第2回
【歌舞伎を見る前に】2.登場人物は見た目が9割?
2017.10.01更新
歌舞伎を見る前に知っておきたい基礎知識として演目の種類や独特な演出の仕方から、上演頻度の高い人気演目のあらすじと鑑賞ポイントを、マンガでじっくりと解説します。
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役柄の個性がわかる隈取(くまどり)※1
初代市川團十郎が人形浄瑠璃をヒントに、顔の血管や筋肉を誇張するために創作したのが始まり。二代目市川團十郎が、牡丹の花をヒントに「ぼかし」という技法を考案するとデザインは洗練され、現在五十種類はあると言われている
江戸の荒事(あらごと)、上方の和事(わごと)
荒事は荒武者事の略で、元禄期、初代市川團十郎に始まる演技スタイル。誇張された扮装、派手な隈取、大きな見得のポーズが特徴で、舞台は豪快で力強い。
江戸の荒事に対するのが、上方(京都・大坂)で誕生した和事。女性的でやわらかい芸風が特徴。元禄期、初代坂田藤十郎によって完成した。
歌舞伎ならではの「女方」はこうして誕生した
江戸時代初期、出雲の阿国(おくに)の「かぶき踊り」が人気を呼ぶと、それにあやかって遊女などによる「女歌舞伎」が流行する。風俗が乱れるという理由で幕府から禁止されると、今度は少年だけの「若衆歌舞伎」が流行。それも風俗の乱れを理由に禁止されたため、成人男性だけの「野郎歌舞伎」が始まった。若衆歌舞伎のときも女性役を演じる役者はいたが、野郎歌舞伎では女性らしさを表現する技術が磨かれるようになり、今日の女方へと発展していく。
役柄と役者の関係
一座で最高位の役者は座頭(ざがしら)役者と呼ばれた。座頭が演じるのは立役か、敵役の「実悪(じつあく)」か「公家悪(くげあく)」。一方、女方のトップは立女形(たておやま)と呼ばれ、「傾城(けいせい)」や「片はずし」を演じる。
匿名
2021.12.04
🙂