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子どもの敏感さに困ったら 児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 長沼睦雄

第23回

【HSCの本】<子育てアドバイス>敏感すぎる子をかわいがれない

2017.12.08更新

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5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。
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■そんな自分を責める必要はありません

「子どもの敏感すぎる行動にイライラして、つい、きつい言葉を投げてしまいます。理解できないわけではないのです、自分も幼いころ敏感なタイプだったから。だけど、優しく接することができません。早く幼稚園に行くようになってほしい、そうしたら少し離れられるという思いで、入園を心待ちにしている自分がいます」

 一般に、親がHSPでないと、子どもがわざとやっているように思えたり、つい急かしてしまったり、口調が厳しくなってしまったり、一緒に楽しめなかったりして、イライラがつのってきやすいのです。また、親がHSPだと、子どもの感じていることがよくわかり、子どもの問いにうまく答えられ、共通の楽しみ方ができるのですが、自分がしてほしかったことを押し付けたり、手や口を出しすぎて過保護になったり、共感しすぎて冷静になれなかったり、対外的に弱かったりして、子育てに難しさが起こります。

 自分も敏感だったのに子どもを受け入れることができないというのは、おそらく母親自身の過去に辛い経験があるのです。子どもと向き合うことで、自分の過去と過剰につながってしまうのだと思われます。

 敏感すぎる人は、親の顔色をみて言いたいことも言えずに、いつも誰かに振り回されて育ってきた人が多いのです。責任感や自責感が強く、自信もないため、ミスをしないように、他人に批判されないように、とても気を遣ってしまいます。家事も子育ても完璧を目指し、疲れ果ててしまうのです。

 そういう人に対して私は、「敏感な子を育てるって、とても大変だよね」と言ってガス抜きをしてあげます。心の逃げ場や休み場を用意してあげるようにします。

「子育ては、自分育て」といい、自分の育ちを見つめ直すという意味があります。自分の敏感さや弱さを受け入れるようになると、子どもも受け入れることができるようになっていきます。過去にさかのぼって人生をやり直すことはできなくても、子育てを通じて、自分の過去の心の傷や痛みに向き合い、自己主張できなかった自分の弱さを認め、許し、受け入れる機会が与えられていると考えてみるといいと思います。

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著者

長沼 睦雄

十勝むつみのクリニック院長。1956年山梨県甲府市生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。北海道立札幌療育センターにて14年間児童精神科医として勤務。平成20年より北海道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と大人の診療を行ったのち、平成28年に十勝むつみのクリニックを帯広にて開院。HSC/HSP、神経発達症、発達性トラウマ、アダルトチルドレン、慢性疲労症候群などの診断治療に専念し「脳と心と体と食と魂」「見えるものと見えないもの」のつながりを考慮した総合医療を目指している。

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