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マンガでわかる歌舞伎 あらすじ、登場人物のキャラがひと目で理解できる 監修:漆澤その子

第13回

連獅子

2017.12.26更新

読了時間

歌舞伎を見る前に知っておきたい基礎知識として演目の種類や独特な演出の仕方から、上演頻度の高い人気演目のあらすじと鑑賞ポイントを、マンガでじっくりと解説します。
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連獅子

獅子伝説に役者親子の情愛がオーバーラップ

作者
作詞=河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)、作曲=三代目杵屋正次郎(きねやしょうじろう)。
初演
一八七二(明治五)年、東京・村山座。
概要
歌舞伎舞踊の石橋物。松羽目物。音楽は長唄。能の『石橋(しゃっきょう)』の演出にある白頭(しろがしら)と赤頭(あかがしら)の親子獅子の舞を歌舞伎にアレンジしたもの。

松羽目の舞台の始まり

一九〇一(明治三十四)年、二代目市川段四郎と四代目市川染五郎(後の七代目松本幸四郎)が上演した際、背景を松羽目にしたのをきっかけに、現在までその様式が継承されている。

人気の親子共演

親獅子と子獅子を実際の役者親子で舞うことがよくある。芸の修行の厳しさと親子の愛情が自然と連想され、胸に迫るものがある。

親子の役柄は色で区別

連獅子では、白は親・赤は子と、色で親子を区別。前半は狂言師の持つ手獅子の毛と「しころ」と呼ばれる布の色で示す。後半は、親は白頭、子は赤頭と、頭の色で示される。

親子の情愛

色の違いに加え、親獅子役は落ち着いた威厳を感じさせる動き。一方の子獅子役は、活発で若々しい動き。こうした役柄の違いの表れが、前半の見どころである親子の情愛をより印象的にしている。

息の合った毛振りが見どころ

自分の背よりも長い獅子の毛を、大きな弧を描きながらぐるぐる回すのは、相当な体力が必要。親子の毛振りがピタッと重なるときには、息の合った演技に観客から大きな拍手が沸き起こる。

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著者

漆澤その子

1970年東京都生まれ。1993年筑波大学第一学群人文学類卒業。1999年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。2001年博士(文学)。現在、武蔵大学人文学部教授。主な著書『歌舞伎の衣装鑑賞入門』(共著・東京美術)、『明治歌舞伎の成立と展開』(慶友社)など。

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