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子どもの敏感さに困ったら 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 長沼睦雄

第18回

【HSCの本】<子育てアドバイス>いじめられっ子も、モデルがいると変わりやすい

2017.11.03更新

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5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。
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■HSCはミラーニューロンの働きが活発なので、真似することで変われます

 ミラーニューロンは、20世紀最大の脳科学的発見だといわれていますが、HSPは非HSPに比べてミラーニューロン系の働きが活発だという研究結果も出ているようです。

 繊細で傷つきやすい子は、怖がりで弱虫に見えたり、おとなしくて「イヤ」と言うことができなかったりすることが多いため、学校でいじめの被害に遭ってしまうことも少なくありません。

 私の知っている中学生の子もそうでした。体は大きいのですが、動きがちょっと鈍く、知能には問題はないのですが、おとなしくて、いつもやられっぱなしでした。つらい日々が続いて不登校になってしまい、私が相談を受けたのです。

 主にいじめてくるのはクラスの子たちだったのですが、じつは元凶は担任の先生だったことがわかりました。先生がその子をバカにするようなことを言うので、クラスの子たちがいじめるようになってしまったことが判明したのです。

 ところが、救世主があらわれました。頭もよくて活発なクラスの子が、先生にさっそうと反旗を翻し、いじめられていたその子の味方をしてくれたのです。すると、先生の暴言もなくなり、いじめていた子たちもすっかりなりをひそめました。

 それ以来、その子はまた学校に行けるようになりました。何より変わりました。はっきりと自己主張をするようになり、強くなったのです。態度や行動も変わりましたが、さらに服装や髪型もがらりと変わりました。

 私はその助けてくれたクラスの子に会ったことがないのですが、その子の真似をするようになったのは明らかでした。

 ミラーニューロンの働きのいいHSCは、模倣から学ぶことが得意です。このケースはたまたま同じクラスにいいモデルがいたことが幸いだったのですが、そういう人に出会えると変われるのです。

 周囲の大人が、そういうモデルを探してやる。いえ、モデルになってやることもできます。お父さんみたいになりたい、お母さんみたいになりたい、先生みたいになりたい、そう思えるような存在がいることが、非力な子の力になるのです。

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著者

長沼 睦雄

十勝むつみのクリニック院長。1956年山梨県甲府市生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。北海道立札幌療育センターにて14年間児童精神科医として勤務。平成20年より北海道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と大人の診療を行ったのち、平成28年に十勝むつみのクリニックを帯広にて開院。HSC/HSP、神経発達症、発達性トラウマ、アダルトチルドレン、慢性疲労症候群などの診断治療に専念し「脳と心と体と食と魂」「見えるものと見えないもの」のつながりを考慮した総合医療を目指している。

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