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第2回

椿姫(ラ・トラヴィアータ)

2018.04.27更新

読了時間

【 この連載は… 】「フィガロの結婚」「トゥーランドット」「椿姫」「トリスタンとイゾルデ」などなど……。オペラには、女と男の愛、騙し騙され合いの駆け引き、生死を賭けた戦い…などなど、人間のドラマが色濃く描かれています。本連載では『マンガでわかる「オペラ」の見かた』単行本出版を記念して、書籍から厳選コンテンツを特別公開!
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イタリアの名作

裏社交界の華が真の愛に目覚ていく物語
椿姫(ラ・トラヴィアータ)

作曲:ヴェルディ 原作:アレクサンドル・デュマ・フィス『椿の花の貴婦人』
台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ(イタリア語)
初演:1853年3月 ヴェネツィア/フェニーチェ歌劇場 構成:3幕/約2時間10分

純愛ドラマとして人気だが、実際は現代社会の本質が狙いだった

この当時のオペラ界は歴史物語や伝説など、古い題材からの脱皮を図っていました。
ヴェルディは常日頃から、もっと現実を直視したものをテーマにしたがっていました。彼は、パリの裏社交界で名を馳せていた実在のドミ・モンド(高級娼婦)を題材にして痛烈に社会批判をした小説「椿の花の貴婦人」を選び、『椿姫』の創作を開始します。

しかし初演は大失敗。初演直前に話を1700年代に移し、時代を遠ざけたものの、あまりに生々しく現実的な作品だったこと、ヒロイン役の歌手が肥っていたことなどが理由でした。キャストを変えた翌年の再演で人気が出ました。

それでも社交界の華であったヒロイン、ヴィオレッタが純愛に目覚めていく姿は感動的です。キーワードは彼女が1幕ごとに1回ささやく「不思議だわ」という言葉。1回目は、自分が遊びではなく本気でアルフレードに恋をしてしまったことに気付いた時。2回目は彼が外出した理由を知らなかった時。そして、3回目がラストシーンです。
死を間近にして、やがてヴィオレッタは「不思議ね、痛みはない。私は幸せ」と彼の腕のなかで天に召されます。
この場面は非常に感動的なシーンとして演じられます。

プロフィール

生名:ジュゼッペ・フォルトゥニーノ・フランチェスコ・ヴェルディ
誕生日:1813 年10 月10 日
出身地:イタリア/レ・ロンコレ
死没:1901年1月27日

主なオペラ作品

・リゴレット (1851年 ヴェネツィア)
・イル・トロヴァトーレ (1853年 ローマ)
・椿姫(ラ・トラヴィアータ) (1853年 ヴェネツィア)
・ドン・カルロ (1867年 パリ)
・アイーダ (1871年 カイロ)
・オテロ(1887年 ミラノ)
・ファルスタッフ (1893年 ミラノ)

ロマン派を代表するイタリア・オペラの改革者

19世紀を代表するロマン派のイタリア・オペラ作家。ロッシーニが一時代の頂点だとしたら、ヴェルディはワーグナーと共に、オペラに変革をもたらして、新たなもう一つの頂点を極めたといえます。
作品の傾向は大きく分けて3種類。初期を代表する『ナブッコ』に見られる愛国精神を高揚させる題材を用いたもの。次に、シェイクスピアの『マクベス』に始まる、人間の心理描写を重視したもの。そして、『アイーダ』のような壮大で華麗なオペラです。
愛国心の象徴としてイタリア人に最も愛された作曲家であるといえるでしょう。

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著者

著者:小畑恒夫 イラスト:ヤギワタル

小畑 恒夫:昭和音楽大学教授、日本ヴェルディ協会理事、日本ロッシーニ協会運営委員。東京藝術大学卒業。オペラと声楽を中心に教育、研究、評論、啓蒙活動を行う。音楽専門誌での批評活動、オペラ公演のプログラムやCD解説の執筆、オペラ講座・放送などでも活躍。著書に『ヴェルディのプリマ・ドンナたち』(水曜社)『ヴェルディ 作曲家・人と作品』(音楽之友社)、共著に『オペラ・キャラクター解読辞典』(音楽之友社)、訳書に『ロッシーニ 仮面の男』(音楽之友社)『評伝ヴェルディ』(草思社)など多数。

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