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よみものどっとこむ

第1回

正しい姿勢とは?

2016.07.19更新

読了時間

【 この連載は… 】 テレビ、雑誌などでお馴染みの「姿勢」の第一人者が、疲れない体をつくる知識とメソッドを徹底紹介。医学的理論に基づいた「全身のつながり」を意識した姿勢改善エクササイズで、腰痛や肩こり、慢性疲労などの不調を劇的に改善します。


肩こり、腰痛、頭痛などの不調に悩んでいませんか?


 それは、姿勢の悪さが原因です。

 正しい姿勢は、正しい体の使い方につながり、たるみや不調などの予防へとつながります。ヒトは、生物の進化過程において、四つ足移動から二足歩行へと進化しました。二足になることで、曲がっていた股関節が伸び、その筋肉によって腰骨が前に引っ張り出され、腰椎の前弯が出来上がりました。四つ足移動では、地面に対して上体の重さを支える肩のまわりの筋肉や、腕の筋肉の強さが必要でした。また、前を見て獲物を狙い、固い物を噛み砕くためにも、首周りの筋肉が強く発達していました。しかし二足歩行になると、手に体重をかけて活動する機会もめっきり減り、肩まわりだけでなく、首・腰の筋肉までが弱くなってきたのです。大人では、首から肩にかけての筋肉によって、約5キログラムの頭と、約8キログラムの両腕を支えなくてはいけなくなりました。


 進化が、体の不安定なバランスを生じさせたとも言えます。進化が体の不調につながるのなら、「退化」なのではないかと疑問も生じます。さらに、文明社会の進歩が、ストレスの増大・精神的疲労の蓄積・繰り返しの単調労働へと社会を変化させてしまいました。これらが、肩や腰の局所的な疲労を蓄積し、運動と睡眠と栄養のバランスを崩させ、運動不足の人を増やし、肩こりや腰痛などで悩む人を増やしているのです。この文明社会の進歩が、「退行」でなければいいのですが。


 不良姿勢は、小さい頃からの体のクセや運動のクセなどの積み重ねの結果なのです。さらに、成長に合わせて、自分にとって楽な姿勢や、楽な運動パターンばかりを使うようになり、その姿勢がケガを生み、そのケガがまた姿勢を乱すことへとつながるのです。不良姿勢は、筋・筋膜のインバランス(バランスの不均衡)、関節が正しい位置から変わってしまうなどの原因で生じます。その不良姿勢によって、以下の障害へとつながる可能性が出てきます。


1 知覚過敏、あるいは筋・筋膜の緊張が上がることによって、頭痛なども生じます。

2 筋、関節または筋膜の動きが制限されることでの柔軟性低下。

3 筋の長さおよび筋力のインバランスによる運動時のパフォーマンスの障害。

4 筋持久力の不足による筋パフォーマンスの障害。

5 体を安定させる体幹の筋群の機能低下による姿勢の悪化。

6 心肺持久力の低下による疲れや息切れ。

7 不良姿勢の習慣による運動感覚の悪化。

8 筋のこり、内臓の不調などが出現。

9 筋膜を介して体のいたるところに不調が出現。


 自分では、不良姿勢になかなか気づくことができません。それも、不良姿勢が改善しない原因です。体の前後左右から、全身をカメラで撮影してもらうのもいいですね。


 正しい立位姿勢は、骨盤が前に傾いて腰が反っていたり、後ろに傾いて股関節が前に移動したりしていない状態です。頭も体の真上に乗り、猫背もない状態です。前から見たときには左右の骨盤の高さが揃っていて、O脚やX脚もない状態です。

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 正しい座位姿勢も、立位姿勢同様、頭が体の真上にあり、あごが前に突き出ておらず、猫背や反り腰または丸まり腰になっていない状態です。

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 仰向けと横向きの寝た姿勢でも、背骨のカーブが整っていて、首が曲がったり、あごが突き出ていない状態です。

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 もしも姿勢が崩れてきたらどうなるのか。姿勢が崩れないようにするにはどうすればいいのか。不良姿勢にはどのような姿勢があるのか。その不良姿勢を治すにはどんな方法があるのか。日常生活では何に気をつければいいのか。
今後の掲載では、皆さんの疑問を解き明かしていきます。次回は、様々な不良姿勢について解説していきます。

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  • みんなの感想

    やまぐち

    肩こり、腰痛、頭痛に悩んでいたので、姿勢を正していきたいと思いました。
    次回も楽しみです。

    返信
著者

竹井 仁

首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学博士、理学療法士、OMT。教育機関で学生教育を実践するかたわら、病院と整形外科クリニックにおいて臨床も実践。各種講習会も全国で展開。専門は運動学・神経筋骨関節系理学療法・徒手療法。解剖学にて医学博士取得。「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」「林修の今でしょ!講座」など多数のメディアに出演。著書多数。 

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