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よみものどっとこむ

第2回

悪い姿勢をもたらす「クセ」

2016.08.17更新

読了時間

「姿勢」は人生を映す鏡です。

 自分のこれまでのクセを思い出してみましょう。


1 自分が赤ちゃんのとき、ベビーベッドは壁際にありましたか?


 親は、壁の反対側からしか赤ちゃんに接することができないため、赤ちゃんは壁を背にして親のほうに向くクセができます。ひどい場合は、下になった頭の側が「絶壁」になることもあります。

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2 小さいときから髪の毛を左右どちらに分けていますか?


 机の蛍光灯の位置、食卓とテレビとの位置などによって、髪の分け目は自然と決まってきます。左分けであれば、右側は髪が邪魔になるため、必然的に左側に顔が向きやすくなります。もしかしたら、その方向に机の蛍光灯やテレビがあったのかもしれませんね。そして、今でもそちらの分け方なのであれば、自分の左側の人とは話がしやすいですが、右側の人とは体ごとそちら側に捻らなくてはならず、話がしにくいはずです。


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3 横座りするとき、お尻の左側を床につけますか? 右側を床につけますか?


 お尻の左側を床につける方が楽なら、左の股関節は外側に開きやすくなり、右の股関節は内側に閉じやすくなります。これがクセになると、左膝はO脚気味になり、右膝はX脚気味になっているかもしれません。そうなると、左足首をよく捻挫しやすくなり、右足は扁平足や外反母趾になっているかもしれません。


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4 小さいときに座る際、あぐら座りでしたか? 割り座でしたか?


 あぐら座りをすると、股関節が外側に開きやすくなり、O脚になりやすくなります。割り座の場合は、股関節が内側に閉じやすくなりX脚になるかもしれません。


5 椅子から立つとき膝をくっつけたままでしたか?


 女性でこういうクセがある人は内股になり、そういう人は、立って膝をピンと伸ばすとO脚になることが多いです。


6 立っているときにどちらの足に体重をかけるクセがありますか?


 左足に体重をかけて右足を少し横か前に出して立つクセがある人は、左側の骨盤の高さが右側より高くなっていることが多いです。そういう人は、左膝はO脚気味になり、左足首を捻挫しやすくなります。反対に右膝は、腸脛靱帯炎や鵞足炎、足は扁平足や外反母趾になりやすいです。


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7 ショルダーバッグやトートバッグを左右どちらの肩に掛けますか?


 バッグを掛ける方の肩が上がり、反対の肩が下がる傾向が強いです。女性の場合、逆にバッグを掛ける方の肩が下がることもあります。それによって肩こりもひどくなります。


8 椅子に座って足を組むとき、どちらの足を持ち上げますか?


 持ち上げやすい側の骨盤は、反対側よりも後ろに傾いて(後傾)きます。歩くときに、前に振り出しやすい側の骨盤は反対側に比べて後傾しています。つまり、左足を組みやすい人は、歩くときも、左足を前に振り出しやすくなります。人の進化の特徴として、歩いたり走ったりするときは、右手と左足、左手と右足を一緒に動かします。よって、左足を前に振り出しやすい人は、右手が大きく前に出て振り出しやすくなっています。


9 座って仕事をしているときや、スマホや携帯型ゲームをしているときに楽な姿勢は?


 猫背になっていませんか? 頭が体より前に出て、あごが上がった姿勢になり、口が軽く開いていませんか? この姿勢は悪い姿勢の典型例ですが、本人はこれが楽な姿勢だと思っています。楽な姿勢は良い姿勢ではないことを自覚しないと駄目ですね。猫背がひどくなると、首こり、肩こり、偏頭痛、腰痛、胃下垂、肺活量低下、うつ病などなど様々な不調が生じます。


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10 横向きに寝ているときに、どちら側を下にしたほうが楽ですか?


 右を下にしたほうが楽な人は、右の肩が前に出て、巻き込み肩になっているかもしれません。体格の大きな人は、重さによって上側の腕が体の前を覆うようになり、左の肩が前に引っ張られ、反対に、左肩が巻き込み肩になっているかもしれません。


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 これらで、思い当たる姿勢やクセはありましたか?


 自分にとっては楽な姿勢でも、それは決して良い姿勢とはいえないのです。無意識にとっている楽な姿勢が、悪い姿勢へと変わっていくのです。自分では気がつかないクセが、年齢と共に不調へとつながってきているのです。


 たまたま左足首を捻挫した、たまたま右膝が痛くなった、たまたま左肩がこりやすくなった。みなさん、こう思うことが多いのですが、でも、じつは「たまたま」ではなく、不良姿勢からきていることが多いのです。


 そして、ケガが筋膜のインバランスを悪化させ、また別のケガを生む。昔の捻挫や腱鞘炎が肩こりを、かつてのテニス肘やゴルフ肘が首こりを起こしうるのです。そしてさらに姿勢が悪くなる。この悪循環が、一番怖いのです。


 しかし、悲観ばかりしないでください。逆に言えば、「姿勢を正せば不調も治る」ということです。


 次回は、全身を調整する「筋膜リリース」を紹介します。それに引き続き、体の様々な不調を治す筋膜リリース、ストレッチング、エクササイズへと進めていきます。

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著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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