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よみものどっとこむ

第36回

心身の荒れは、思春期に噴き出しやすい

2018.03.16更新

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【 この連載は… 】すぐにびっくりする。興奮したあとはなかなか寝つけない。服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる……5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。

心身の荒れは、思春期に噴き出しやすい

 多くの子どもは、10歳ごろから自我が芽生え、思春期に心と身体のアンバランスで葛藤を始めます。自我の混乱に耐えられなくなってさらに荒れていきますが、それは17歳ごろには落ち着く。そういう一連の成長過程があります。思春期に葛藤を表に出して昇華させてしまったほうが、その後、生きやすくなります。

 問題は、おとなしいように見える子が、じつは危ないんだということです。感情・感覚を出さない子は危ないのです。

 HSCは芸術性や創造性が高い一方、心の病を取り込んでしまいやすい性質も持っています。平たくいうと心を病みやすい。危うさと芸術性が諸刃(もろは)の剣(つるぎ)のように存在する人たちであるということができます。だからこそ、育つ環境が大事。環境によって変わっていくのです。

 中学生時代は、とくに荒れることの多い時期です。

 HSCで、とても大人びた子で、大人と接するのが好きな子がいました。

 不登校になるのですが、不登校児の中でも人気者です。合唱部や放送部で活躍したり、いろいろな活動をしています。そんなことができているのに、不登校になってしまうのです。

 荒れて、家庭では別人のようになって爆発する。お母さんが「大変だ」と連れてきました。

 思春期は、大人になっていくための大切なステップであり戸惑いが多いのです。いろいろな乱れがあって、いい自分、悪い自分との狭間で葛藤があるのです。「自分の中にある負の部分をしっかり見て、それも自分なんだと認めなさい」と私は言い続けていましたが、そのときは、あまりこちらの言葉が耳に入らなかったようです。

 そんな子も、成人しました。そういう苦しい時期を経て、病み抜けたという感じで、いまは、「先生、ようやく自分を取り戻しました」と言っています。

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著者

長沼 睦雄

十勝むつみのクリニック院長。日本では数少ないHSPの臨床医。昭和31年山梨県生まれ。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。道立札幌療育センターにて小児精神科医として14年間勤務。平成12年よりHSPに注目し研究。平成20年より道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行う。平成28年十勝むつみのクリニック開業。発達障害、発達性トラウマ、解離性障害などの診断治療に専念し、脳と心と体の統合的医療を行っている。著書に『活かそう!発達障害脳 「いいところを伸ばす」は治療です。』(花風社)、『敏感すぎる自分を好きになれる本』『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』(ともに青春出版社)、『コミックエッセイ 敏感過ぎる自分に困っています』(宝島社)などがある。

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