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自社ホームページにアクセスした企業を「見える化」して、10件の電話営業だけで売上をアップさせる技術 熊谷 竜二

第7回

2-2 営業戦略シートを作成する

2018.07.18更新

読了時間

中小企業の約50%の企業が経営の重要課題に「営業に関する課題」をあげています。人材売り手市場の昨今、小さな会社にとっては営業人材を新たに採用することが難しい状況です。そこで、コストをかけずに、営業効果を上げる方法を実践している「営業支援コンサルタント」が教える、魔法の営業述を解説していきます。
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営業戦略シートを作成する

最適なPR文章を作成する

 最適なPR文章を作成する前に、突然ですが、あなたの会社の従業員は「あなたの会社」「会社の商品」についてわかりやすく、明確に説明出来ますか?
 営業担当者だけでなく、業務担当者、電話受付担当者に至るまで、従業員であれば、接点を持った人との立ち話で、あるいは名刺交換、プライベートな友達との会話の時に、自分の会社や自社商品について、正確にわかりやすくプロモーション出来るよう準備しておくことが大切です。
 多くの企業が集まるセミナーや勉強会などで、「3分間で自社PRをしてください」と言われて、急いで整理しはじめるようでは魅力的なプレゼンが出来るはずがありません。
 どのようなシチュエーションであれ、顧客となりうる企業との接点はすべてプレゼンの場です。どこで自社商品に興味を持っていただき、仕事に繋がるかわかりません。
 常日頃から自分の会社や商品について強みや特長を整理し、30秒以内、1分以内、3分以内など、限られた時間の中でも最適なプレゼンが出来る準備をしておけば、いざという時に慌てずにベストパフォーマンスを発揮出来るのです。

 マーケティングの世界では、この短い時間の中で端的に自社のPRをする手法をエレベーターピッチと言っています。エレベーターに乗るくらいの短時間で、自社や自社商品のプレゼンを行いビジネスチャンスに繋げるトークテクニックのことです。

 この後、行っていくメールDMの文章、ホームページのランディングページ、電話営業のトークスクリプトについても、手段こそ違いますが、このエレベーターピッチと同様、与えられた時間や文字数の中で、自社や商品について最適なPRをしていく必要がある点は同じです。顧客にあなたの会社や商品についていつでも最適なPRを行い、興味を持ってもらうため、訴求ポイントを整理するための営業戦略シートを作成していきます。
 最適なPRを行うためには、先にお伝えした「商品」「ターゲット」「プロモーション」の3つの要素を考慮することが重要です。その上で、最適なPRを実施するため、以下の3つの営業戦略シートを作成してプレゼンの準備をしておくわけです。

営業戦略シート
自社PRシート(C):自社をPRする
商品PRシート(P):自社商品の魅力を伝える
ターゲット別PRシート(T):ターゲットに合わせて商品の伝え方を変える

営業戦略シートの目的

 3つの営業戦略シートを作成する目的は、この後実施していく3ステップ営業法の各ステップで、それぞれのシチュエーションに合わせた最適なPR文章を簡単に作成するためです。
 営業戦略シートを作成しておけば、各シートから必要な情報をピックアップして、それぞれの状況に合わせた各テンプレートに差し込むだけで、簡単にメール文章や、ホームページのランディングページの基本構造文(ワイヤーフレーム)、電話営業のトークスクリプトのPR文章が出来上がります。

営業戦略シートの使い方

 メール文章、ホームページのランディングページ、電話営業の場面での利用方法は後ほどご紹介しますので、ここでは商品紹介文を作るための使用例をご紹介します。

 例えば、以下の図2-1のような手順です。

商品の概略説明テンプレートを使用した例

 当社の ※1 商品名 「営業丸ごとお任せパック」は、※2 商品概略「自社のホームページを見た企業がわかるシステムと、そのシステムによって明らかになったニーズの高い顧客に対して「営業代行」まで実施するサービス」です。

 お客様は、※3 顧客のベネフィット「営業で一番難しくて費用の掛かる新規顧客の開拓を当社が代わりに実施してお引き合わせしますので、商談営業だけに集中することが出来ます。また、ニーズが事前にわかるため新規顧客開拓に掛かるコストは大幅に削減されます」

 主な特長は3つあります。※4-1 3つの特長タイトル
 ・ホームページを見た企業がわかる
 ・メールアドレス付企業リストの提供およびメールDM送信サービス
 ・テレアポ代行サービス
(もう少し時間がある場合、さらに説明を求められた場合) ※4-2 3つの特長詳細
 1つ目の「ホームページを見た企業がわかる」は、「自社のホームページにアクセスしてくれた企業がわかるシステムです。企業名だけでなく住所、電話番号など様々な情報がわかります。ホームページを見たということは自社の商品に興味がある可能性が高いため、つまり自社商品にニーズがある顧客がわかるということです。
 2つ目の「メールアドレス付企業リストの提供およびメールDM送信サービス」の機能は「メールアドレス付の……」です。
 3つ目の「テレアポ代行サービス」は「……」です。

 似たようなシステムを販売している会社もありますが、当社の商品は、※7競合との比較 「固定IPアドレスを持っている大手企業だけでなくIPアドレスが特定出来ない変動IPアドレスの中小企業からのホームページアクセスもわかる」点や、他社では提供されない「企業のメールリストも提供している点」さらに「ご契約者様に代わって電話営業まで実施させていただく点」が大きな違いになります。

 このように、商品PRシートから「商品の概略説明」テンプレートに必要な項目をピックアップするだけで、シチュエーションに合わせたPR文章が簡単に作成出来るようになります。

商品のことをよく知らない外部の人に聞いてもらう

 営業戦略シートをまとめたら、それぞれのテンプレートに当てはめて一度作ってみてください。そして、自社の商品やサービスのことをよく知らない外部の人にテンプレートの内容を聞いてもらいます。
  自社では当たり前のように使っている用語が、聞き手には理解してもらえなかったり、自社が訴求ポイントだと思っていた点がウケずに、聞き手は全く別の点にメリットを感じたりする、ということがあるからです。
  自社の商品について、よくわかりすぎてしまっていて自分では普段気づかない点を外部の人に聞いてもらい、意見や指摘を受けて、戦略シートを改良していくことで、より多くの人に響くよいPR文を作成することが出来るようになります。

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この本の構成

はじめに
第1章 営業がヤルことは3つだけ
第2章 事前準備
第3章 メール
第4章 アクセスログの取得
第5章 電話営業
第6章 改善
おわりに

【単行本好評発売中!】

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著者

熊谷竜二

1968 年千葉県出身。営業支援コンサルタント。株式会社ナレッジコンサルティング代表取締役。 1992 年キヤノンマーケティングジャパン株式会社(東証一部上場)に就職後、企画力と実行力が評価され20 代で開発リーダーに就任。全社的な業務システムを次々に立ち上げる。それらの先進的なシステムは日経コンピュータなど多くの雑誌に取り上げられ、その技術について全国を講演。30 代で「IT 技術を使った営業支援コンサルタント」に抜擢され全国のキヤノン販売店(中小企業)の営業コンサルティングに従事。その経験を武器に40 歳になった2009 年に18 年務めたキヤノンを退社し起業。時はリーマンショックの数カ月後という大不況。妻と中学1 年生を筆頭に3 人の息子を抱え1 年半まったく売上が立たない生活に陥る。退職金の貯金が底をつき、とてつもない恐怖と絶望を味わう。そんな苦労の中、自身の営業を改善するために「自分のサービスに興味を持っている人(企業)が事前にわからないだろうか」というシンプルな発想から「ホームページを見た企業がわかる、つまり自社のサービスに興味を持っている企業がわかる」営業支援システム(特許出願済)を発案。この仕組みを使い自社営業を実施したところ、売上が上昇。このシステムを自分と同じ営業に苦労している人のために、電話営業の代行をセットにした「営業丸ごとパック」を発売すると爆発的に売れ会社の売上は安定し、生活は改善。新規顧客の獲得に特化し他社にない唯一無二のそのサービスは、商談獲得率が通常1 〜 2%といわれる中、平均16.5%(成果数/架電企業数)を記録。その営業支援システムは先進的な考え方と成果の高さから、大手から中小ベンチャー企業まで、累計1000 社以上の企業で活用され、高く評価されている。

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