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論語 全文完全対照版 野中根太郎

第163回

425話~426話

2017.03.21更新

読了時間

【 この連載は… 】 毎日数分で「東洋最大の教養書」を読破しよう! 『超訳 孫子の兵法』の野中根太郎氏による、新訳論語完全版。読みやすく現代人の実生活に根付いた超訳と、原文・読み下し文を対照させたオールインワン。

425 目上の人と話す時には注意がいる


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君子(ここでは目上の人)と対している時に、犯しやすい過ちが三つある。(一)まだ先方がその話をしていない時に、先にずけずけ言うのは、『躁(そう)』(さしでがましい)という。(二)話しかけられているのに黙っているのを『隠(いん)』(隠しだてしている)という。(三)相手の顔色も見ずに、口をきくのを『瞽(こ)』(何も見えていない)という」。


【読み下し文】

孔子(こうし)曰(いわ)く、君子(くんし)に侍(じ)するに三愆(さんけん)(※)有(あ)り。言(げん)未(いま)だ之(これ)に及(およ)ばずして言(い)う。之(これ)を躁(そう)(※)と謂(い)う。言(げん)之(これ)に及(およ)びて言(い)わず。之(これ)を隠(いん)と謂(い)う。未(いま)だ顔色(がんしょく)を見(み)ずして言(い)う。之(これ)を瞽(こ)(※)と謂(い)う。


(※)愆……過ち。「えん」と読む場合もある。

(※)躁……そそっかしい。さしでがましい。

(※)瞽……見えない。何もわかっていない。


【原文】

孔子曰、侍於君子有三愆、言未及之而言、謂之躁、言及之而不言、謂之隱、未見顏色而言、謂之瞽、


426 年代で戒めなくてはならないことも変わる


【現代語訳】

孔子先生は言われた。「君子に三つの戒めがある。(一)青年期は血気が定まらず、情が強くなりすぎる時がある。だから色欲(異性問題)を戒めておく必要がある。(二)壮年期は、まさに血気盛んとなり強いものがある。だから闘争(ケンカ)を戒めなくてはならない。(三)老年期になると血気はすでに衰えてくる。したがって、我欲(特に銭欲)に走りすぎぬように戒めなくてはならない」。


【読み下し文】

孔子(こうし)曰(いわ)く、君子(くんし)に三戒(さんかい)有(あ)り。少(わか)(※)き時(とき)は血気(けっき)未(いま)だ定(さだ)まらず、之(これ)を戒(いま)しむる、色(いろ)に在(あ)り。其(そ)の壮(そう)(※)に及(およ)んでは、血気(けっき)方(まさ)に剛(ごう)なり、之(これ)を戒(いまし)むる、鬪(とう)に在(あ)り。其(そ)の老(お)(※)いたるに及(およ)んでは、血気(けっき)既(すで)に衰(おとろ)う、之(これ)を戒(いまし)むること得(う)(※)るに在(あ)り。


(※)少……青年期。二十歳前後。三十歳以前という説もある。

(※)壮……三十歳前後。三十歳以降、四十歳までという説もある。

(※)老……晩年。老年期。四十歳、五十歳以降とする説もある。

(※)得……財貨を欲しがる。我欲が強い。


【原文】

孔子曰、君子有三戒、少之時、血氣未定、戒之在色、及其壯也、血氣方剛、戒之在鬭、及其老也、血氣既衰、戒之在得、


*425話と426話が長文のため、今回は2話のみの掲載となります。


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著者

野中 根太郎

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国人から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100-変わる力 変える力のつくり方』(共にアイバス出版)、『真田幸村 逆転の決断術─相手の心を動かす「義」の思考方法』『全文完全対照版 論語コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 孫子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 老子コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』『全文完全対照版 菜根譚コンプリート 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文』(以上、誠文堂新光社)などがある。

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