いた境地とは? 親の論理ではなく「子どもの本音」に耳を傾けた、子どもの「才能=生きる力」を強くする胎教法と育児法を紹介。
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 お腹に赤ちゃんがいるって、なんてすてきなことなんだろうと、いつも思っています。

 赤ちゃんは、だれよりもお母さんのことを思ってくれていて、いつも元気で楽しくしていてほしいと願って、いろんなことをしてくれているのですから。

 でも、中には「私にはそんなことは理解できません」と、反論したくなる方もいるはずです。たとえば、つわりで苦しんだ方なんかはそうなのではないでしょうか。私には体験はありませんが、つわりというのは、本当にきついものだと思います。そばで見ていて、よくわかります。気分が悪くなり食欲もなくなる。そして、嘔おう吐とです。入院してブドウ糖の点滴をしなければならないような人もおられます。なんでこんな目にあわなければならないのかと、赤ちゃんを恨みたくなってしまった方もいるのではないでしょうか。

 そもそも、つわりというのは、赤ちゃんの体のさまざまな器官が作られる時期(受精後3〜8週)に起こる場合がほとんどです。この時期は、毒性のあるものを食べると、赤ちゃんにダイレクトに影響が及びます。ですから、体に入ると考えられる化学物質には、慎重にならないといけません。

 その時期に赤ちゃんは、何を伝えようとしているのでしょうか。赤ちゃんの行動の基本は、「お母さんに元気になってもらいたい」「幸せになってもらいたい」「喜んでもらいたい」です。それを前提に考えれば、つわりの意味がわかってくるはずです。

「危険なものは食べないで」「ゆっくりして」

 これらが赤ちゃんからのメッセージなのです。それは、赤ちゃん自身のためでもありますし、健康に生まれてきてほしいという親の願いをかなえるためのものでもあります。

 また解毒をするためにつわりがひどくなる、という方もおられます。3人のつわりのひどかった方が講演会でお話ししてくださった内容ですが、その方たちは全員安産だったそうです。その方たちによると、つわりで毒出しをするのでお産が楽になるのだとか。

 ものすごくつわりに効くという薬もあまりないので、薬を飲むより、ゆったりと暮らしてほしいという願いをもつ赤ちゃんもいるでしょう。そのように感じたら、仕事も休んだ方がいいかもしれません。逆に、仕事をしているとつわりが改善する場合もあります。その場合は赤ちゃんと相談して仕事を続けても大丈夫でしょう。

 お母さんが赤ちゃんのメッセージを無視すると、赤ちゃんも結構早く諦めてしまうことがあるようです。そうすると生まれた後も、どうせこの親はわかってくれないし、と思いながら育つ場合もあります。

 ぜひぜひ、お母さん、お腹の赤ちゃんが、私を幸せにするためにメッセージをくれたんだと素直に感じて、そのメッセージに従ってみてください。そうすれば、きっと赤ちゃんも満足しますし、お母さんの妊婦ライフも格段に楽になると思いますよ。

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著者

池川 明

1954年東京生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年に池川クリニックを開設。胎内記憶・誕生記憶について研究を進める産婦人科医としてマスコミ等に取り上げられることが多く、講演などでも活躍中。母と子の立場に立った医療を目指している。著書に『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』『ママのおなかをえらんできたよ。』(以上、二見書房)『笑うお産』(KADOKAWA)など多数。

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