第11回
「無気力」の解剖図鑑
2018.01.30更新
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【無気力】mukiryoku
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「無気力」とは……
気力や元気がないこと。進んで何かをしようとする気持ちが起きないこと。よく混同されがちだが、「無気力」な状態と「やる気がない」状態は、まったく別のもの。対処方法も大きく異なる。
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■本当はまったく違う、「無気力」と「やる気がない」
無気力は、英語にすると「No Energy」。つまり、本来は、身体が疲れきっていたり、弱っていたりして、エネルギーがない状態を指します。
これに対し、体力はあるのに、物事に取り組む意欲が湧かないのが、「やる気がない」状態です。
■疲労からくる無気力と、間違ったゴール設定によるやる気のなさ
現代のサラリーマンには、無気力な人が少なくありません。仕事をやる気はあるのに、身体がついていかないのです。その原因は、睡眠不足や栄養不足です。身体と心にいいものを食べてしっかり眠ることが、無気力を克服する一番の方法だといえます。
また、何かやりたいこと、達成したいゴールがあり、それに向かって全力で取り組んだ結果、気力を使い果たしてしまうこともあります。その場合も、ゆっくり休養をとる以外に、気力を回復する方法はありません。
一方、身体は動くのに、「無気力で会社に行けない」という人の多くは、「会社の仕事をやる気がない」人です。
彼らは、会社に行かないために、「体調が悪い」「気持ちが沈んでいる」など、さまざまな理由を作り出します。つまり、「会社に行かない」という方向に、たくさんの気力を使っているのです。
何かを「やる気がない」というのは、ゴールが間違っている状態です。本当はやりたくないと思っていることを、無理矢理やっているから、やる気が起きなくなってしまうのです。「やる気がない」状態を克服するには、現在、ゴールだと思っているものを見直し、本当にやりたいと思えることを見つけるしかありません。
■ゴール設定は定期的に見直しを
仕事を続けているうちに、ゴールのあり方が変わってしまうこともあります。最初は、本当にやりたいことがあって、その会社に入ったはずなのに、いつの間にか「生活するために働かなければ」と思うようになってしまったり、会社の中で出世することが目標になってしまったり、とにかくノルマを果たすことしか考えられなくなってしまったり……。
「生活のために働く」「会社の中で出世する」「ノルマを達成する」というのも、他人から押し付けられたゴールにすぎません。そのようなゴールを目指して働いていると、それこそやる気がなくなってしまうこともあるでしょう。
もし、「時間の経過とともに、ゴールの設定がズレてきている」と感じたら、正しいゴールを設定し直すことをおすすめします。
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