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胎内記憶でわかった こどももママも幸せになる子育て 産婦人科医 池川明

第13回

生まれる前から、お母さんをずっと観察していた

2017.11.02更新

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人間の神秘「胎内記憶」から子育てを考える。胎内記憶研究の第一人者の医師がたどり着いた境地とは? 親の論理ではなく「子どもの本音」に耳を傾けた、子どもの「才能=生きる力」を強くする胎教法と育児法を紹介。
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 胎内記憶のある子どもたちは、お腹の中のこと、お腹に入る前のことを、あたかも学校であった出来事を教えてくれるように語ってくれます。とても自然で、驚かせてやろうとか、だましてやろうとか、そんな意図はみじんも感じません。

 絵を描いて教えてくれる子もいます。小さな子どもの絵なので、少々わかりにくいところもあるのですが、「これは何?」と聞くと、ていねいに教えてくれます。

 お母さんをどうやって選ぶの? と聞くと、多くの子が、テレビの絵を書いて説明してくれます。

「ここにママが映ったの。やさしそうだから、決めたの」

 といったことを話してくれるのです。

 そのテレビには何人もお母さん候補が映し出されて、その中で、だれにするかを選ぶといいます。また、お母さんになってくれる人のことは、長く観察する場合もあるようです。たぶん、あちらの世界とこちらの世界では、時間の流れ方が違うでしょうから、10年くらいの時間を観察するのも、ほんの一瞬ですんでしまうのかもしれません。

「やさしそうだから決めた」という子どもが多いのですが、外見からわかる見た目のやさしさの場合もあるし、もっと自分の人生を俯瞰してそれに最適な親を決めている子もいるようです。

 こんなことを言っている子どもがいました。

「お母さんがおばあちゃんのお腹に入るのを見てたよ。妖精さんとチョウチョさんと一緒に飛んでいったよ」

 お母さんがまだ生まれる前から、その子は、お母さんを見ていたということです。この子どもは、何十年も前からお母さんを決めていて、お腹に入るタイミングを待っていたのでしょう。

 仕事が忙しくて、なかなか出産に踏み切れないお母さんがいて、仕事が一段落してから赤ちゃんを産んだのですが、そのときに生まれた女の子は、話ができるようになってから、「すごく待たされた!」と、文句を言ったそうです。

 また、こんなことを言った子どももいます。

「お腹の中に入る前、お母さんの後ろを飛んでいて、見守っていた。お母さんが中学生くらいのとき、1回きて、この人がいいかなと思った。妹も一緒だった。空の上からお母さんの行動をずっと見ていて、この人なら信頼できるかなと思った」

 この話を聞いたとき、お母さんは、中学生のときに見た不思議な夢のことを思い出しました。自分の部屋で眠っていると、庭に10歳くらいの男の子と6歳くらいの女の子が立っていて、しばらくすると、2人が部屋に入ってきて、自分のお腹をぺたぺた触ったという夢でした。今、その方には、息子さんと娘さんがいます。果たして、単なる偶然なのでしょうか。

 どうも、子どもたちは、オギャーと生まれて、お母さんに抱っこされたときが「はじめまして」ではなさそうです。もっと、ずーっと前から、お母さんを観察していて、お母さんのことは何でも知っているようなのです。長い時間をかけて、やっと自分が選んだお母さんのもとへ来ることができたらしいのです。そう思うことができるのであれば、その思いに応えてあげましょうよ。ことあるごとに、「うれしいよ」「ありがとう」と言って、抱きしめてあげましょう。

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著者

池川 明

1954年東京生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年に池川クリニックを開設。胎内記憶・誕生記憶について研究を進める産婦人科医としてマスコミ等に取り上げられることが多く、講演などでも活躍中。母と子の立場に立った医療を目指している。著書に『おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと』『ママのおなかをえらんできたよ。』(以上、二見書房)『笑うお産』(KADOKAWA)など多数。

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