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第1回

はじめに:そもそもオペラって何?

2018.04.24更新

読了時間

【 この連載は… 】「フィガロの結婚」「トゥーランドット」「椿姫」「トリスタンとイゾルデ」などなど……。オペラには、女と男の愛、騙し騙され合いの駆け引き、生死を賭けた戦い…などなど、人間のドラマが色濃く描かれています。本連載では『マンガでわかる「オペラ」の見かた』単行本出版を記念して、書籍から厳選コンテンツを特別公開!

作曲された美しい旋律 歌われる詩的な台詞

総合舞台芸術といわれるオペラは、音楽、演劇、文学、そして美術が融合した類い稀なエンターテイメントです。
およそ400年前に誕生したオペラは、今も昔も、美しい旋律に乗せて歌われる台詞で物語が進んでいきます。演劇とは違い、台詞の台本はすべて譜面です。作曲家が紡ぐ音楽劇は、訓練されたオペラ歌手の生の声で歌われ、ドラマチックに展開します。その醍醐味は、作曲されていることだといわれます。たとえ言葉がわからなくても、舞台上で歌われる台詞のすべてが美しく聴こえ、魅了されてしまうからです。
もちろんオペラの魅力は音楽だけではありません。その演出や演技、歌詞、舞台装置、照明、歌手の衣装、そのすべてを楽しむことができるのも、オペラが総合芸術といわれるゆえんなのです。

言葉を超えて楽しむオペラの秘密

現在上演されているオペラの99パーセントは過去の作品といわれ、繰り返し再演されている人気の高い作品はおよそ100曲前後ともいわれています。
オペラの2大大国はイタリアとドイツで、つまりこの2国で多くのオペラが生まれたことから、必然的に私たちが現在耳にする作品は、イタリア語とドツ語が多いというわけです。音楽を重視するオペラは、母国語でも聞き取りにくいといいますから、100年以上前の作品であればなおさらです。しかし、最近ではどの言語のオペラにも字幕が出るようになったので、言葉の問題はないようです。
再演される人気作品の多くは、誰もが知る名曲が歌われ、ストーリーもわかりやすいので、事前に少し予習しておけば、誰でもその美しい音楽劇を楽しむことができます。歌劇場に足を運んで生のオペラに触れることは、人生に新しい扉が開くといわれるほど、素敵な体験です。あなたも新しい扉を開けてみませんか。

いくつかの曲が集まり構成されるオペラ

多くのオペラは、いくつかの「幕」に分かれ、それぞれが、いくつもの「曲」で構成されています。「曲」には、独唱歌手が歌う「アリア」(独唱)やその前に歌う「叙唱」、複数の歌手で歌う「重唱」、合唱団が歌う「合唱」、オーケストラが演奏する曲には、開幕前に演奏する「序曲」や「前奏曲」、幕間や場面転換の前に演奏する「間奏曲」などがあります。こうしたいくつもの曲によってドラマが展開していきます。
それぞれの歌唱曲に番号を付けるイタリア・オペラ形式は「番号オペラ」と呼ばれ、19世紀初頭まで一般的でした。この形式では、それぞれの歌が独立して歌われるので、オペラ歌手がコンサートなどで「アリア」だけ取り出して歌うこともできます。オペラを体験していなくても、その美しい旋律に聴き憶えがあるなんてこともあるはずです。
19世紀半ばになると、作曲家ワーグナーによって、アリア中心ではなく、オーケストラを駆使し、そのドラマ性を重視した途切れることのないオペラが提唱され、後のスタンダードとなります。
こうしてオペラの花形は歌手だけでなく、ドラマを盛り上げる指揮者やオーケストラの表現力にも注目が集まるようになります。近年では、同じ作品でも演出家によって、伝統的であったり、前衛的であったりと趣向も変わり、その魅力はさらに広がりを見せています。

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著者

著者:小畑恒夫 イラスト:ヤギワタル

小畑 恒夫:昭和音楽大学教授、日本ヴェルディ協会理事、日本ロッシーニ協会運営委員。東京藝術大学卒業。オペラと声楽を中心に教育、研究、評論、啓蒙活動を行う。音楽専門誌での批評活動、オペラ公演のプログラムやCD解説の執筆、オペラ講座・放送などでも活躍。著書に『ヴェルディのプリマ・ドンナたち』(水曜社)『ヴェルディ 作曲家・人と作品』(音楽之友社)、共著に『オペラ・キャラクター解読辞典』(音楽之友社)、訳書に『ロッシーニ 仮面の男』(音楽之友社)『評伝ヴェルディ』(草思社)など多数。

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