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マンガでわかる「オペラ」の見かた 監修/小畑恒夫 イラスト/ヤギワタル

第7回

トゥーランドット

2018.06.05更新

読了時間

「フィガロの結婚」「トゥーランドット」「椿姫」「トリスタンとイゾルデ」などなど……。オペラには、女と男の愛、騙し騙され合いの駆け引き、生死を賭けた戦い…などなど、人間のドラマが色濃く描かれています。本連載では『マンガでわかる「オペラ」の見かた』単行本出版を記念して、書籍から厳選コンテンツを特別公開!
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イタリアの名作

冷酷な王女が愛に目覚めるプッチーニ最後のオペラ
トゥーランドット

作曲:プッチーニ
原作:カルロ・ゴッツィ『トゥーランドット』
台本:レナート・シモーニ、ジュゼッペ・アダーミ(イタリア語)
初演:1926年4月/ミラノ/スカラ座 構成:3幕/約2時間

中国を舞台にした異国ロマン プッチーニ未完の大作

プッチーニ最後のオペラ作品。彼の作品のなかで最も規模が大きく、現実的な役柄が多い過去のものとは違い、非現実的な童話の世界を扱った新機軸です。ペルシャの物語から取材した寓話劇『トゥーランドット』を原作としています。

中国という舞台の異国情緒を出すために『蝶々夫人』と同じくその土地の音楽を利用しています。中国民謡『茉莉花』、『清国国歌』、王女トゥーランドットのテーマは中国の古い民謡。

この作品には3つの偉大なアリアが含まれています。一つは王女が歌う「この御殿の中で」。力強い高音域と跳躍音があるソプラノ歌手最大の難曲。そしてオペラ史上で最も有名な曲の一つ、カラフ王子が歌う「寝てはならぬ」。最高音をいかに圧倒的に響かせるかがテノール歌手の腕の見せどころ。そして王子を救うために自らの命を絶つ場面で召使いリューが歌う「氷のような姫君も」は、実は全幕中での最高傑作で、プッチーニらしい哀切を訴える旋律が感銘を呼びます。

名を知られたら殺されることがわかっていても王女を信じて自ら名乗る王子の心に、氷の王女の心は溶けます。審判の場で彼女は「彼の名前は愛」と答えます。ここでプッチーニは愛の二重唱を計画していましたが、残念ながら病に倒れ、偉大な作品は未完となりました。

プッチーニ ヴェルディを受け継いだイタリア・オペラの巨匠

プロフィール

生名:ジャコモ・プッチーニ
誕生日:1858 年12 月22 日
出身地:イタリア/ルッカ
死没:1924 年11 月29 日

主なオペラ作品

・マノン・レスコー(1893年 トリノ )
・ラ・ボエーム(1896年 トリノ)
・トスカ(1900年 ローマ)
・蝶々夫人(1904年 ミラノ)
・西部の娘(1910年 ニューヨーク)
・三部作『外套』『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』(1918年 ニューヨーク)
・トゥーランドット(1926年 ミラノ)

ヴェルディの伝統と哀切のメロディーとの融合

彼の最も大きな功績はドイツに母国語でのオペラを定着させたことにあり、「ドイツ国民歌劇の父」といわれます。当時ドイツではロッシーニ旋風が吹き荒れており、イタリア・オペラが大人気でした。ベートーヴェンさえもかすむそれは勢いでした。ドレスデン歌劇場の責任者になったウェーバーは積極的にドイツ・オペラを上演し、根づかせることに成功します。
また、自身の作曲による『魔弾の射手』はまさにドイツ国民歌劇の金字塔ともいえる作品で、後のワーグナーにも大きな影響を与えました。ウェーバーは指揮者、ピアニストとしても活躍していきました。

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著者

著者:小畑恒夫 イラスト:ヤギワタル

小畑 恒夫:昭和音楽大学教授、日本ヴェルディ協会理事、日本ロッシーニ協会運営委員。東京藝術大学卒業。オペラと声楽を中心に教育、研究、評論、啓蒙活動を行う。音楽専門誌での批評活動、オペラ公演のプログラムやCD解説の執筆、オペラ講座・放送などでも活躍。著書に『ヴェルディのプリマ・ドンナたち』(水曜社)『ヴェルディ 作曲家・人と作品』(音楽之友社)、共著に『オペラ・キャラクター解読辞典』(音楽之友社)、訳書に『ロッシーニ 仮面の男』(音楽之友社)『評伝ヴェルディ』(草思社)など多数。

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