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よみものどっとこむ

胎内記憶でわかった こどももママも幸せになる子育て 産婦人科医 池川明

第5回

お腹の中から合図があったら、トントントンと返してみて

2017.10.05更新

読了時間

【 この連載は… 】 人間の神秘「胎内記憶」から子育てを考える。胎内記憶研究の第一人者の医師がたどり着いた境地とは? 親の論理ではなく「子どもの本音」に耳を傾けた、子どもの「才能=生きる力」を強くする胎教法と育児法を紹介。

「お腹の中からトントントンってお母さんを呼んでたよ」

 トントントン。赤ちゃんが、お腹の中でノックをすることがありませんか。動いたときに、たまたま手か足が当たったのでしょうか。どうもそんなことはないようです。赤ちゃんは、自分の意志でお母さんのお腹をノックしているのです。

 お母さんの気持ちを自分の方に向けようとしたり、何かを伝えることがあったり、コミュニケーションのひとつとして、トントントンとお腹をノックしています。そんなときには、ノックを返してあげるとか、話しかけてあげるとか、何か、リアクションをしてあげてください。それだけのことで、赤ちゃんはとても喜ぶし、満足するのです。

 赤ちゃんが何を言っているかわからなくても、毎日、話しかけてあげれば、赤ちゃんとのコミュニケーションが深まります。

 私は、お母さんたちに、「お腹の赤ちゃんに話しかけてくださいね」とずっと言ってきました。でも、半数以上の人が、お腹の赤ちゃんに話しかけることに対して、イメージが湧かなかったようです。ところが、胎内記憶のことを知って、「お腹の赤ちゃんには意識があって、まわりの様子がわかっているんですよ。お母さんの声も、みんな聞こえているんですよ」とお伝えするようになったら、ほとんどの人が、お腹の中の赤ちゃんに話しかけるようになりました。漠然と「お話しした方がいい」というより、お腹の中で、赤ちゃんが一生懸命にお母さんの言うことを聞いている姿がイメージできる方が、やってみようという気になるのです。

 トントントンというノックも、赤ちゃんが好奇心いっぱいの顔をして、お母さんに何かを伝えようとしている様子をイメージしてみると、お腹の中のちょっとした変化にとても敏感になると思います。

 お腹にいるときから赤ちゃんとコミュニケーションをしていると、出産のあとの子育てでも、子どもとのかかわり方が、ずいぶんと変わってきます。

 私のクリニックでは、産後すぐの赤ちゃんは、スタッフが面倒を見てもいいし、お母さんが同室でお世話してもいいことになっています。以前は、9割近くのお母さんが、夜は疲れるからという理由などで、スタッフに赤ちゃんを預けていました。ところが、お腹の赤ちゃんに話しかけてもらうようにしたら、ほとんどの人が、自分でお世話するようになりました。今ではスタッフに赤ちゃんを預ける人は、ほとんどいません。お腹の中の赤ちゃんにもきちんと意識があると知るだけで、こんなにも態度が違ってきます。

 退院して家で子育てすることになっても、何となく赤ちゃんの意志が感じ取れるので、イライラすることも少なくなります。それが、将来の親子関係にも影響するだろうと、私は思っています。

 お腹の赤ちゃんに声をかけてきて良かったことはありますかと聞くと、多くのお母さんが、「赤ちゃんが何を望んでいるかよくわかるので、とても助かります」と答えてくれます。

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著者

池川 明

1954年東京生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年に池川クリニックを開設。胎内記憶・誕生記憶について研究を進める産婦人科医としてマスコミ等に取り上げられることが多く、講演などでも活躍中。母と子の立場に立った医療を目指している。著書に『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』『ママのおなかをえらんできたよ。』(以上、二見書房)『笑うお産』(KADOKAWA)など多数。

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